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- ブルッフ (1838-1920)
- 交響曲全集、他 ヴィルトナー&ヴェストファーレン新フィルハーモニー(3CD)
基本情報
商品説明
ヴィルトナー(指揮)
マックス・クリスティアン・フリードリヒ・ブルッフ[1838-1920]は、ブラームスとほぼ同世代のドイツ・ロマン主義の作曲家で、ユダヤの旋律を使用した『コル・ニドライ』で成功したために、ナチスから演奏禁止措置を受けたことでも知られています。実際にブルッフがユダヤ系であったかどうかは不明ということですが、スコットランド民謡を用いた『スコットランド幻想曲』や、ロシア民謡を用いた『ロシアの主題による組曲』、ヴェネツィアの旋律を用いた『ヴェネツィア風セレナーデ』、そして当セットにも収録されている北欧風な『スウェーデン舞曲集』など、他民族や他国の旋律を用いた作品をほかにも書いているので、ユダヤ旋律の使用は、単に作曲家としての素材活用の一環だったということも考えられます。
なにしろ『スウェーデン舞曲集』は、ブラームスの『ハンガリー舞曲集』や、ドヴォルザークの『スラヴ舞曲集』のような大ヒットを目論んでブルッフが書いた作品であり、オリジナルのヴァイオリンとピアノ版の他、ピアノ・ソロ、4手ピアノ、オーケストラ、軍楽隊向けにも編曲し、先達同様、出版社ジムロックへ売り込んでいるほど。しかし、この『スウェーデン舞曲集』は、北欧独特の清澄な雰囲気が随所に漂う佳作ながら、ブルッフの目論み通りの人気が出ることはついになかったとか。
ブルッフはやはりドイツ・ロマン主義保守本流の作曲家であり、その創作のベースにあったのは、重厚な雰囲気と、ときに甘美ですらある旋律美の追求だったのではないでしょうか。
そうした要素を特に感じさせてくれるのが、代表作であるヴァイオリン協奏曲第1番であることは疑いのないところで、それはこれまでに蓄積した膨大なレコーディングの数からも明らかですが、しかし、知名度こそ劣るものの、交響曲や室内楽作品にも優れて魅力的なドイツ・ロマン派的傑作が存在していることも確かです。
実際、交響曲全集には、マズア指揮ゲヴァントハウス管によるPHILIPS盤と、コンロン指揮ギュルツェニヒ管によるEMI盤があり、熱心な交響曲ファンには高く評価されていたものです。それらのアルバムに共通するのはドイツ・ローカルなオーケストラの味わいということになるのかもしれません。
今回のEBS盤で演奏するヴェストファーレン新フィルハーモニー(ノイエ・フィルハーモニー・ヴェストファーレン )は、ドイツ中西部、ドルトムント近郊の都市ゲルゼンキルヒェンにある中堅オーケストラで、重心の低い金管群を朗々と鳴らし、木管は質朴かつ清楚に響き、弦楽器群は温かくて厚みのある充実した音を聴かせるという、いかにもドイツ・ローカルなサウンドの醍醐味を堪能することが可能です。
指揮のヨハネス・ヴィルトナーは、ブラームスのチェロ協奏曲(二重協奏曲のチェロ独奏版)や、ブルックナーの交響曲第9番完成版、ブルックナーの交響曲第3番2ヴァージョン・セット、マルコポーロのシュトラウス一家作品集などでお馴染みの指揮者。ウィーン・フィルにヴァイオリン奏者として在籍し、数々の名指揮者のもとで様々な演奏を経験してきた実力派です。
なお当アルバムは、優秀な録音を生かすべくハイブリッドSACDフォーマットが採用されており、SACDプレーヤーではマルチチャンネル音声が再生できるほか、通常のCDプレーヤーでも2チャンネル・ステレオ音声を楽しむことが可能です。
ブルッフ
CD1
・交響曲第1番変ホ長調 Op.28[1868]
・ヴァイオリン協奏曲第2番[1877]
CD2
・交響曲第2番ヘ短調 Op.36[1870]
・ヴァイオリンと管弦楽のためのコンチェルトシュテュック 嬰ヘ短調 Op.84[1911]
CD3
・交響曲第3番ホ長調 Op.51[1887]
・スウェーデン舞曲集 Op.63[1892]
ウルスラ・ショッホ(Vn)
ヴェストファーレン新フィルハーモニー
ヨハネス・ヴィルトナー(指揮)
収録曲
ディスク 1
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01. Wildner, Johannes - Sinfonie Nr. 1 Es-dur Op. 28
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02. 1. Allegro Maestoso
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03. 2. Scherzo: Presto
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04. 3. Quasi Fantasia
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05. 4. Finale: Allegro Guerriero
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06. Wildner, Johannes - Konzert Fuer Violine Und Orche
-
07. 1. Adagio Ma Non Troppo
-
08. 2. Rezitativ: Allegro Moderato
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09. 3. Finale: Allegro Molto
ディスク 2
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01. Wildner, Johannes - Sinfonie Nr. 2 F-moll Op. 36
-
02. 1. Allegro Passionato Ma Un Poco Maestoso
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03. 2. Adagio Ma Non Troppo
-
04. 3. Allegro Molto Tranquillo
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05. Wildner, Johannes - Konzertstueck Fuer Violine Und
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06. 1. Allegro
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07. 2. Adagio Ma Non Troppo Lento
ユーザーレビュー
投稿日:2009/06/13 (土)
ブルッフの作品は、ヴァイオリン協奏曲第1とスコットランド幻想曲がやたら有名だが、このCDにおさめられている3つの交響曲なども、美しい旋律に満ち溢れた佳曲だと思う。ブラームス以上に保守的だったと言われるブルッフだが、これらの交響曲は面目躍如たるものと言うべきで、特に第3には深い感銘を受けた。SACDによる高音質も魅力的だ。
つよしくん さん | 東京都 | 不明
投稿日:2006/07/25 (火)
生ではまず聴くことの出来ないこれらの曲が、マズアやコンロンに引けをとらない演奏の上、SACDマルチチャンネルでは、素晴らしい臨場感で再現されています。今後マルチチャンネルでは、決定盤として末永く君臨することでしょう。もっとも、このドイツ的朴訥さを「内容がない」と思う人には無縁のセットでしょうけど。
thud さん | 東京都杉並区 | 不明
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