基本情報
内容詳細
村落文書のあり方を考えるときに、近世はおろか、中世においても、様式や署判のありかたは見過ごされ続けてきた。本書では、中世の「村落定書」(村落集団の意思決定事項を記した文書や木札など)と、村落文書の「署判」に着目して、従来の古文書学・史料学の枠組みでは捉えきれない、中世村落文書が持つ豊かな世界の扉を開く。第一部では、中世から近世移行期までのすべての村落定書の文書様式と内容分類の分析を通し、両者の関係の変遷をあとづける。そこで見えてきたのは、口頭伝達社会の村人が文字による伝達に接触していく過程の痕跡であり、中世村落の動的な姿である。第二部では、村落文書の署判に着目する。署判の有無と「正文」「案文」の関係への疑問、署判からみえる村落集団と集団代表個人との興味深い関係性を示し、そこから中世村落民の意識の問題までを見通す。
目次 : 第1部 村落文書の形成と村落定書(村落文書の形成―荘園公領制との関連から/ 村落定書の世界/ 村落定書の成立と変遷―文書様式の観点から/ 村落定書の源流―注置状と置文)/ 第2部 村落文書の署判(村落定書の署判/ 村落文書の惣判・惣印/ 惣判・惣印の形成とその意義/ 丹波国山国荘における木印署判)
【著者紹介】
薗部寿樹 : 1958年東京都品川区生まれ。1989年筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科史学専攻単位取得退学。1991年山形県立米沢女子短期大学講師。1994年同助教授。2004年同教授(至現在)。2018年同副学長(至現在)博士(文学)(筑波大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ユーザーレビュー
哲学・歴史・宗教 に関連する商品情報
-
大河ドラマ『どうする家康』関連商品特集 2023年の大河ドラマ第62作はスピード感あふれる波瀾万丈の戦国エンターテインメント!徳川家康の生涯を新たな視点で描... |2023年09月27日 (水) 10:00
-
池上彰,佐藤優 対談シリーズ『黎明 日本左翼史 左派の誕生と弾圧・転向... 階級を生んだ松方デフレ、大逆事件の衝撃、弾圧と知識人の「転向」。日本左翼の原点とは何だったのか?シリーズ累計13万部... |2023年06月14日 (水) 00:00
-
新書大賞2023 大賞『現代思想入門』 無限の反省から抜け出し、個別の問題に有限に取り組む。大きな謎に悩むよりも、人生の世俗的な深さを生きる…現代思想の真髄... |2023年06月01日 (木) 10:00
-
磯田道史『日本史を暴く』中公新書 知っているつもりの日本史も史料をもとに読みなおせば、新たな面が見えてくる。戦国、江戸、幕末の驚きの真相が満載。忍者や... |2022年12月27日 (火) 00:00
-
【緊急出版】エリザベス女王 写真で振り返る、国家に捧げた生涯 9月29... 1952年から70年にわたり、女王として君臨し、公私にわたって数々の話題を振りまきながら、96歳で亡くなるまで、英国... |2022年09月16日 (金) 14:00
-
なぜ日本人は幸福を感じられないのか? 物質的豊かさと便利さを実現したにも関わらず、なぜ日本人は幸福を感じられないのか。社会思想家の著者が資本主義の行き着く... |2015年10月19日 (月) 12:51
おすすめの商品
商品情報の修正
ログインのうえ、お気づきの点を入力フォームにご記入頂けますと幸いです。確認のうえ情報修正いたします。
このページの商品情報に・・・