ヴァージニア・ウルフ

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幕間 平凡社ライブラリー

ヴァージニア・ウルフ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784582768978
ISBN 10 : 4582768970
フォーマット
出版社
発行年月
2020年02月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
304p;17

内容詳細

スターリンがムッソリーニが、ヒトラーが台頭しつつあった頃、イギリス内陸の古い屋敷で上演される野外劇に集った人々──迫り来る戦争の気配と時代の気分を捉えた遺作の新訳。

【著者紹介】
ヴァージニア・ウルフ : 1882‐1941ロンドン生まれ。1904年より、知人の紹介で書評やエッセイを新聞などに寄稿。父の死をきっかけに、兄弟姉妹とロンドンのブルームズベリー地区に移り住み、後にブルームズベリー・グループと呼ばれる芸術サークルを結成。1912年、仲間の一人、レナード・ウルフと結婚。33歳から小説を発表しはじめ、三作目の『ジェイコブの部屋』(1922)からは、イギリスでもっとも先鋭的なモダニズム芸術家の一人として注目される。生涯にわたって心の病に苦しめられ、1941年、サセックスのロドメルで自殺し、59年の生涯を閉じた

片山亜紀 : 獨協大学外国語学部教授。イースト・アングリア大学大学院修了、博士(英文学)。イギリス小説、ジェンダー研究専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • アキ さん

    昨夜高橋源一郎の飛ぶ教室で紹介されていたヴァージニア・ウルフ。平凡社から今年新訳で出版された彼女の遺作を読む。1939年6月のある一昼夜のイギリスが舞台。イングランドの文学の歴史を感じさせるようなシェイクスピアの引用や詩のオマージュ、劇のセリフと観客であるオリヴァー家の人間模様が相まって混然とした世界を見せている。あくまで人間描写にこだわった小説。世界中に植民地を持つ大英帝国最後の時期、大陸での戦争の足音が聞こえつつある時代の雰囲気がこの小説にも影を落としているように思える。自分には高尚すぎて心に響かず。

  • NAO さん

    第二次世界大戦が始まる3ヶ月前の1939年6月、年に一度の野外劇が上演される前夜から劇が終わった夜までの24時間。村は一見平和そのもの、自然は美しく人々は穏やかに暮らし、野外劇に集まって互いに嫉妬したり挑発したりしているが、そんな中にも戦争が影を落とし、戦争が平和をじわじわと浸食している。突然降りだしたにわか雨は、戦争の影?それでも何とか無事に野外劇は終わり、不穏だったオリヴァー家の若夫婦も落ち着きそうな気配。この平和が続いてほしい、イギリスの歴史が更なる未来へと続いてほしいとウルフは願っていたのだろう。

  • yumiha さん

    幕間、つまり劇と劇の間の休憩時間。その劇は、村人たち(つまり素人だ)の野外劇、イングランドの歴史が繰り広げられる。私にはきっちり読み取れなかったけれど、その劇と、幕間のポインツ・ホール(野外劇の舞台)の住人たちの心の動きなどの言動がどこかで連動しているのではないか?私が気になったのは、「ぼんやり婆さま」ことルーシー・スウィズン。片足は現実に残しているけれど、もう片足は思い出やら想像やら妄想の世界を歩き回っている。でも全く意図せずウィリアム・ドッジ(同性愛者?)に安らぎをもたらしたりするのがすごい。

  • フリウリ さん

    自殺前の遺作ということでやや心していましたが、対独伊戦争を背景とした不気味な暗さはあるものの、野外劇の祝祭性、そして登場人物のキャラクターもあって、明るく楽天的な雰囲気でよかったです。また、劇と幕間(での会話)という重ね合わせの構造もよく効いていて、おもしろいです。英国の歴史が劇として演じられ、英国文学が多く引用されていることを、どう受け取ればよいかはよくわかりませんが、引用の多用については、エリオットやジョイスの影響もあるのかな、と思いました。第二次大戦後の作品も、できれば読みたかったな。9

  • かふ さん

    意識の流れを特別難解な現象と考える必要はなく、年を取ってくると言葉の断片が様々に浮かんで詩じゃないにしても流行歌とか口ずさんでいる時がある。そうした言葉の集積が、例えば花見のときなんかふと短歌の断片とか昔読んだ古典の『源氏物語』の場面とか浮かんでくる。ウルフはイギリス人だからシェークスピアや英詩の断片が多くてそれを注釈しているが、もうろくした婆さんや爺さんはそれでふと昔の記憶が重なり断片になる。それが小説の試みとして、面白い。一方、劇を企てた脚本家は理知的な言葉を組み立てる。

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ヴァージニア・ウルフ

1882年、ロンドンに生まれる。文芸評論家の父を持ち、知的な環境の中、文学的感性を若い頃からはぐくむ。20代の頃、ブルームズベリー・グループに参加。1915年、最初の長篇小説『船出』を出版する。「意識の流れ」の手法を追求し、『ダロウェイ夫人』『燈台へ』『波』などの傑作を生み出す。1941年、神経衰弱

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