祐介・字慰 文春文庫

尾崎世界観

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167912741
ISBN 10 : 4167912740
フォーマット
出版社
発行年月
2019年05月
日本
追加情報
:
192p;16

内容詳細

クリープハイプ尾崎世界観、慟哭の初小説!
「尾崎祐介」が「尾崎世界観」になるまで。
書下ろしのスピンオフ短篇「字慰(じい)」を文庫版で初収録。

「俺は俺を殴ってやろうと思ったけれど、どう殴っていいのかがわからない。」

スーパーでアルバイトをしながらいつかのスポットライトを夢見る売れないバンドマン。恋をした相手はピンサロ嬢。どうでもいいセックスや些細な暴力。逆走の果てに見つけたものは――。
人気ロックバンド「クリープハイプ」のフロントマン尾崎世界観、渾身の初小説。
「祐介」の世界からスピンオフした「字慰」は、著者最新の書き下ろし作品です。
解説は『コンビニ人間』が世界的高評価の芥川賞作家、村田沙耶香さん。

たったひとりのあなたを救う物語。

【著者紹介】
尾崎世界観 : 1984年、東京生まれ。4人組ロックバンド「クリープハイプ」のボーカル・ギター。多くの人から言われる「世界観が」という曖昧な評価に疑問を感じ、自ら尾崎世界観と名乗るようになる。2012年、アルバム『死ぬまで一生愛されてると思ってたよ』でメジャーデビュー。14年、18年に日本武道館公演を行い、シーンを牽引する存在に。男女それぞれの視点で描かれる日常と恋愛、押韻などの言葉遊び、そして比喩表現を用いた文学的な歌詞が高く評価される。16年に刊行された半自伝的初小説『祐介』は、「アメトーーク!」で読書芸人大賞の一つに選ばれるなど、大きな話題となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • hitomi.s さん

    想像力はあった。こうなりたい。こうありたい。こんなふうなはず。こんなはずじゃない。だから今は違う。今の、この自分であるわけがない。でも、自分であることもわかっている。いま、が、自分に由来するなんてわかってる。そんな、どこにもぶつけられないモヤモヤした塊は、涼しい顔したまま持ちきれるものじゃない。何かや誰かに救って貰えると思った。でも、何かや誰かを探すのも自分だ。自分を知ることは、想像することと相反するか。意外と悪くないよ。明日のごはん考えてそうぞうすることも。

  • olive さん

    看板に偽りなし!尾崎世界観にしか書けない世界観でした。夏の図書館に涼みにやってきた、いつからお風呂入ってないの?すえた匂いを放つのに誰も出て行ってくれとは言えないおじさんのような一冊でした。静寂した闇に誰も止められない疾走感というやつでしょうか。で、最後にあんなことになろうとはー!現実の自分ともう一人の自分。きっと売れっ子になった今でも対話してるんでしょうね。最後に、多くの比喩が使われてたので私も比喩返しで(←ヘタクソな返しで失礼しました(;^ω^))

  • ちぇけら さん

    ギターをかき鳴らし、それでも足りなかった。血は流れつづけるし、不快なにおいは消えないや。こなすだけのセックス、物事は装置。いつも俺は苛立って勃ってやってそしてバカばっかなんだって。何の為、何の為、何の為、何の為、諦めないんだっけ俺。何が欲しい、何が欲しい、何が欲しい、何が欲しいんだろ。でも歌うしかないんだよ、もう音楽は止まらないんだよ、「僕達、間違ってませんよね?」嫌い、嫌い、嫌い、嫌い、嫌いと言えたらよかったのになあ。バンドで歌うこと、誰かとつながりたいと思うこと、そんな自分のこと。そんな世界のこと。

  • ケー さん

    表題作の「祐介」より、そのスピンオフ的位置づけとして作られた書き下ろしの「字慰」のほうが実は好みだったりする。見方によっては一瞬純愛にも錯覚してしまいそうになる主人公に粘着的な愛。その一人語りが不気味なはずなのに小学生という立場もあって妙に清々しさも感じる奇妙な作品。一方「祐介」はいかにもクリープハイプっぽいというか、歌詞を小説というフィールドで再現してみたという印象を終始受けた。ちょいちょい分かりにくいノリというか文体があったけれど、最後の村田沙耶香さんの解説のおかげでなんとか納得。

  • ノニコニ さん

    尾崎世界観、うたごえは好き。 「祐介」より「字慰」のほうが面白かった。

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人物・団体紹介

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尾崎世界観

1984年東京都生まれ。ミュージシャン、作家。クリープハイプのボーカル、ギターとして活動しながら、2016年に半自伝的な小説『祐介』で作家デビュー。20年『母影』で芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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