CD 輸入盤

『大地の歌』 ヨナス・カウフマン、ジョナサン・ノット&ウィーン・フィルハーモニー

マーラー(1860-1911)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
88985389832
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


マーラー:大地の歌
ヨナス・カウフマン、ジョナサン・ノット&ウィーン・フィルハーモニー


驚きの録音の登場。『大地の歌』をテノールのカウフマンひとりで歌いきるという凄い企画です。カウフマンの『大地の歌』といえば、2011年のマーラー没後100周年記念演奏会で、アバド指揮ベルリン・フィルと共演したことが話題になりましたが、そのときは偶数楽章女声ヴァージョンで、オッターが歌っていました。

通常は「テノール&アルト」、もしくは「テノール&バリトン」によって歌われる『大地の歌』ですが、カウフマンはもともとダークで力強く太めの声の持ち主ということもあって、バリトン音域もカヴァーできるということなのでしょうか。思い切ったアプローチとも思えますが、共演オーケストラは、これまで数多くの『大地の歌』の名盤を生み出してきたウィーン・フィルということで、勝算ありとみての大胆な企画なのではないかと思われます。

ちなみにこの企画のコンサートとレコーディングの指揮は当初はダニエレ・ガッティが予定されていましたが、肩の故障によりキャンセルとなったため、ジョナサン・ノットが起用されています。ノットは、昨年交響曲全集もリリースし、すでにマーラーのエキスパートとしても世評の高い指揮者なので、成果に期待のかかるところです。

【大地の歌】
壮大壮麗な『千人の交響曲』を完成させたマーラーが次に向かったのは、前作とはまったく異なる「異国趣味」の世界でした。
 きっかけは友人から贈られた一冊の詩集『中国の笛』。これはハンス・ベートゲが、ハンス・ハイルマンによるドイツ語訳『中国叙情詩集』から選んだ詩を編みなおしたドイツ語詩集で、そのハイルマンの『中国叙情詩集』そのものも、フランス語や英語に訳された漢詩が元ネタになっているものもあるという具合でした。
 さらに、ベートゲはそれらの漢詩の一部の「情景」を「人間」に置き換えるなどヨーロッパ的なわかりやすいドラマ性を持ち込んだりし、さらにマーラーはそういった複数の詩をつないでしまったり、最後には自分のテキストを追加したりした結果、元来の包括的な陰陽二元論的世界は、西欧的でシンプルな二元論の世界へと読み替えられ、原詩の世界とは遠くかけ離れてしまった面もあるようです。
 もっとも、当時の欧州で流行をみせていたシノワズリーやジャポニズムといったオリエンタリズムそのものが、概して対象とした文化の表層のみを模倣し、それをヨーロッパ的な嗜好で換骨奪胎したうえで受容し、楽しんでいたものであったことを考えれば、『大地の歌』に取り込まれた「中国の詩」「中国風な詩」「中国風な旋律やリズム」といった諸要素も、様々な「引用」をおこなってきたマーラーにとっては、作品創造のいちプロセスに過ぎなかったのかもしれません。
 しかし、実際のところ、この作品から感じられる東洋・西洋ないまぜになった独特の雰囲気、日常性の中に穏やかな達観が織り込まれたテキストの魅力にはやはり抗いがたいものがあり、マーラーとしてもその魅力をなんとか自身の音楽に盛り込みたかったのではないでしょうか。
 ともかく、この歌曲とも交響曲ともつかないマーラーの『大地の歌』が書かれたとき、まだマーラーは40代であり、メトロポリタン・オペラにも招かれ、翌年にはニューヨーク・フィルの指揮者となることも決まっており、新天地への期待に胸がふくらんでいる時期でもあったのです。


【ジョナサン・ノット・プロフィール】
ジョナサン・ノットは1962年のクリスマスに、ウースター大聖堂の司祭の息子として誕生。ケンブリッジ大学で音楽を収め、マンチェスターの王立音楽ノーザン・カレッジでフルートと歌を、ロンドンで指揮を学んでいます。
 1989年フランクフルト歌劇場、1991年ヴィースバーデン州立歌劇場とカペルマイスターを務め、1997年にはルツェルン交響楽団首席指揮者に就任、ほどなくアンサンブル・アンテルコンタンポランの音楽監督にもなりますが、2000年1月にバンベルク交響楽団の音楽監督になると、アンサンブル・アンテルコンタンポランの方は、首席客演指揮者に変更し、バンベルク交響楽団での活動に注力することとなります。
 ノットは最初、ドイツの伝統的な指揮者の典型ともいえるカペルマイスター的なキャリアを積み、一方で、現代音楽も得意だった彼は、アンサンブル・アンテルコンタンポランで多くの新作初演を手がけ、あるテーマのもと、クラシックと現代音楽をカップリングしたコンサートを制作するなど、そのユニークな姿勢が幅広い聴衆から支持されていました。
レコーディングにもノットの多彩な才能は反映されており、これまでにベルリン・フィルを指揮したリゲティの2枚の作品集(Teldec)や、アンサンブル・アンテルコンタンポランとのエマヌエル・ヌネス作品集(Accord)、ヘルムート・ラッヘンマン作品集(Kairos)、ジョン・アダムズのDVD(ARTHAUS)、クセナキス、ベリオほかの作品集(BIS)、ワイル、ヴェレス、シュテファン作品集(PAN)といった現代作品や、バンベルク交響楽団とのブルックナーの交響曲第3番、シューベルト交響曲集、シューベルト・エピローグ(現代作曲家がシューベルトを題材に編曲・作曲したもの)、ヤナーチェク、ストラヴィンスキーなどがリリースされています。(HMV)

【収録情報】
● マーラー:大地の歌
 第1楽章:大地の哀愁に寄せる酒の歌
 第2楽章:秋に寂しき者
 第3楽章:青春について
 第4楽章:美について
 第5楽章:春に酔える者
 第6楽章:告別

 ヨナス・カウフマン(テノール)
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 ジョナサン・ノット(指揮)

 録音時期:2016年6月
 録音場所:ウィーン、ムジークフェラインザール
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

収録曲   

  • 01. Mahler: Das Lied Von Der Erde / I. Das Trinklied Vom Jammer Der Erde
  • 02. Mahler: Das Lied Von Der Erde / II. Der Einsame Im Herbst
  • 03. Mahler: Das Lied Von Der Erde / III. Von Der Jugend
  • 04. Mahler: Das Lied Von Der Erde / IV. Von Der Schnheit
  • 05. Mahler: Das Lied Von Der Erde / V. Der Trunkene Im Frhling
  • 06. Mahler: Das Lied Von Der Erde / VI. Der Abschied

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重い!大変重たく聞こえます。先ずノットの...

投稿日:2021/05/05 (水)

重い!大変重たく聞こえます。先ずノットの指揮ですが、楽章ごとメリハリが少なく丁寧に演奏されてはいますが、ウィーン・フィルらしさ不足にイマイチ不満が残りました。バンベルク響なら問題はないのですが…。流れも悪くノリが乏しく感じます。因みに決して下手な演奏ではないことは付け加えておきます。 さて、カウフマンですが今回は2刀流での登場ですが、こちらもまた重いんです。全体的に重いままで一貫しているのでメリハリが感じられません。アルト部をわざわざ歌っている意味が伝わってきませんでした。フィッシャー=ディースカウのような表現力に今回は及んでいなかったかなと思います。せっかく初の2刀流大地の歌ですが、もったいない結果ではないかと個人的には思います。指揮がガッティなら違っていたのかもしれませんが…。どちらかというと真面目で笑いや遊びのない足取りの重い雰囲気の『大地の歌』に仕上がっていると感じました。特にこの『大地の歌』では、一人二役は難しいと思います。皆さんなら歌手でなくても、どうやって表現して歌いますか?考えるとワクワクしますね。カウフマンさん、次回期待してます!

オペラスター さん | 東京都 | 不明

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カウフマンというと顔で売れてる人気スター...

投稿日:2017/12/24 (日)

カウフマンというと顔で売れてる人気スターというイメージが強いが、歌曲などを聴くと非常に頭がよく音楽性の高い歌手だという事が良く分かる。この「大地の歌」も楽章ごとに表現や声音を巧みに変えてひとりで歌っても単調にならない。奇数楽章は何度か歌ってるはずだが、偶数楽章は人前で歌うのは初めてだろうがそうと感じさせない緻密でむらがない。ライブ録音らしいがオケ付きの歌曲集を1時間歌いづめでヘタレないのも立派。ただジョナサン・ノットの指揮は丁寧だけどあまり強い個性を感じさせない小ざっぱりしたアプローチ。もっとウィーンらしい爛熟した音楽を期待してたのだが・・・とまれトンデモ盤になるかと危惧していたがカウフマンの名唄で予想以上の優れた演奏になった。

風とライオン さん | ZIMBABWE | 不明

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面白い 石は投げられた そして拡がる幻想...

投稿日:2017/04/24 (月)

面白い 石は投げられた そして拡がる幻想の波紋 ”大地の歌”とは何か そもそも第9交響曲となるはずのものだったのか おそらくマーラー自身も答えられない 当時のマーラーの心模様を写した水鏡だったのだろう スコアにはTen.とAlto or Bar.とある声部指定を無視して一人のテノール歌手が歌いきってしまうこの演奏をどう受け止めればいいのか 戸惑いと新奇なものを覗く野次馬根性とが綯い交ぜになって心がどよめいた カウフマンの声は野太いので曲が始まってまず違和感が掠める わたしの好みもある 声は高い方が好きでリリカルな声質を好む 「冬の旅」はテノールしか聴かないほど 特に低い女声は敬遠したい 自ずと「大地の歌」はBar.起用に傾く しかしカウフマンはハイBar.に聞こえる Bar.としては好みだ そもそも「大地の歌」の声部音域はgーa”の2オクターブを越えるが 対応できる歌手は大勢いる 問題は音色で 歌う内容に適するかだ 李白の詩をつないで途中と最後に銭起 猛浩然 王維を加えテキストを作っている 内容は6(7)編それぞれだが並べることで叙事的抒情詩篇へと変貌している 中に青春時代の回想が挟まるものの人生を経て憂愁に陥り酒に溺れついに友を介して世の中へ告別を述べるものだ やはり一人間の叙情と見るのが自然だろう とすれば一人がそれも男が歌うが良い わたし好みのリリックTen.では辛かろう すなわちカウフマンの挑戦に賛同する以外ない または六曲それぞれ違う歌手(男女の別なく)を当てるのも楽曲の魅力を広げることにならないか とまあ幻想の輪は広がるばかりだ ぜひご一聴を 

風信子 さん | 茨城県 | 不明

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人物・団体紹介

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マーラー(1860-1911)

1860年:オーストリア領ボヘミア、イーグラウ近郊のカリシュト村で、グスタフ・マーラー誕生。 1875年:ウィーン楽友協会音楽院に入学。 1877年:ウィーン大学にてアントン・ブルックナーの対位法の講義を受講。 1883年:カッセル王立劇場の副指揮者に就任。 1885年:『さすらう若人の歌』を完成。プラハのドイツ劇場の

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