乱読のセレンディピティ 思いがけないことを発見するための読書術

外山滋比古

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784594069964
ISBN 10 : 4594069967
フォーマット
出版社
発行年月
2014年04月
日本
追加情報
:
205p;18

内容詳細

一般に、乱読は速読である。それを粗雑な読みのように考えるのは偏見である。ゆっくり読んだのではとり逃すものを、風のように速く読むものが、案外、得るところが大きいということもあろう。乱読の効用である。本の数が少なく、貴重で手に入りにくかった時代に、精読が称揚されるのは自然で妥当である。しかし、いまは違う。本はあふれるように多いのに、読む時間が少ない。そういう状況においてこそ、乱読の価値を見出さなくてはならない。本が読まれなくなった、本ばなれがすすんでいるといわれる近年、乱読のよさに気づくこと自体が、セレンディピティであると言ってもよい。積極的な乱読は、従来の読書ではまれにしか見られなかったセレンディピティがかなり多くおこるのではないか。それが、この本の考えである。

目次 : 本はやらない/ 悪書が良書を駆逐する?/ 読書百遍神話/ 読むべし、読まれるべからず/ 風のごとく…/ 乱読の意義/ セレンディピティ/ 『修辞的残像』まで/ 読者の存在/ エディターシップ/ 母国語発見/ 古典の誕生/ 乱読の活力/ 忘却の美学/ 散歩開眼/ 朝の思想

【著者紹介】
外山滋比古 : 1923年、愛知県生まれ。お茶の水女子大学名誉教授。東京文理科大学英文科卒業。雑誌『英語青年』編集、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授を経て、現在に至る。文学博士。英文学のみならず、思考、日本語論などさまざまな分野で創造的な仕事を続け、その存在は、「知の巨匠」と称される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • Miyoshi Hirotaka さん

    書店に行くと暗い気持ちになる。世の中には溢れるほど本があるのに、人生で読めるのは、ほんの僅かだということに気付かされるからだ。書評や人からの勧めで興味をもつ、題名を見て手にとる、目次を眺め序文を読むなどの過程にすら奇跡に近い出会いがある。人との出会いと同じだ。一方、どれだけ名刺を集めようが、どれほどSNSで友達を増やそうが、役に立つのはわずか。百発百中は期待しないし、外れが多いからといってやめる理由にはならない。乱読の効用は、会った人が会うべき人を教えてくれるように読んだ本が読むべき本を教えてくれること。

  • molysk さん

    本を読むうちに、思いがけない着想を得るには。知の巨人の肩に乗れば、はるか遠くにあるものが見渡せるかもしれない。筆者が知的散策で得た考えにあふれた本書は、そんなきっかけになりえる。肩ひじ張らず、自分の心地よいペースで読み進めて、引っ掛かりを感じる箇所が見つかれば、運がいい。たとえば、こんな一節。「人間の頭は知識を記憶するためにのみあるのではなく、新しいことを考え出すのが大切なはたらきである」専門にこだわらず、広い分野の良書を読み漁って、アイデアの化学反応が起これば。そんな幸運な出会いを楽しみに、本を読む。

  • KAZOO さん

    自分が乱読なものでこのような本を読むと安心すると同時に自己満足に浸っています。読書の分野を推薦するのではなく、乱読についての意義などを書いてくれている読書法の本なのだという気がしました。さらっと読めます。こういう本を読むと、じっくりと読むのはまだまだ先だなあという気がします。狐さんや平野啓一郎さんのじっくりと読むのも興味があるのですが。

  • モリー さん

    乱読せよ!無目的に。メモなど取るな。読んだ内容も忘れてしまえ。記憶違いや誤読だって上等だ。完璧に理解しながら読もうとするんじゃない。興味の赴くまま読めば良い。偶然に導かれ、あらゆるジャンルの本を漁れ。自分にとって本当に重要な事ならばメモなど取らずとも忘れはしない。我々に備わる天賦の才、忘却力は、時に記憶を改変する。だが、それすら必要なことなのだ。乱読によって放り込まれた大量の知識は、時間をかけて熟成し、変成し、化学反応を起こす。こうして生まれるアイデアが、ある時、ふと、直面した難問を解く鍵となるのだ。

  • よこしま さん

    本は風のごとく読むのがよい。◆鮮烈なメセッージでした。乱読≒速読でもなく、遅読でもない。5章の「風のごとく」が特に。◆昨日レビューにあげた寺田寅彦の「科学者とあたま」も、頭が悪いのと同時に良くてはならないと訴えていたように。兎のように速すぎると途中で拾い物ができない。◆“乱読のセレンディピティ”。1つの分野ばかりに傾倒していると他の分野が読めない。慣れてるα読ばかりでβ読ができないからで。乱読をすることで思いがけない発見“セレンディピティ”することができるのが醍醐味です。◆さぁ明日は何の分野を読むかな。

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