雪村周継 多年雪舟に学ぶといへども ミネルヴァ日本評伝選

赤沢英二

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784623053179
ISBN 10 : 4623053172
フォーマット
出版社
発行年月
2008年12月
日本
追加情報
:
20cm,223,6p

内容詳細

16世紀に活躍した異色な水墨画の巨匠・雪村周継。雪舟とは対照的に躍動感と高揚感のある異色の画風を展開した。彼の描いた絵と資料を紡ぎ、戦国の世に大活躍を見せた、孤高の画人の生涯に迫る。

【著者紹介】
赤沢英二 : 1929年生まれ。東京大学文学部美学美術史学科卒業。現在、東京学芸大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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戦国時代、関東・東北を拠点に活動した画僧...

投稿日:2016/02/13 (土)

戦国時代、関東・東北を拠点に活動した画僧、雪村周継の評伝。きわめて個性的でダイナミックな画風で知られているが、その生涯については謎が多く生没年も今だに確定していないが、著者赤澤氏は1492年頃に生まれ1573年頃に82歳で亡くなったという説を唱えている。雪村は関東の名門佐竹家の一族の生まれだが幼くして仏門に入って画僧としての修行を積んだと考えられているが前半生については不明な点が多く推測の域を出ない状態である。ただ分かっているのは雪村が若い頃から精力的に絵を描いていたこと、絵の修行のため関東・東北の各地を巡歴していた、ということである。雪村の作品は現在でも比較的多く残されていてその内容などから彼の足取りの大まかなところはつかめるようである。 雪村が活躍していた時期の関東及び東北南部はまさに群雄割拠の乱世であった。彼の生家佐竹のみならず北条・上杉・田村・武田・芦名など有力大名たちが時に手を結び時に争うといった状態を繰り返していた。雪村は故郷常陸を出て芦名氏の本拠会津を訪問(45p〜 )、その後北条氏の本拠地小田原や古都鎌倉で画業の醸成に努め(65p〜 )、会津を再訪した頃にはその画業は完成の域に到達していた。晩年は田村氏の本拠三春に移住、隠棲しつつも創作意欲は衰えず多くの作品を残したが自らの死期を悟って故郷常陸に戻り亡くなったと考えられている(135p〜 )。 雪村は画僧の大先輩である雪舟等楊を尊敬しその画風を研究したが彼自身の画風は雪舟とは違った方向性を持った。緻密で端整、堅実な画風の雪舟に対し雪村はダイナミックで大胆なデフォルメも厭わない極めて特徴的・個性的な画風を確立した。雪村は『説門弟資云』という書物において「多年雪舟に学ぶといへども画風の懸絶せるを見よ」(92p)と豪語している。著者赤澤氏はこの言葉について「雪舟を師と捉えながらも、自らの画風を追究した、雪村の自信みなぎる言葉であろう」と指摘している。

金山寺味噌 さん | 愛知県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • toyozou さん

    生没年末も定かでない戦国時代の画僧、雪村。やっぱり経歴や、雪舟との関わりも明らかでないことを確認した本でした。[師に学ぶのは筆跡の省略の仕方で、筆力、筆意は自己にあるべし]の文は印象的でした。後に継承された琳派と雪村と雪舟を並べて観てみたくなりました。

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赤沢英二

1929年生まれ。東京大学大学院修士課程中退。日本中世絵画史。東京学芸大学名誉教授。2012年死去

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