大坊珈琲店

大坊勝次

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784416714348
ISBN 10 : 4416714343
フォーマット
出版社
発行年月
2014年07月
日本
追加情報
:
255p;22

内容詳細

表参道の交差点にほど近く、38年間変わらぬスタイルで営業を続けた喫茶店「大坊珈琲店」は2013年12月に惜しまれつつ閉店した。
店主の大坊勝次が豆選びから焙煎、ブレンドをも自ら行い、ネルドリップで作るコーヒーは、濃いめながら酸味と甘味が溶け合い、苦味がまろやかに包み込まれている、すっきりとした味わい。その一杯を求めて、文化人を含む多くの人たちが通っていた。店内で焙煎から行われており、コーヒーを淹れるまでの無駄のない一連の動きを楽しむ人も。むく材のカウンターも椅子も壁も焙煎の煙で燻され、過ぎた年月により落ち着きを増していた。BGMは音量がほどよく絞られたジャズ。器、本、絵画、花など、店内にある細部にいたるまで店主のこだわりが感じられ、コーヒーを味わうための最適な空間が整えられていた。
本書はそれらのこだわりが綴られたエッセイ「大坊珈琲店のマニュアル」をはじめ、写真家・関戸勇による店内外の写真、縁のある35人による寄稿文で構成。大坊珈琲店を愛する人には懐かしく、コーヒーや喫茶店が好きな人も追体験することで、コーヒーの味わいと空間に浸れる内容となっている。
本書はもともと閉店時に1000部限定で制作された私家本を改訂したもの。デザインは私家本同様、猿山修が手がけ、大坊珈琲店を思わせる静謐な雰囲気が漂う装幀にする。好きなコーヒーや喫茶店がひとつあるだけで、日常が豊かになることを感じさせる一冊。

[寄稿者]
佐藤隆介、永六輔、矢崎泰久、武部守晃、葉山葉、小林庸浩、十文字美信、長谷川櫂、天児牛大、糸井重里、平松洋子、杉山英昭、嶋中労、門上武司、小川幸子、川口葉子、五十嵐郁雄、鳥目散帰山人、横山秀樹、升たか、遊佐孝雄、本多啓彰、渋澤文明、立花英久、立花文穂、切明浩志、岡戸敏幸、金憲鎬、芦澤龍夫、沖本奈津美、長沼慎吾、清田大志、金恵貞、大野慶人、小澤征爾

【著者紹介】
大坊勝次 : 1947年岩手県盛岡生まれ。南青山の喫茶店「大坊珈琲店」店主。1975年の開店以来、自家焙煎、ネルドリップというスタイルも内装も変えずに営んできたが、2013年12月にビルの取り壊しにより惜しまれつつ閉店(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • めしいらず さん

    一日は、時間は、とめどなく過ぎ去ってしまうから、誰もがせわしなくその流れに乗っかろうと日々齷齪している。そんな中にあっても、ふと流れ切れない思いが、心をチクチク苛む時がある。人には静かに自分自身と向き合える時間と場所が必要だ。本書に寄稿された方々のエッセイを読むと、閉店した大坊珈琲店がまさにそうだった。38年もの間ずっと変わらずにあり続けた、静かで薄暗い空間と、いつでも誰にでも慎ましい店主と、そして人を思索へと誘う深くて濃い味わいの珈琲と。大切なものの喪失、その悲哀は、人生の良薬。苦い珈琲の味に似ている。

  • emi さん

    珈琲好きの方はご注意ください。読むと間違いなく大坊珈琲店に行きたくなりますが、その味を舌で確かめることは叶いません。南青山にただならぬ珈琲屋があった、そしてもう口にできないなんてと惜しむただならぬ常連客たちの寄稿。閉店した珈琲店の私家本を活版印刷で製本した一冊、ここまで憧れの店として記憶するとは。ふらりと仕事帰りにこの店に立ち寄れた人たちが羨ましくてなりません。ただの堅苦しい珈琲店ではなく…ただの美味しい珈琲店でもなく…長年愛用した品のように、一人一人が揺らぎない信頼と愛情を注いだ店なんですね。きっと。

  • ぶんこ さん

    立ち退きで惜しまれつつ閉店した珈琲店の主が作った本。南青山は生活圏ではなかったので知りませんでしたが、知っていたら一度は行っていたと思えるお店でした。店主の拘りがすごくて、コーヒー豆は当然としてポット、ネルの濾し袋も手作り。窓の簾まで拘って、お店全体の一つひとつのあらゆる物に拘って、妥協せずに開いたお店。たくさんの写真を何度も眺めてしまいました。多くの人が憧れる「やってみたい喫茶店」のお手本のようでため息。道端に咲く花から、故郷の山野草、顧客が持ってきてくださる庭の花。季節の花がさりげなくある風景。素敵。

  • 吾亦紅 さん

    以前からなんてかっこいい本なんだと思いながら買うのを先延ばしにしているうちに絶版になってしまい、今は買わなかったことを本当に後悔している。今回は図書館で借りて読了。南青山にあった大坊珈琲店はビルの取り壊しで惜しまれながら閉店。前半はこの店の「マニュアル」、真ん中に店の写真集、後半は閉店に伴い常連客たちからの寄稿文の3部構成。行ったことはないが、その飴色の内装や掛けられた静謐な絵、活けられた野の花、小さく流れるジャズ、そして珈琲を点てる白いシャツの大坊さん、お冷やを入れるグラスまで、痺れるほどかっこいい。

  • ムフィー さん

    ただ、ただ一度行ってみたかったなぁと思う。珈琲を淹れる店主のその姿、たたずまいを生で拝見してみたかった。珈琲一杯に注ぐ情熱、店内をあしらう草花やBGMへの気配り、本棚に揃える本、取り入れる光の加減や照明の按排、そこへ行ったかのように想像するだけでも奥深い。

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人物・団体紹介

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大坊勝次

1949年岩手県盛岡生まれ。南青山にあった珈琲店「大坊珈琲店」店主。1975年の開店以来、自家焙煎、ネルドリップというスタイルも内装も変えずに営んできたが、2013年12月にビルの取り壊しにより、惜しまれつつ閉店した。その後も全国各地で手廻し焙煎やネルドリップのレクチャー、出張珈琲店を行っている(本

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