DVD 輸入盤

『トロヴァトーレ』全曲 チェルニャコフ演出、ミンコフスキ&モネ劇場、ディディク、ポプラフスカヤ、他(2012 ステレオ)

ヴェルディ(1813-1901)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
BAC108
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
DVD
その他
:
輸入盤

商品説明

稀代の鬼才チェルニャコフがまたもやっちゃいました!
5人だけの密室劇『トロヴァトーレ』なんて!
指揮はなんとミンコフスキ!


前代未聞の『トロヴァトーレ』が登場! 大鬼才ディミトリ・チェルニャコフの演出、我らが時代の大指揮者マルク・ミンコフスキが組んだモネ劇場での『トロヴァトーレ』は、誰も考えつかなかった刺激的な舞台になっています。
 チェルニャコフによる設定はこんな具合。とある事件から1年後、アズチェーナは真相を明らかにすべくマンリーコ、ルーナ伯爵、レオノーラを呼び寄せる。密室の中、フェランドの指示で四人は渋々再現プレイを始める。すると各人から隠されていた事実が次々と判明し、やがて激しく感情をぶつけ合っていく・・・。
 おそらく言葉で説明しても何が面白いのか伝わらないでしょう。また普通の『トロヴァトーレ』のつもりで見始めてもしばらくは状況が分からず混乱するでしょう。しかしチェルニャコフの仕掛けが効いてくると、密室劇特有の張り詰めた緊張感が手に汗握る興奮へと変わっていき、そしてあの『トロヴァトーレ』の幕切れが素晴らしい効果を発揮するようになります。これはまさにチェルニャコフ・マジック。合唱も脇役も舞台には出て来ず、たとえばイネスのパートはアズチェーナが歌うなど、すべてにおいて普通じゃありません。
 非常に実験的な上演ですが、歌手はたいへん優れています。レオノーラは、今や人気のプリマドンナ、マリーナ・ポプラフスカヤ。モスクワ生まれながらすっかり欧米の大劇場の華となっているポプラフスカヤは、モネ劇場でも大喝采を浴びています。マンリーコは、ウクライナのテノール、ミーシャ・ディディク。ウクライナ、ロシアで活躍した後、1998年にフィンランド国立歌劇場でのドニゼッティ『アンナ・ボレーナ』で西側にデビュー。以来ロシア・オペラ、イタリア・オペラ両面で活躍、2009年10月にはウィーン国立歌劇場に、2012年2月にはメトロポリタン歌劇場に初出演しています。東欧風の太めで力強い声の持ち主。ルーナ伯爵のスコット・ヘンドリックスは、米国テキサス州、サン・アントニオ生まれのバリトン。ドイツと米国の劇場を中心にイタリア・オペラのバリトンとして活躍しています。アズチェーナのシルヴィー・ブリュネ=グルッポーソは、シチリア系フランス人(父がシチリア人、母がフランス人)のメッゾソプラノ。フランス各地でたいへんに活躍しており、ミンコフスキとの共演も多々。フェランドのジョヴァンニ・フルラネットがいい味の老け役を演じています。
 指揮はなんとマルク・ミンコフスキ。演出が普通でないので音楽がだいぶ難しくなっているはずなところが、ミンコフスキの明快で弾力のある音楽が大いに力になっています。さすが古楽畑出身のミンコフスキ、通常の『トロヴァトーレ』の上演では端折られたり改編される箇所も楽譜通り演奏して、ヴェルディ本来の意図を果たしています。
 大人気オペラ『トロヴァトーレ』でさえ既成概念を崩してしまうチェルニャコフ、まさに稀代の鬼才です。日本では絶対に見られないような舞台ですから、鮮明映像でじっくりお楽しみください!(キングインターナショナル)

【収録情報】
● ヴェルディ:歌劇『トロヴァトーレ』全曲

 ミーシャ・ディディク(T マンリーコ)
 マリーナ・ポプラフスカヤ(S レオノーラ)
 スコット・ヘンドリックス(Br ルーナ伯爵)
 シルヴィー・ブリュネ=グルッポーソ(Ms アズチェーナ)
 ジョヴァンニ・フルラネット(Bs フェランド)
 モネ合唱団
 モネ交響楽団
 マルク・ミンコフスキ(指揮)

 演出・装置・衣装:ディミトリ・チェルニャコフ
 衣装:エレナ・ザイチェヴァ
 照明:グレブ・フィリシチンスキー

 収録時期:2012年6月
 収録場所:ブリュッセル、モネ劇場(ライヴ)

● 特典映像:チェルニャコフへのインタビュー(字幕:英、仏)

 収録時間:本編143分、特典15分
 画面:カラー、16:9
 音声:2.0 PCM / 5.1 Dolby Digital
 字幕:英、仏、蘭、独
 NTSC
 Region All

ユーザーレビュー

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折角シルヴィ・ブリュネまで引っ張り出して...

投稿日:2016/02/01 (月)

折角シルヴィ・ブリュネまで引っ張り出してきて、ミンコフスキならどうして仏語のグラントペラ版にしなかったのかと訝るところだが(劇場で二度も観た印象に引っ張られているのかもしれないが、本当はヴェルディなんかよりも面白いものがあるよというミンコの声が聞こえてきてしまいそうなどこか上滑りな演奏で私にはあまり楽しめなかった)、モネなので一流のヴェルディアンを揃えられない弱みもある上演の記録.演技だけ上手くてもしょうがない. チェルニャコフの演出は密室でのトラウマ回想セッションに話を置き換え、従って設定上登場できないイネスもアズチェーナのブリュネが兼ねるが、ドン・ジョヴァンニのレビューでも指摘した「ぶつ切り」問題が相変わらずでどうにも苦しい.つじつまも合ってないが、合わないものは合わないで幾らでも処理する手法はあるのでそれだけの問題ではないと思う.確かにチェルニャコフはそういう芸風ではないが. ケチばかりつけたものの演奏はそれなりに緻密だし、演出ともミクロには見所というか、楽しみどころはあるから気に入れば別にいいかもしれないが、オルタナティヴはやはりオルタナティヴで、本家を食ってしまうほどの凄みや完成度はないという結論に.ここ5年のミンコならモネでのユグノー教徒新校訂版上演のような資料的価値もある上演(ソロ歌手が大量に必要なので随分とお金もかかったはず)やヴィーン/モネでのアムレットのようなひっくり返るほどの名演もあったのに(演出は両方ともオリヴィエ・ピ)、全くなぜこういう微妙なものに限ってソフト化されるのだろうか….

ombredouble さん | 東京都 | 不明

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目もくらむような輝かしい音楽が支離滅裂な...

投稿日:2014/11/22 (土)

目もくらむような輝かしい音楽が支離滅裂なストーリーに付けられているこの名作。現代の演出家ならば、このオペラのハチャメチャな物語に何とか筋を通すような演出をやってみたいという野心を抱くのも当然だろう。というわけで、注目はまずチェルニャコフの演出。HMVレビューの記述通りに始まるが、これはこのオペラ前半の歌詞がほとんどすべて過去の出来事の回想を語っているのを利用した読み替え。しかし、後半になると虚構と現実の区別がつかなくなったルーナ伯爵がアズチェーナから主導権を奪い取って・・・という趣向。結局、読み替えとして成功したかと問われると、やや微妙な出来。舞台は終始、同じ部屋の中だし、昨今流行のプロジェクション・マッピングも全く使わないので、禁欲的とも言えるが印象は地味ではある。現代人たちがなぜ中世スペインの物語を語り始めるのか、何の関連づけも示されないのは安易とのそしりを免れまい。 このディスク最大の聴きものはミンコフスキの素晴らしい指揮。オケはやや小さめの編成のようだが、テクスチュアは透明で見通しよく、細部まで非常に緻密。特にpからppppまでの弱音部のニュアンスが実に豊富だ。しかもこの作品に不可欠な劇的な迫力にも欠けていない(指揮者自身のコメントによれば、初演時のローマの劇場はコントラバスがチェロより多かったという史実を踏まえてオケの編成を考えたとのこと)。歌手陣はミンコフスキ流の総譜のリニューアルに対応できる知的な人たちばかり。最もめざましいのはポプラフスカヤで、ネトレプコほどの押し出しはないとしても、極めて細やかな歌唱で素晴らしい。南欧系の歌手たちに混ざると、また印象は変わるかもしれないが、この面子の中ではディディクも十分に輝かしい。ブリュネ=グルッポーソは従来のアズチェーナ像と正反対の清潔な歌。普通に考えれば迫力不足だが、「記憶回復セミナー」の主宰者たる精神科医といった風の演出の役作りにはぴったりだ。ヘンドリックスは激しやすく、幻想にのめり込みやすい、ほぼ従来のイメージ通りのルーナ伯爵。少なくとも演技はうまい。

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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人物・団体紹介

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ヴェルディ(1813-1901)

1813年10月10日、ジュゼッペ・フォルトゥニオ・フランチェスコ・ヴェルディは、カルロ・ヴェルディの10番目の子供として、ブッセート近郊レ・ロンコーレに誕生。この頃は政情が不安で、翌年1月には同地にロシア軍が侵攻しています。生家は旅館兼居酒屋を営み、宿泊客の旅芸人の音楽に幼少から惹かれていたとのこと。1821年、父親からスピネットを買ってもらい、やがてピエトロ・バイストロッキにオルガンの奏法も習

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