掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集

ルシア・ベルリン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784065119297
ISBN 10 : 4065119294
フォーマット
出版社
発行年月
2019年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
322p;20

内容詳細

「アメリカ文学界最後の秘密」と呼ばれたルシア・ベルリンの小説集を日本でついに刊行!

2013年にノーベル文学賞を受賞したアリス・マンローや、短篇の名手レイモンド・カーヴァー、日本で近年人気が高まっているリディア・デイヴィスなどの名だたる作家たちに影響を与えながら、寡作ゆえに一部のディープな文学ファンにのみその名を知られてきた作家、ルシア・ベルリン。

2004年の逝去から10年を経て、2015年、短篇集A Manual for Cleaning Womenが出版されると同書はたちまちベストセラーとなり、The New York Times Book Reviewはじめ、その年の多くのメディアのベスト本リストに選ばれました。

本書は、同書から岸本佐知子がよりすぐった24篇を収録。
この一冊を読めば、世界が「再発見」した、この注目の作家の世界がわかります!

このむきだしの言葉、魂から直接つかみとってきたような言葉を、
とにかく読んで、揺さぶられてください
               ――岸本佐知子「訳者あとがき」より

彼女の小説を読んでいると、自分がそれまで何をしていたかも、
どこにいるかも、自分が誰かさえ忘れてしまう。
               ――リディア・デイヴィスによる原書序文「物語こそがすべて」(本書収録)より

毎日バスに揺られて他人の家に通いながら、ひたすら死ぬことを思う掃除婦(「掃除婦のための手引き書」)。
夜明けにふるえる足で酒を買いに行くアルコール依存症のシングルマザー(「どうにもならない」)。
刑務所で囚人たちに創作を教える女性教師(「さあ土曜日だ」)。……
自身の人生に根ざして紡ぎ出された奇跡の文学。


著者プロフィール
ルシア・ベルリン (ルシア・ベルリン) (著/文)

Lucia Berlin 
1936年アラスカ生まれ。鉱山技師だった父の仕事の関係で幼少期より北米の鉱山町を転々とし、成長期の大半をチリで過ごす。3回の結婚と離婚を経て4人の息子をシングルマザーとして育てながら、高校教師、掃除婦、電話交換手、看護師などをして働く。いっぽうでアルコール依存症に苦しむ。20代から自身の体験に根ざした小説を書きはじめ、77年に最初の作品集が発表されると、その斬新な「声」により、多くの同時代人作家に衝撃を与える。90年代に入ってサンフランシスコ郡刑務所などで創作を教えるようになり、のちにコロラド大学准教授になる。2004年逝去。レイモンド・カーヴァー、リディア・デイヴィスをはじめ多くの作家に影響を与えながらも、生前は一部にその名を知られるのみであったが、2015年、本書の底本となるA Manual for Cleaning Womenが出版されると同書はたちまちベストセラーとなり、多くの読者に驚きとともに「再発見」された。


岸本 佐知子 (キシモト サチコ) (翻訳)

翻訳家。訳書にリディア・デイヴィス『話の終わり』『ほとんど記憶のない女』、ミランダ・ジュライ『最初の悪い男』、スティーブン・ミルハウザー『エドウィン・マルハウス』、ジャネット・ウィンターソン『灯台守の話』、ジョージ・ソーンダーズ『短くて恐ろしいフィルの時代』など多数。編訳書に『変愛小説集』『楽しい夜』『居心地の悪い部屋』ほか、著書に『なんらかの事情』ほか。2007年、『ねにもつタイプ』で講談社エッセイ賞を受賞。


【著者紹介】
ルシア・ベルリン : 1936年アラスカ生まれ。鉱山技師だった父の仕事の関係で幼少期より北米の鉱山町を転々とし、成長期の大半をチリで過ごす。3回の結婚と離婚を経て4人の息子をシングルマザーとして育てながら、高校教師、掃除婦、電話交換手、看護師などをして働く。いっぽうでアルコール依存症に苦しむ。20代から自身の体験に根ざした小説を書きはじめ、77年に最初の作品集が発表されると、その斬新な「声」により、多くの同時代人作家に衝撃を与える。90年代に入ってサンフランシスコ郡刑務所などで創作を教えるようになり、のちにコロラド大学准教授になる。2004年逝去

岸本佐知子 : 翻訳家。2007年、『ねにもつタイプ』で講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • 青乃108号 さん

    これほど頭に入らない本は初めてだった。確かに読んだのに、何も記憶に残っていないという。文字はまるでセラミックのツルツルした板の上に羅列されたそれのよう、読んでも読んでも目が文字の上を上滑りするばかりで俺は拒まれ続けた。ああ苦しい。ああしんどい。もう止めよう今止めよう。本当に辛くて長くて得る物は何もない読書だった。最後はヘロヘロになって倒れ込むマラソンランナーのように本をペタン。と閉じる。諦めない心。最後まで良く頑張った、と我ながら思う。気分はロッキーバルボア、エイドリアンはどこだ。

  • やいっち さん

    一気に読めた。少しは小説も読んできたが、こういった作風の小説は初めて。身体的な障害やら親の都合での頻繁な転居、看護婦の体験を始め数多くの仕事、人との関りの輻輳ぶり。いろいろ彼女の作風を形成した背景は数え上げられるだろうが、説明はしきれないだろう。彼女自身が作り上げた世界。常に具体的現実と接触していて、どんな細かな瑣事も想像の翼の発端となる。想像は飛ぶのだが、彼女なりに経験したリアルからは食み出さない。小説の何処で切り取っても血の出るようなリアル感がひしひしと伝わる。読書体験として残るのは間違いない。

  • seacalf さん

    人生そこそこ長く生きていると、どこかで出くわすものだ、壮絶な半生を経験しながらもカラッとした笑顔で笑いかけてくれるタフで美しい女性が。このルシア・ベルリンのように。内容は結構悲惨なものもちらほらあるのに多くの読者を惹き付けてやまないのは、どこか文章にオースターやミルハウザーのような魔力的な力を秘めているからか。日常の些末な事を洗い流して、彼女の語る話にはどっぷり浸らせてくれる何かがある。お上品に生きてきただけでは計り知れない物語を、数奇な生涯を送った彼女のきらめきとタフな体験を、あなたもとくとご覧あれ。

  • まこみや さん

    一つ一つの短篇をゆっくりと味わった。その力強く的確な言葉から生まれた「物語」の実感に打ちのめされた。ルシア・ベルリンの人生と作品については、すでにリディア・デイヴィスと岸本佐知子さんが極めて正確に語っていると思う。拙い語学力だけど、ベルリンの作品のいくつかを原文で読んでみたくなりました。

  • ネギっ子gen さん

    本年収穫本。訳者の「ルシアの書くものならどこからでもえんえんと引用しつづけられる、というリデァ・ディヴィスの言葉に全面的に賛成」に仲間入り。「読む快楽そのものだ」も同意。読み終えたら付箋だらけ。書名の『掃除婦のための手引き書』がいい。「掃除婦たちへ:原則、友だちの家では働かないこと。遅かれ早かれ、知りすぎたせいで憎まれる。でなければいろいろ知りすぎて、こっちが向こうを嫌いに」。『ママ』も良し。「愛があれば幸せになるっていうのはローマ法王が流したデマ」と。トランプに勝るフェイク・ニュース捏造者は法王か。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

ルシア・ベルリン

1936年アラスカ生まれ。鉱山技師だった父の仕事の関係で幼少期より北米の鉱山町を転々とし、成長期の大半をチリで過ごす。3回の結婚と離婚を経て4人の息子をシングルマザーとして育てながら、学校教師、掃除婦、電話交換手、看護助手などをして働く。いっぽうでアルコール依存症に苦しむ。20代から自身の体験に根ざ

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品