ペルト、アルヴォ(1935-)

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CD 輸入盤

ピアノ作品集 ヴァン・ラート、ファレッタ&オランダ放送室内フィル

ペルト、アルヴォ(1935-)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
8572525
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


アルヴォ・ペルト:ピアノ作品集
ラルフ・ファン・ラート


ナクソス・レーベルに現代作品の録音を多くおこなっているオランダのピアニスト、ラルフ・ファン・ラート[1978- ]による、アルヴォ・ペルト・アルバムの登場。
 ペルトは作風が大きく変化したことでも知られていますが、ここでは、初期の無調作品である『ソナチネ』から、近作で世界初録音となる『アンア・マリアのために』まで幅広い範囲から選曲されています。  インドの彫刻家アニッシュ・カプーアの作品「Marsyas」に刺激を受け手書かれた『ラメンターテ』のみ、オーケストラ伴奏作品となっており、他はソロ作品という構成です。

【アルヴォ・ペルト】
ペルトは1935年、人口百数十万人というバルトの小さな国エストニアに誕生。生まれた場所は13世紀にリヴォニア騎士団によって建設されたパイデという町です。当時のエストニアは独立宣言から17年を経たばかりの共和国でしたが、ペルトが5歳のときにはソ連軍の侵攻を受けて占領され、ソ連邦の一部に編入されてしまいます。
 ペルトはソ連支配下の社会体制の中でタリン音楽学校に学びますが、兵役によって中断、陸軍バンドでオーボエ演奏やサイドドラムを担当したのちに復学、1957年にはタリン音楽院に進んで作曲を勉強して頭角を現し、1961年、オラトリオ『世界の歩み』により、モスクワで開催された全ソ連青少年作曲コンクールで優勝しています。
 ペルトはまた、在学中からエストニア放送のレコーディング・エンジニアの仕事もおこない、1968年に作曲家として独立するまでその職務をこなしてもいました。彼の初期の作風は、ソ連作曲家のショスタコーヴィチやプロコフィエフだけでなく、バルトークからシェーンベルクの十二音技法まで消化した近現代的で前衛的な要素も加味されたもので、放送局勤務という海外情報の入りやすい条件もあったのか、在学中にすでにセリーなど西側の技法に基づく作品まで発表して物議を醸しています。
 しかし、1967年に初めて東方正教会の単旋聖歌を聴いて以来、ペルトはそうしたスタイルによる自身の活動に限界を感じるようになり、それらとは正反対の聖歌やグレゴリオ聖歌、中世、ルネサンス、バロックの宗教声楽曲などを研究すると同時に、宗教を探究し、ロシア正教会に深く関わるなどして、西洋音楽の原点回帰を目指し、独自の美を追求するようになります。
 作曲家として独立した1968年に発表された『クレド(信仰告白)』はペルトの新たな姿勢をコラージュ的に如実に示したものといえ、ネーメ・ヤルヴィによっておこなわれた初演は、表向き信仰を禁じていた当局の逆鱗に触れ、10年間の演奏禁止を宣告されてしまいます。
 そうしたこともあって、ペルトはソ連当局と芸術上の問題で対立、1979年には国を出てウィーンに移住して市民権を獲得、1982年からはベルリンを拠点に活動を展開するようになります。
 ペルトの名前が一躍有名になったのは、その音楽がECMレーベルを主催するマンフレート・アイヒャーの目にとまったことがきっかけでした。元ベルリン・フィルのコントラバス奏者でその後ジャズのベーシストに転向し、ほどなくレーベルを興すことになったアイヒャーは美しい音楽に関して凄い嗅覚の持ち主。
 ペルトの作品を気に入った彼は、1983年、クレーメルやキース・ジャレット、デニス・ラッセル・デイヴィス、そしてベルリン・フィルの12人のチェリストたちを起用してレコーディングをおこない、翌年、アルバム「タブラ・ラサ」として発売、その独自の美しさを持った音楽はまたたく間に多くの人に知られることとなり、世界的なヒットを記録することとなります。
 その音楽を彩ったスタイルは、1970年代の後半に確立された「ティンティナブリ(鐘鳴らし)様式」という簡素な和声を用いた瞑想的で神秘的なもので、以来、ペルトの音楽の代名詞ともいうべき技法となっています。(HMV)

【収録情報】
ペルト:
1. ピアノ・ソナチネ Op.1-1
2. ピアノ・ソナチネ Op.1-2
3. パルティータ Op.2(トッカーティナ/フゲッタ/ラルゲット/オスティナート)
4. アリヌシュカの回復による変奏曲
5. アリーナのために
6. アンア・マリアのために
7. ラメンターテ

 ラルフ・ヴァン・ラート(ピアノ)
 オランダ放送室内フィルハーモニー(7)
 ジョアン・ファレッタ(指揮:7)

 録音時期:2010年2月、3月
 録音方式:デジタル(セッション)
 世界初録音(6)

ユーザーレビュー

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エストニア出身の作曲家ペルトのピアノ作品...

投稿日:2019/05/04 (土)

エストニア出身の作曲家ペルトのピアノ作品集。とてもよく考えられた構成になっている。最初の2曲は1958〜1959年の初期のもの。次の2曲はミニマリズム的な書法を確立した1976〜1977年のもの。最後の2曲は21世紀に入ってからの作品である。つまり、1枚のCDにペルトの3つの時代から選んだ作品を組み合わせた形をとっている。また、最後の曲はオーケストラとの共演で35分の長さがある。よくできたコンサートプログラムのようである。演奏は細かいところで表情があり、録音も優秀。

saitaman さん | 埼玉県 | 不明

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普通に手に入るペルトのアルバムはたいてい...

投稿日:2011/12/13 (火)

普通に手に入るペルトのアルバムはたいてい聴いていますが,中でもここに収められた『ラメンターテ』は私の心に響く物です。冒頭から私のペルト観に対して「え?」を投げかける。徐々にその「え?」は大きくなっていき,打楽器の強打に至り,呆然・恍惚となる。音楽作品であることを忘れさせる数少ない音楽作品です。ピアノのソロ作品も,真っ白な譜面に黒の音符たちが書かれてあるのが(神秘的な水墨画のように!)目に浮かぶような,美しい音楽。

masato さん | 新潟県 | 不明

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