マリピエロ、ジャン・フランチェスコ(1882-1973) レビュー一覧
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投稿日:2019/05/23
マリピエロの交響曲を初めて聞きました。同時代に交響曲がたくさん書かれていた他の国(イギリス、デンマーク、スウェーデン、ソ連など)の曲とはまったく違う響きに満ちていて大変新鮮に聞くことができました。第3番、4番は第二次世界大戦でイタリア全土が戦場になっていた時代およびその直後の時代に書かれたものなので、戦争の犠牲者を悼むような雰囲気も感じられます。 ただ3番、4番ともに全4楽章で25分程度と短かいので各楽章内での展開があまり行われないうちに終わってしまうのが少々物足りないです。
yama3 さん |60代
投稿日:2018/10/02
血の郷愁があったブゾーニはイタリアの郷土色を宿しながらもドイツ音楽への憧れに満ちている その錯綜した心理矛盾からある意味時代を超えたとも見える 後期ロマン派時代を生きながら過去と未来へ飛んでいたとも言える作風だ ノルディオの歌うヴァイオリンに相応しい一曲だろう そしてマリピエロの二曲 録音の少ない音楽であれば有難い 20世紀アヴァンギャルドの風は鳴りを潜め 擬古典あるいは印象派の風情が30年を隔てる創作時期の違いを埋めている 瞑想し思索する音楽は抒情詩でもある イタリア人によるイタリア音楽演奏なのでカンタービレに寄りすぎた感もあるが これも一つの美だろう 美しいことは請け合う あなたも如何
風信子 さん
投稿日:2018/09/17
天才は百年早く生まれると言う マリピエロは未来の人である その融通無碍なる音楽は人々の内なるものへ届いていない 世界の共感と賞賛を得るのは早くて今世紀後半か 極めて多忙な生涯であったが 長命で多作家であったから その作風は多岐に広がって掴み所がない 少々乱暴だがあえて総括すれば 協奏的書法を用いたラプソディックな幻想曲様式とでも言ったらどうだろう 丁度このDiscに登場する”毎日の幻想曲”に代表される 交響曲も協奏曲もこれと差異はない ソナタ形式も三部形式も用いられない つまり繰り返しや反復を聞くことがない音楽 流れ去る水や大気のように音楽は登場して消えていく このサーフィンかクライミングをするような音楽の聴き方をするには 現代の人も社会もその感性はあまりに鈍重だ 人間の進化を待たなくてはマリピエロの音楽は梵語の経に等しい また器用に運動神経だけで波に乗れたり崖を駆け上がれたりしただけでは芸術鑑賞にはならない 水や岩の向こうに何を感じ取るか そんなしち面倒臭いこというなら止しとくなんて言わず あなたは如何
風信子 さん
投稿日:2018/06/04
50年ほど前には日本で入手できなかった憧れのマリピエロ作品が簡単に安く入手できるのはたいへんありがたいことです。しかも動画サイトでも簡単に聴けるという時代です。概ねイタリア近代の曲は自然体で聴ける曲が多く、ずっと自宅で流しておきたい気持ちです。ときどきはっとする響きが快いです。
テリーヌ さん
投稿日:2016/08/27
マリピエロの管弦楽作品(交響曲が核)はそれなりに聴く機会があるのですが、ピアノ曲は61歳にして初めて聴きました。部分的に不思議な響きがあって興味深いのですが、感動するほどの衝撃はありませんでした。
テリーヌ さん
投稿日:2016/08/25
マリピエロについてはあまり好きな曲がないのですが、初期作品である交響曲第一番(特に第一楽章)については魅力を感じます。(ここには収められていませんが、第3番の第一楽章も、独自の爽やかさが好きです。楽章が進むと金管楽器が目立ち魅力が減退します。)
テリーヌ さん
投稿日:2016/08/06
子供のころから「いつか聴いてみたい」と思っていたマリピエロ作品が今やこんなに簡単に入手できるよは、夢のようです。第3〜4番は魅力的です。ピツェッティーやカゼッラも含め同じくイタリアで活躍した同時代の作品には、ときたま輝く作品があり、もっと調べてみたいと思います。
テリーヌ さん
投稿日:2016/05/02
世界初録音の曲が混じっている。特別なものではないが、いろいろな形でピアノの表現のあり方について考えさせられた。NAXOSはただ安い演奏と、売れ筋ではないがこういう特色のある作品をあえて取り上げたものがあり、後者に関していうなら録音芸術の世界において大変重要な役割を担っているレーベルだといえる。
saitaman さん
投稿日:2012/09/06
マリピエロの初期はレスピーギやプッチーニと同系列の「イタリア印象派」とも呼べる作風ですが、質の高さで両者に劣らず、音楽内容の飾らない誠実さでは上回るかもしれません。
Dewurich さん
投稿日:2012/09/06
5番と6番はマリピエロの中期、新古典主義音楽の様式によるものですが、ストラヴィンスキーの新古典主義音楽のようなニヒルに乾いた冷たい音楽ではなく、歌心にあふれた音楽です。後期に属する8番と10番は調性感が希薄で仄暗い雰囲気がヴァインベルクやボリス・チャイコフスキー等の戦後ソ連音楽を思わせるのは演奏しているのがモスクワ交響楽団だから…?
Dewurich さん
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ありがとうございました
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