CD 輸入盤

交響曲第10番全曲(ホイーラー版) オルソン指揮ポーランド放送交響楽団

マーラー(1860-1911)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
8554811
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
CD

商品説明

マーラー:交響曲第10番(ホイーラー第4稿改訂版)
『クックと私は、マーラー中期の様式を模倣しようと務め、カーペンターは、第9番の緻密なポリフォニーの再現を目指したが、ホイーラーは、第10番独自のテクスチュアを求め、むしろ《大地の歌》に近い結果となった。』
 自身の完成版でも知られるレモ・マゼッティ氏は、コロラド・マーラー・フェスティヴァルで改訂作業にも参加したホイーラー版についてこのように語っており、その後、自らのヴァージョンに飽き足りなくなってさらに手を加えることとなります。なお、マゼッティは、カーペンターとも一緒に補筆作業をしたことがありましたが、残念ながら関係良好とはいかなかったようです。

 ジョゼフ・ヒュー・ホイーラー[JOSEPH(JOE) HUGH WHEELER]は、1927年生れのイギリス人で、1977年に亡くなっています(名前についてはフイーラー、ウィーラーとも書かれますが、ここでは「ホイール」というきわめて慣用的な名詞表記の存在を鑑みてホイーラーと記述)。
 氏の本業は公務員で、数学や作曲、ブラス演奏といった趣味を持つディレッタントでもありましたが、マーラーへの情熱には凄まじいものがあり、1945年、18歳の時にジャック・ディーサーの知己を得、氏の助言とブロックによる4手ピアノ編曲版を参考に、1953年には第10番の補筆完成作業に着手しています。最初のヴァージョンが完成したのは2年後の1955年で、一部試演ののち、1959年には第3稿が完成。有名なクックが、作業に着手したのはこの年のことですから、ホイーラーはずいぶん先んじていたことになります。
 その後、1963年に40ページに及ぶ第10番の新たなページが発見されたのを受け、ホイーラーも自身のヴァージョンに改訂を施し、1965年に完成、ニューヨークで初演されています。同ヴァージョンはさらに改訂を加えられ、1966年にはホイーラー第4稿として完成し、ペルレアによって初演。
 作者ホイーラーの没後20周年を翌年に控えた1996年には、指揮者のロバート・オルソンと、有名なレモ・マゼッティ、それにオランダの研究者フランス・ボウマンの3人によりホイーラー第4稿の改訂版が完成。
 翌1997年には、オルソン指揮コロラド・マーラー・フェスティヴァル管弦楽団により初演。音楽祭事務局によりCD化されています。このCD、マニアの間では話題になっていましたが、マイナー過ぎてなかなか世に広まらなかったことも確かです。 今回、同じ指揮者がプロのオケを指揮したスタジオ録音で同ヴァージョンを録音し直してくれたのは、非常に喜ばしいこと。しかもお買い得なナクソスからのリリースです。

収録曲   

  • 01. 第1楽章
  • 02. 第2楽章
  • 03. 第3楽章
  • 04. 第4楽章
  • 05. 第5楽章

総合評価

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ホイーラーさんの情熱の産物。キャプランさ...

投稿日:2011/04/11 (月)

ホイーラーさんの情熱の産物。キャプランさんといいこのホイーラーさんといい、マーラーへの強い想いは大したものだなあ。さて、但し、この版の出来はどうかといえば、私個人はそんなに感心することはありませんでした。クック版以外がどれもそうなのですけれど、「オーケストラの鳴り」に気が行ってしまっていて、表現しようとしている「想念」が横に追いやられている印象を否めません。それは残念だなあ。オルソンさんも、コロラドフェスオケのディスクはどれも感心しなかったし、器量が小さいなあ。手に取ってみることはお薦めしますが、どれほどの充実感が得られるかは保証の限りではありませぬ。

ほんず内閣総理大臣 さん | 北海道 | 不明

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26:15+12:03+4:30+12:15+23:53=78:56

投稿日:2007/05/04 (金)

26:15+12:03+4:30+12:15+23:53=78:56

I&W さん | JAPAN | 不明

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この版が一番マーラーらしく聴こえます。ク...

投稿日:2006/12/02 (土)

この版が一番マーラーらしく聴こえます。クック版はスケッチを過不足なく生かしたストイックで正確なデッサン。マゼッティ版は想像力を働かせて彩色をほどこし、妥当性は別として耳を楽ませるには一番。カーペンター版はパロディ漫画。対してこの版の特長は、補作者が創作加筆したオブリガートや打楽器の使い方、終楽章のクライマックスを他の版とは違うところに持ってきてシンバルが打ち鳴らされるところなど実にマーラーらしい。コロラドの初演盤はオケが準備不足で魅力を伝え切っていなかったので、入手しやすく高完成度の当盤の価値は高いです。

12 さん | 京都 | 不明

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人物・団体紹介

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マーラー(1860-1911)

1860年:オーストリア領ボヘミア、イーグラウ近郊のカリシュト村で、グスタフ・マーラー誕生。 1875年:ウィーン楽友協会音楽院に入学。 1877年:ウィーン大学にてアントン・ブルックナーの対位法の講義を受講。 1883年:カッセル王立劇場の副指揮者に就任。 1885年:『さすらう若人の歌』を完成。プラハのドイツ劇場の

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