CD 輸入盤

歌劇『トスカ』(全曲) カラス、ディ・ステーファノ、ゴッビ、デ・サバタ&ミラノ・スカラ座

プッチーニ (1858-1924)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
5677592
組み枚数
:
2
レーベル
:
オリジナル盤発売年
:
1997
フォーマット
:
CD

商品説明


マリア・カラス&デ・サーバタ / スカラ座の 《トスカ》 (エンジェル・マーク仕様)
グレート・レコーディング100番目記念スペシャル・パッケージ
ジャコモ・プッチーニ:歌劇《トスカ》全曲
マリア・カラス(トスカ)、ジュゼッペ・ディ・ステーファノ(カヴァラドッシ)、ティト・ゴッビ(スカルピア)、フランコ・カラブレーゼ(アンジェロッティ)、メルキオーレ・ルイーゼ(堂守)、アルヴァーロ・コルドヴァ(牧童)
ヴィクトル・デ・サーバタ指揮ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
1953年8月、ミラノ・スカラ座でのモノラル録音。
グレート・レコーディング・オブ・ザ・センチュリー・シリーズ100タイトル目の記念アルバム。見た目は通常のケースと似ているものの、実はかなり凝った仕様のパッケージが使われており、見開きカヴァーの固定部分にはマグネットを用いているのもユニーク。
 さらにCDサイズ20ページのEMIディスコグラフィ&写真集(右の写真)が付属し、モノクローム光沢仕上げが美しいポストカードも3枚封入されるというサービスぶり。200ページに及ぶブックレットには、レコーディング・セッションなどの写真も多数掲載されていてなかなかに豪華。
 100タイトル目の記念アルバムにふさわしい立派なセットです。
 演奏も最高。オペラのアルバムで最も賛辞を浴び続けてきたという風評にも十分に納得のゆく内容で、歌、指揮、オケともに圧倒的なクオリティの高さを示しています。
 まず何といってもすごいのは25キロダイエットの直前、つまりまだまだ声にパワーのあったカラスのドラマティックな歌唱でしょう。その存在感は例の「マーリオ、マーリオ、マーーリオーー」から強烈。愛の二重唱でもエネルギッシュなステーファノを食うほどの迫力で、第1幕最後のテ・デウム直前の場面では高まる感情表現が感動的。
 ステーファノも全盛期だけあって美声に素晴らしい情熱が込められており、その後のカヴァラドッシの規範になったという説にも思わず納得。しかも「ヴィットーリア、ヴィットーーリア!」では実にパワフルですし、第3幕の「星は光りぬ」では深い悲しみを気品高く歌い上げ、一方でその後の二重唱では希望に満ちた喜びを歌って表現の幅の広さを窺わせます。
 定評あるゴッビのスカルピア歌唱もここでのものはまさに別格。トスカに刺され息を引き取る寸前まで強欲・邪悪であり続けた彼のスカルピアは非常に性格的なもので、押し殺した声から絶叫まで完璧にコントロールしていて深い感銘を与えてくれます。
 指揮のヴィクトル・デ・サーバタはトスカニーニ、セラフィンに続く大物指揮者で、その盛り上げ方の巧みさと情熱的で美しいカンタービレはこの人ならでは。
 第2幕舞台裏で進行するカンタータの場面で流れる音楽まで美しいのはさすがですし、一方で第1幕の長大な愛の二重唱では、絶妙なテンポ・ルバートに加え、各パートのデュナーミクの積極的な操作によって、嫉妬や疑念、官能的なまでの情熱の高まりに至るまで盛り込んで圧倒的な手腕を見せつけてくれます。第1幕の幕切れ近く、テ・デウムの直前の場面、悲しみ憤るトスカとそれに続く音楽(CD1:トラック15:1:52−)も素晴らしい聴きものですし、その他、例を挙げればきりがありません。
 なお、この《トスカ》は1997年にもARTリマスタリングされてフル・プライスでリリースされているので、今回は、2度目のARTということになります。
 エンジニアはアラン・ラムゼイで、LP時代の印象とは大きく異なるクリアーで迫力あるサウンドを獲得することに成功しており、大編成の「テ・デウム」、牧童場面でのカウベルの澄んだ響き、処刑場面での射撃音などもきわめて鮮明かつ大迫力。
 音楽のディテール情報が聴き手にしっかり伝わるこのリマスターは、ヴェテラン、アラン・ラムゼイにとっても会心と言い得る出来栄えに違いありません。最上級のモノラル録音と言えるでしょう。

収録曲   

クラシック曲目

  • Giacomo Puccini (1858 - 1924)
    Tosca
    演奏者 :
    Mercuriali, Angelo (Tenor), Luise, Melchiorre (Bass), Caselli, Dario (Bass), Cordova, Alvaro [boy soprano] (Boy Soprano), Callas, Maria (Soprano), Di Stefano, Giuseppe (Tenor), Gobbi, Tito (Baritone), Calabrese, Franco (Bass)
    指揮者 :
    De Sabata, Victor, De Sabata, Victor
    楽団  :
    Milan Teatro alla Scala Orchestra, Milan Teatro alla Scala Chorus
    • 時代 : Romantic
    • 形式 : Opera
    • 作曲/編集場所 : 1900, Italy
    • 言語 : Italian
    • 時間 : 109:34
    • 録音場所 : 08/1953, La Scala Theater, Milan, Italy [Studio]

総合評価

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5.0

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演奏に関してはいうまでもなく、オペラのレ...

投稿日:2017/06/09 (金)

演奏に関してはいうまでもなく、オペラのレコーディング史上の金字塔とされていることは皆さんもいう通り。三人の主役もデ・サバータの指揮するスカラ座のオケもこれ以上はないような名演奏。とくにこれぞヴェリズモの興奮を伝えるカラスのタイトルロールに悪役の権化みたいなゴッビのスカルピア。デ・サバータも劇的な興奮と世紀末的な叙情の変転は見事。ただ以前にもっていた初期のCDはリマスターのせいかどうも冴えなかった。それで買い換えたのだが、これは随分鮮明さを増した。もっと上のリマスターもあるのかもしれないが、これなら不満はない。

mari夫 さん | 東京都 | 不明

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マリア・カラス没後20周年アニヴァーサリー...

投稿日:2012/10/15 (月)

マリア・カラス没後20周年アニヴァーサリー盤としてリリースされたディスク。初期のARTリマスターが施されているが、およそ4年ほど後にEMI世紀のグレート・レコーディングス・シリーズ第100作目としてリリースされた時の再リマスター・ディスクの方が音が良くなっています。もちろん音質などはもう関係なく、マリア・カラスの遺したディスクの中でも最上級のパフォーマンスであり、レコード史上最高の録音の一つであると思います。

Marthy さん | POLAND | 不明

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縷言の必要もない名演名盤であります。何と...

投稿日:2012/05/21 (月)

縷言の必要もない名演名盤であります。何と言っても主役三人がすばらしすぎる!彼らはみな「全力」だ。カラスのトスカは、恋も嫉妬も憎しみも全力。ステファノのカヴァラドッシは、正義感と情熱に全力。ゴッビのスカルピアは、権力と漁食に全力だ。歌手にして稀代の役者であるこの三人が繰り広げる、まさに激しい(劇しい)ドラマに圧倒されます。また、ただひたすらに煽るのでもなく、暗くてそれでいて妖しく美しい、プッチーニの音楽もすごいなあ。やっぱり第2幕が白眉ですね。サバタの指揮は、実はもっとドラマティックかと思っていたのですが、むしろ歌にぴったり寄り添い、あるいは歌がないところでは歌に代わって雰囲気や感情を表現する、そんな練達の指揮ぶりであります。まあ、大変な演奏です。たしかにこれまで「トスカ」の第一の名演として語られてきたのも当然でしょう。セッションながらさすがに音はやや古めかしく、やや霞がかって、またオケと合唱に多少の崩れが感じられるような気もします。リマスタリングの上、SACDあたりにすれば回復するかもしれません。それにしても、主役の三人、彼らが実際にステージで歌い演じた時代があり、それを体験できた人たちがいるんですよね〜。何ともうらやましく、ステキな時代があったものです。

ほんず内閣総理大臣 さん | 北海道 | 不明

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