日本文学100年の名作 第3巻 1934‐1943三月の第四日曜 新潮文庫

池内紀

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101274348
ISBN 10 : 4101274347
フォーマット
出版社
発行年月
2014年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
514p;16

内容詳細

日中戦争、第二次世界大戦が勃発、史上最大の戦時に。過酷な時代を文学はどう生きたか。激しく戦い、もっとも傷ついた時代の文学は、こんなにも心に響く。中短編アンソロジー全集、第3巻。

【著者紹介】
池内紀 : 1940(昭和15)年兵庫県姫路市生れ。ドイツ文学者。翻訳、評論をはじめ、エッセイ、人物列伝、演芸・歌舞伎論など、執筆範囲は多岐にわたる。訳書に『カフカ短篇集』、『ファウスト』(毎日出版文化賞)、著書に『恩地孝四郎』(読売文学賞)、『海山のあいだ』(講談社エッセイ賞)などがある

川本三郎 : 1944(昭和19)年東京生れ。文学、映画、旅を中心とした評論やエッセイ、翻訳など幅広い執筆活動で知られる。著書に『大正幻影』(サントリー学芸賞)、『荷風と東京』(読売文学賞)、『林芙美子の昭和』(毎日出版文化賞)など多数

松田哲夫 : 1947(昭和22)年東京生れ。編集者、書評家。’70年に筑摩書房入社後、数々のベストセラーを生み出し、“ちくま文庫”を創刊する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • こーた さん

    1935〜42年、戦争に向かっていく時代の名品十三篇がならぶ。萩原朔太郎「猫町」、石川淳「マルスの歌」、岡本かの子「鮨」など、時間と空間の捉えかたがじつにのびやかで、この時代の小説はいまよりずっと自由だったのでは、とおもえてくる。表題作は宮本百合子。矢田津世子「茶粥の記」もそうだが、時代の暮らし、というものは小説にこそよく描かれていて、むしろほんとうのことは小説でしか描けない、ということなのかもしれない。いまの小説は「いま」を正しく描けているだろうか。その描かれたいまを、ぼくは正しく読めているだろうか。

  • KAZOO さん

    1934年から1943年までの作品を13収めています。幸田露伴以外は読んだことがなく、萩原朔太郎の「猫町」が前から読みたいとおもっていたので最初にあったので楽しめました。戦争が始まったことをあまり感じさせないのは選者にそのような気持ちがあるのでしょうか?

  • みつ さん

    朔太郎『猫町』、石川淳『マルスの歌』、露伴『幻談』のみ既読。『猫町』は、詩人の「三半規管の喪失」により訪れた町の不思議な体験を記す。『幻談』は、釣りをめぐる飄々とした記述の中に海では隣り合わせにある死を描く。尾崎一雄の『玄関風呂』は、息苦しい時代にあって肩の力が抜ける楽しい話。井伏鱒二の途方もない勘違いで締め括られるのも愉快。中山義秀『厚物咲』は、自己中心的で吝嗇な男の菊に対する執着を彼に翻弄された語り手の眼で描く。海音寺潮五郎『唐薯武士』は、西南戦争の時代を背景にしつつ、志願する息子に対する母の感情➡️

  • kasim さん

    錚々たる書き手が並ぶ豪華アンソロジー。既読はたぶん「猫町」のみ。二人の幼馴染の老人を描く中山義秀「厚物咲」に圧倒的な迫力があった。読者には当初少しだらしないだけの好人物にも見える片野が怪物に等しい人物だと次第に明らかになる。そんな彼がこの世の物とも思えない美しい巨大な白菊を咲かせるという落差。悪目立ちしないのに綿密な語りの技巧も鮮やか。文章の平明でいて美しい点では、中島敦もやっぱりすごい。

  • A.T さん

    矢田津世子「茶粥の記」がよかった。「…牡蠣は何といっても鳥取の夏牡蠣ですかね…ごく深い海の底の岩にくっ着いている。海女が獲ってきたやつをその場で金槌を振るって殻をわずか叩き割り…塩水でよく洗って酢でガブリとやるんです…」戦時、食糧も不足する中に空想するだけの食通の良人の話。2021年の現在読んでもヨダレが流れる旨味を湛えていて美味な一編。残念ながら作者 矢田津世子は1944年37歳の若さで亡くなってしまった。もっと読みたい作家です。

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池内紀

1940年、兵庫県姫路市生まれ。ドイツ文学者、エッセイスト。『池内紀の仕事場』全8巻(みすず書房)、『山の朝霧 里の湯煙』(山と溪谷社)ほか、著訳書多数。『諷刺の文学』(白水社)で亀井勝一郎賞、『恩地孝四郎』(幻戯書房)で読売文学賞、『海山のあいだ』(マガジンハウス)で講談社エッセイ賞、『ファウスト

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