森林官が見た山の彼方の棲息者たち

加藤博二

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309227429
ISBN 10 : 4309227422
フォーマット
出版社
発行年月
2018年08月
日本
追加情報
:
228p;19

内容詳細

奥山の残酷と至福の物語。山役人というものは山奥を生活の場とする。山の彼方で、山暮らしに一生を終わる、さまざまな人と袖振り合う。炭焼き、猟師、山宿の親爺、サンカ、薬売り、山芸者、山娘、蘭を愛でる病人…だれもがみな、懐かしい想い出のひとたちだ。

目次 : お花畑番人/ 山の湯/ 森林官の生活/ 山女/ 密造酒/ 岩窟ホテル/ 山魚漫筆/ 山火事/ 都会病/ 飛騨の娘〔ほか〕

【著者紹介】
加藤博二 : 森林官。著書に、『密林の怪女』(1940年7月、日本公論社)、『飛騨の山小屋』(1948年1月、真実新聞社/改題『森林官が語る 山の不思議―飛騨の山小屋から』2017年9月、河出書房新社)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • HANA さん

    先に読んだ『飛騨の山小屋から』が山に生きる人々の忘れられた人生をモザイクのように点描した傑作だったため、本書も期待しつつ読んだのだが…。今回は趣を変えて随想とか地方の風習とかが中心となっているのだが、その風習を未開として見下す記述が随所に見られどうもそこは好みに合わず。それでも「森林官の生活」で気になっていた森林官の仕事ぶりや、「お花畑番人」のしみじみとした山の生活、「密造酒」「岩窟ホテル」の飄々としたユーモアは読み応えあり。歴史の表面には残らない山の民俗や生きる人を、十分に知ることが出来る一冊であった。

  • ハイランド さん

    これはなんとも面白い!戦前の山人の生活を森林官が観察した記録。山の厳しい環境の中、自由に、猥雑に、奔放に、そして厳格なルールの下に生きる人々が生き生きと描かれている。都会の文明人が未開の野蛮人を見下す偏見あり、あちこちに現在では使うことが憚られる差別用語ありと、道徳的にどうなのと思う処もあるが、それは現代人の勝手な感想で、むしろ当時の空気が感じられ興味深い。三角寛描くサンカよりはるかにリアリティを持って描かれる山の民の姿についつい愛着を覚える。読み物としても戦前の山人達の生活の記録としても価値ある一冊。

  • 鯖 さん

    1937年に出版された同名の復刻本。扉に「著作者またはその御家族にお心当たりの方はご連絡ください」ってあって、すごいなそれも。内容もすごい。山の怪談話だと思って手に取ったんだけど違ってた。戦前ギリギリのところで一番しんどかった時代なことが拍車をかけているのかもしれないけど、女が産まれると育てば売れると喜ぶ山人や旅の男と関係をもつたび山ビルを用いて処女を演じる少女とか、そっち方面のえげつない話でお腹いっぱい。都会出の作者も何度も誘われても、そのたびに断ったって感じでエピが色々出てるけどホントかょ…ってなる。

  • 猫丸 さん

    何が書かれている本か、まとめて表すのがむずかしい。まあ、山に関するエトセトラとでも言うべきか。まず、営林の実態や苦労話が書いてある。通常の農業とは異なり、長期計画のもとで木の成長を支えるのが林業であった。当然といえば当然のことなんだが、言われてみれば山火事を怖れる気持ちもわかる。それから、森林官としての業務中でもそれ以外でも、山では結構な頻度で人死にの現場に出会う話が出てくる。やはり山は危ないよねえ。いまは観光地になっている場所も、開拓者が苦労して道をつけたところから始まるという。

  • 100名山 さん

    1937年1月に出版された「深山の棲息者たち」を改題再販したものです。続編として「飛騨の山小屋」よみもの新選・1真実新聞社1948年9月刊があります。どちらも吉田博の版画が表紙を飾ります。続編よりも創作性は薄く少し読み難いです。日中戦争が勃発した年に出版されたものなので現在の良識や常識で読んでしまったら判断を誤ると思います。十分民俗誌として読めます。森林官の仕事柄が多く語られているので加藤博二と言う著者名はペンネームだと思われます。加藤文太郎が活躍した時代が背景にあります。非常に貴重な記録だと思います。

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加藤博二

森林官。著書に、『密林の怪女』(1940年7月、日本公論社)、『飛騨の山小屋』(1948年1月、真実新聞社/改題『森林官が語る 山の不思議―飛騨の山小屋から』2017年9月、河出書房新社)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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