聖路加国際病院内科チーフレジデント

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内科レジデントの鉄則 第3版

聖路加国際病院内科チーフレジデント

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784260034616
ISBN 10 : 4260034618
フォーマット
出版社
発行年月
2018年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
森信好 ,  
追加情報
:
324p;26

内容詳細

聖路加国際病院の屋根瓦式教育のエッセンスが詰まった1冊
臨床現場で最も大事なこと――蓄えた知識を最大限に生かし、緊急性・重要性を判断したうえで、いかに適切な行動をとれるかということ。本書は、まさにここに主眼を置いて構成。よく遭遇する教育的な症例をベースに、絶対知っておきたい知識を整理するとともに、どのようにワークアップし、動くべきかということが一貫して強調されている。今回の改訂では、基本から少しアドバンスな内容、最新の知見も記載。参考文献もさらに充実。

第3版の序

 いまや医学生と研修医にとって必読書となった『内科レジデントの鉄則』は,2004-2005年度の内科チーフレジデントが立ち上げた「内科コアカンファレンス」から生まれました.2005年に内科研修医として聖路加国際病院に入職した私は執筆者の先生方から直接教えていただいた世代であり,初版,第2版の編集を務められた岡田定先生から第3版の編集の大任を拝した際は,大変光栄であるとともに身の引き締まる思いでした.

 『内科レジデントの鉄則』は単なる教科書ではありません.医学生や研修医にとって,稀な疾患を知り鑑別を広げることは確かに大事なことかもしれません.臨床推論能力を高めることも大事でしょう.ですが,臨床現場で最も大事なことは,蓄えた知識を最大限に活かし,緊急性・重要性を判断したうえで,いかに適切な行動をとれるかということなのです.『内科レジデントの鉄則』はまさにそこに主眼を置いて構成されています.現場でよく遭遇する症例をベースに,絶対に知っておきたい知識を簡潔に整理するとともに,どのようにワークアップし,どのように動くべきかということが一貫して強調されているのです.

 今回,第3版の執筆にあたったのは2016年度の内科チーフレジデントを務めた孫楽先生,羽田佑先生,池田行彦先生です.みな優秀な臨床医であるとともに,実に素晴らしい教育者でもあります.6年ぶりの改訂に際し,まずは医学生や研修医のニーズに本書は本当に合致しているかを調査することから始めました.当院の見学に来た医学生や当院の初期研修医,専門研修医に対して独自にアンケート調査を行い,彼らが本書のどこに満足しているのか,あるいはどのような改善を望んでいるのかを徹底的に洗い出しました.その結果,基本的な部分はできるだけわかりやすく簡潔に記載するとともに,少しアドバンストな内容についても記載するなどメリハリを効かせた構成を意識しています.そして今版ではとりわけ参考文献に力を注ぎました.できる限り新しい知見を紹介するとともに,具体的に何が重要か,文献についての解説を記載しています.そうすることで自分自身のブラッシュアップのみならず,後輩への教育にも役立つことが期待されるからです.

 改訂の企画立案から1年強にわたり,幾度となく執筆者と議論を重ね,このたび無事,第3版の完成に漕ぎ着けました.多忙を極める日々でしたが,一切の妥協をせず,先輩方から引き継いだ本書をよりよいものにしようとする執筆者の熱意と真摯な姿勢に心打たれました.彼ら3人を心から誇りに思います.

 最後になりましたが,このような良書が生み出されるのは教え好き,教えられ好きが集まり脈々と屋根瓦式教育が引き継がれる聖路加国際病院という豊かな土壌があるからにほかなりません.すべての病院関係者の方々に感謝申し上げます.また,いつも私たちを導いてくださる岡田定先生,そして丁寧な校正を行っていただきました医学書院の方々に深謝申し上げます.

 2018年3月
 聖路加国際病院感染症科副医長
 森 信好



目次
A 当直で呼ばれたら
 1 発熱―解熱薬で様子をみるその前に
 2 ショック―血圧そのものより循環が大事
 3 酸素飽和度低下―バイタルサイン異常でいちばん怖い!
 4 意識障害―失神じゃなければAIUEOTIPS
 5 頻脈・徐脈―安定? それとも不安定?
 6 胸痛―4 killer chest painを見逃すな!
 7 腹痛―急性腹症をまず除外!
 8 血糖異常―低くても高くても注意
 9 嘔気・嘔吐―「NAVSEA」で鑑別を
 10 不眠・せん妄―睡眠薬にも落とし穴が……
 11 病棟で経験するアレルギー―アナフィラキシーと重症薬疹を忘れるな
 12 その他(転倒,点滴・経鼻胃管・胃瘻自己抜去,点滴漏れ)
     ―どんなコールも油断大敵

B 内科緊急入院で呼ばれたら
 13 肺炎―起炎菌を想定した診療を
 14 喘息発作・COPD増悪―wheeze=喘息発作とは限らない
 15 急性心不全―wet or dry? cold or warm?
 16 脳梗塞―発症後4.5時間が勝負
 17 けいれん―あせらずまずはABC確保
 18 急性腎障害(AKI)―AKIに強くなる!
 19 低ナトリウム血症―血漿浸透圧 High or Low?
 20 高カリウム血症―男はだまって再検と心電図
 21 肝機能障害―「肝なのか,胆なのか」
 22 急性膵炎―膵炎の沙汰も水次第
 23 オンコロジック・エマージェンシー―進行がん患者を救おう

C 入院患者の管理で困ったら
 24 輸液―たかが輸液,されど輸液
 25 栄養―計算せずして食わせるべからず
 26 ペインコントロール―痛みは第5のバイタルサイン
 27 慢性腎臓病(CKD)―クレアチニンだけが腎機能じゃない
 28 動脈血液ガス分析の解釈―隠れた病態を導き出そう
 29 ステロイドの使用法―副作用を最小限に
 30 抗菌薬の使い方―抗菌薬は狙いを定めて使用する
 31 抗菌薬の使い方 応用編―抗菌薬が効かない可能性を考える

あとがき
索引

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • うひょひょ さん

    色々なレジデント本があるけど、これ一冊でもいいぐらいの神書。 全てを丸暗記するレベルで繰り返し読んで、すぐにアウトプット出来るようにしたい。

  • ぷー さん

    仕事で必要だったので通読。非現役医療者としては重たい内容だったので比較的さらっと読んでまとめつつ読んだが、この読み方でも十分内科の診察・検査の流れがわかりやすく非常に勉強になった。時間のあるときに繰り返し読もうと思う。

  • 文狸 さん

    1年目が終わりに向かっている今読むと、断片的な勉強の間を埋めるようなことがまとめて書いてあったり、これまでの復習になるようなことが書いてあったりして、有益なことが多かった。もちろんまだまだ自分は足りない。ただ網羅的過ぎて読んでいてしんどいところは多いし、ここは本書でなくてもっとそれ用のテキストで勉強したい、という部分も少なからずあった。バイブル的な位置付けになっているが、個人的にはこれ一冊というよりは、知りたい範囲に応じた適切な詳しさの本のほうがよいのではないか。

  • 呼吸器内科医K さん

    内科全般のエッセンスが詰まっている。マニュアル本よりも説明に紙面が割かれ、症例も提示されているので、目の前の患者に考えながら応用しやすい。これをアウトプットできるようにするだけでかなりの力がつく!

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