ミシェル・ウエルベック

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服従

ミシェル・ウエルベック

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309206783
ISBN 10 : 4309206786
フォーマット
出版社
発行年月
2015年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
大塚桃 ,  
追加情報
:
299p;20

内容詳細

2022年仏大統領選。投票所テロや報道管制の中、極右国民戦線のマリーヌ・ルペンを破り、穏健イスラーム政権が誕生する。シャルリー・エブド事件当日に発売された新たなる予言の書。

読み終わって、呆然としながら、自分にこう言い聞かせなければならなかった。
「これは小説であって現実ではないんだ」と。
「こんなことは起こらない‥‥たぶん‥いや、もしかしたら」
──高橋源一郎(作家)

シニカルな状況認識、政治的な無力感、そして人間の滑稽さに対する冷め切った視線。
ウエルベックはヨーロッパの未来も若者の力もなにも信じていない。
けれど、その残酷さこそが文学の力なのだ。
日本にはこんな作家はいない。
読むべし!
──東 浩紀(批評家)

「彼も新政府内閣総理大臣なんじゃないか?」
ウエルベックは僕が今、そう感じちゃう唯一の生きる作家だ。
愉快な転覆を♡
──坂口恭平(新政府内閣総理大臣)

官学という宮廷に仕える道化師は、露悪的にひれ伏しつつ、顔を背けて窮状をアピールする。
果たして、我々に咎め立てができるだろうか?
ウエルベックは、 “宗教”を越えた先、闘うべき対象の影を朧げに炙り出した。
──上田岳弘(作家)

近未来のフランスが舞台のはずが、読み終えると現代日本の話に思えてくる。
いま、首相も国会も民主主義も信用できない人、必読。
──市川真人(批評家)

『服従』を読むと、人間の自己同一性を保つにあたって、知識や教養がいかに脆いものであるかということがわかる。それに対して、イスラームが想定する超越神は強いのである。
──佐藤優(作家・元外務相主任分析官)、本書「解説」より
(河出書房新社HPより)

【著者紹介】
ミシェル・ウエルベック : 1957年生まれ。1998年長篇『素粒子』(ちくま文庫)が大ベストセラーとなり、世界各国で翻訳・映画化される。現代社会における自由の幻想への痛烈な批判と、欲望と現実の間で引き裂かれる人間の矛盾を真正面から描きつづける現代ヨーロッパを代表する作家。『地図と領土』(ゴンクール賞受賞、筑摩書房)

大塚桃 : 現代フランス文学の翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro さん

    図書館の予約に大幅に出遅れて、ようやく読めました。ミシェル・ウエルベック、初読です。現在のロンドン市長がムスリムだったり、過去の歴史でヨーロッパの一部がイスラムに征服されたことを考えると、近い未来に十分ありうる内容だと思います。澁澤龍彦訳で昔読んだ「O嬢の物語」における服従とイスラム教における服従がイコールという解釈には大変ビックリしました。いずれにしても諸悪の根源は、他者に不寛容な一神教に間違いないですが、2000年以上に渡って対立しているので、21世紀に解決・和解することはありえないんでしょうネ(笑)

  • ケイ さん

    フランス社会は、左よりになると極右も強くなるそうだ。そしてフランス人は、極右が強いのは恥だと一般的に言う。ユダヤ人を攻撃することは、ナチを憎むフランス人は表面的にはするわけがない。その心理をうまくついている。しかし、あり得ない。一種のSFだ。あまりにも滑稽。イスラム教にアレルギーがおありかもしれませんが、改宗すれば妻も何人も持てますよ。思ったほど窮屈でもありませんよ。ときましたか。クンデラは「冗談」で不条理さを哲学的に昇華させたが、ウエルベックは滑稽さを呈示したに過ぎないように思う。

  • Miyoshi Hirotaka さん

    トゥール・ポワティエ間の戦いで、イスラム勢力の侵略を阻止し、グラナダ陥落後はイベリア半島を回復した。以降、ヨーロッパの戦争は、新教対旧教に王位継承が絡む身内の戦い。航海技術と産業革命でイスラム圏を含むアジア・アフリカを圧倒し、世界中の富を集中させた。2度の大戦の反省から、戦争防止の仕組みが構築されたが、異民族の流入で、ヨーロッパは崩れつつある。過激な民族主義政権で国のかたちを回復するか、潤沢なオイルマネーに支えられたイスラム政権に順応し、服従するかという選択がやってくる。その時、知識や教養は無力化する。

  • Vakira さん

    ウェルベック最新作にて初体験。2022年の近未来のフランス。議員選では、テロによる妨害、殺戮、大統領は穏健派イスラーム教信者となり、フランス国内の生活は徐々にイスラーム化していく。現実にフランスにてイスラーム過激派の殺戮テロが実際に起こる前に書かれた預言書のようだ。しかしこの小説では殺戮の酷たらしい情景は一部表現あるがそこに焦点を当てた物語ではない。イスラーム化というあり得ない状況を次第に受入れるという主人公の葛藤と洗脳の物語。イスラーム社会では男女別学、女性はベールを被る。

  • Tui さん

    フランスがイスラム政権の国になる。この設定は一見、荒唐無稽だ。だが希望的な将来像を描けなくなった国民が、もしも過激な極右政党と、穏健なイスラム同胞党のいずれかに国を委ねることになったら、果たしてどちらを選ぶだろうか。一神教の揺るぎない価値観と、オイルマネーのバックボーンという盤石の安定感が、ヨーロッパを包む不安感の隙間から浸透してゆく様子が実にリアル。(私の価値観からは『服従』そのものとしか思えぬ)この物語下のフランスに生きる女性の視点から描く物語がもしあったら、ぜひ読みたい。

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