スタニスワフ・レム

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ソラリス ハヤカワ文庫SF

スタニスワフ・レム

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784150120009
ISBN 10 : 4150120005
フォーマット
出版社
発行年月
2015年04月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
420p;16

内容詳細

惑星ソラリス――この静謐なる星は意思を持った海に表面を覆われていた。惑星の謎の解明のため、ステーションに派遣された心理学者ケルヴィンは変わり果てた研究員たちを目にする。彼らにいったい何が? ケルヴィンもまたソラリスの海がもたらす現象に囚われていく……。人間以外の理性との接触は可能か?――知の巨人が世界に問いかけたSF史上に残る名作。レム研究の第一人者によるポーランド語原典からの完全翻訳版。

[著者紹介]
1921年、旧ポーランド領ルヴフ(現ウクライナ領)に生まれる。クラクフのヤギェウォ大学で医学を学び、在学中から雑誌に小説や詩を発表し始めた。51年に第一長篇『金星応答なし』を発表。1950年代から60年代にかけて、地球外生命体とのコンタクトをテーマにした三部作『エデン』、『ソラリス』(本書)、『砂漠の惑星』ほかのSF作品を発表。70年代以降は『完全な真空』『虚数』といったメタフィクションを発表した。その深遠かつ巨視的なテーマの作品から、20世紀世界文学史上の巨人の一人に数えられる。2006年死去。

【著者紹介】
スタニスワフ・レム : 1921年、旧ポーランド領ルヴフ(現ウクライナ領)に生まれる。クラクフのヤギェウォ大学で医学を学び、在学中から雑誌に小説や詩を発表し始めた。51年に第一長篇『金星応答なし』を発表。深遠かつ巨視的なテーマの作品から、20世紀世界文学史上の巨人の一人に数えられる。2006年死去

沼野充義 : 1954年生、東京大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    再再読。以前の2回は『ソラリスの陽のもとで』(ハヤカワ文庫、飯田 規和訳)で。これまでの版はロシア語からの重訳であったが、今回はポーランド語原典からの訳出。やや煩雑に思える節もないではないが、やはりこちらが正統派であろう。作品の解釈は、それこそソラリス学がそうであったように百花繚乱。私自身の読者としての解釈でさえ前回とは違っている。基本的にはファースト・コンタクトをテーマとするのだろうが、そこには不条理なまでの意思の不疎通が立ちはだかっている。今回痛切に感じたのは、全編を覆う圧倒的なまでの寂寥感であった。

  • パトラッシュ さん

    初版刊行から60年近い現在はファーストコンタクトSFではなく、人類同士の衝突を描いたドラマに思える。いくら試みてもまともな対話が成立しないソラリスは、自分たちの民族や宗教や感情こそ至高であり、周囲の言い分など無視して当然と信じて疑わぬ人類そのものなのだ。この世には科学的合理的思考では理解不能な他者がいるとレムに教わった。今、日本はいくら話しても理解し得ない隣国と永遠に付き合っていかなくてはならない。それはまさに「地獄とは他人のことだ」というサルトルの言葉の具現化であり、未来は本書により予言されているのだ。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    映画のタルコフスキー版、ソダーバーグ版も共に未見。惑星ソラリスの海が投影してきた人々。彼らは死者でもあり、自分が求めていたものでもある。それでも彼らに出会った人々は狂乱に陥らずにはいられない。何故なら対象者がどんなに目を背けたく、忘れたいと思ってもいることもありのままに映し出す鏡でしかないから。そして鏡には理由はないという気味悪さ。醜悪なビーナスやハリーが出てくるシーンは映画『イット・フォローズ』を想像してしまって怖かった。そして何もかも優先順位と意味付けして安堵する人知に対し、ソラリスは何て穏やかだろう

  • Kajitt22 さん

    赤と青、ふたつの太陽を持つ、美しくもミステリアスな惑星ソラリス。その意思を持った鈍色の海とのファーストコンタクトは、その人の無意識の底を具現化した訪問者だった。その意味は親切、友情、不意打ち、嘲笑、拷問、顕微鏡的研究、それらのすべてか、あるいはまったく別のことか。長大なソラリス学の解説が苦痛だが、ハリーの登場が、著者の意図に反して、この物語を色彩豊かで陰影濃いものにしている。宇宙飛翔願望のある人でなくても、日々の未知との遭遇に備え必読の書です。

  • ケイ さん

    SFという枠の中で命や平和が語られている。地球にしても、海は命を生み出したところだ。宇宙船や宇宙ステーションなどは、閉所恐怖症の私にしてみればまったく恐ろしく息つまるところなのが、この作品では優しさや思いやりが生まれてきている。書かれた当時の1960年代は、まさに様々なSF作品が生まれたSF黄金期だと思う。冷戦や核の恐怖で息詰まる中、まだ一歩も踏み出せていなかった宇宙の方が、自由に想いを馳せることができたのかもしれない。

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