聴きごたえのあるアルバム。友川カズキの歌い方や声が中原中也の詩とよくマッチしている。特に「汚れちまった悲しみに」は絶品だ。中也の詩集を読むとき、この曲が耳元をかすめていく。夜更けに電車で桑名駅を通り過ぎるとき、「桑名の驛」が車窓をよぎっていく。中也の詩が好きな方は、このアルバムを一度は耳にしていいかもしれない。

新曲をつくることは　自分に何かしら新たな触発させるﾓﾉがあって初めて成り立つことだと思う。それが　友川　の歌を聴いて良くわかる。彼が触発され続けられるﾓﾉとは、果たして何なのだろうか？

この友川カズキを初めて見たのは確か金八先生に出演しているときだったと思います。スナックかなんかでギター一本持って、衝撃的な歌詞の歌を歌っていた。このアルバムに入っている「生きてるって言ってみろ」を歌っている映像を初めて見たときも、ギターが自ら叫んでると言ってもいいくらいの衝撃度だった。ここまで、聴く者の魂を揺さぶる歌い手は今の日本にはいないのではないだろうか。