ジョルジョ・アガンベン

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スタンツェ 西洋文化における言葉とイメージ ちくま学芸文庫

ジョルジョ・アガンベン

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480091314
ISBN 10 : 4480091319
フォーマット
出版社
発行年月
2008年03月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,380,7p

内容詳細

たとえば「メランコリー」。フロイトやラカンら近代の精神分析学により「対象」と「所有」の病理とされ研究対象となったこの病は、中世の修道士の無気力に発し、「狂気」「欲望」「並外れた詩人」という極端な矛盾を孕む黒胆汁の気質と考えられ、デューラーの作品に結晶する。中世の物語や恋愛詩、エンブレムや玩具、ダンディズムや精神分析、それらは言葉とイメージがつむぎ出した想像と忘却の変遷の保管庫=「スタンツェ」である。西洋文明における豊饒なイメージの宝庫を自在に横切り、欲望・感情・言葉のみならず欠乏・喪失が表象に与えてきた役割をたどる。21世紀を牽引する哲学者の博覧強記。

目次 : 第1章 エロスの表象像(白昼のダイモン/ メランコリア/ メランコリックなエロス/ 失われた対象/ エロスの表象像)/ 第2章 オドラデクの世界で―商品を前にした芸術作品(フロイト、あるいは不在の対象/ マルクス、あるいは万国博覧会/ ボードレール、あるいは絶対商品/ 洒落男ブランメル、あるいは非現実性の出現/ マダム・パンクーク、あるいは玩具の妖精)/ 第3章 言葉と表象像―一三世紀の恋愛詩における表象像の理論(ナルキッソスとピュグマリオン/ 鏡の前のエロス/ 「想像の精気」/ 愛の精気たち/ ナルキッソスとピュグマリオンの間/ 「終わりなき悦び」)/ 第4章 倒錯したイメージ―スフィンクスの観点から見た記号論(オイディプスとスフィンクス/ 固有のものと固有でないもの/ 壁と襞)

【著者紹介】
ジョルジョ・アガンベン : 1942年、ローマ生まれ。ローマ大学卒業。パリ国際哲学院やヴェローマ大学を経て、ヴェネツィア建築大学教授。1974年より1年間ヴァールブルク研究所に属する

岡田温司 : 1954年生まれ。京都大学大学院博士課程修了。京都大学大学院教授。専門は西洋美術史。著書に、『モランディとその時代』(吉田秀和賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • またの名 さん

    フェチは精神分析によると、目の前の現実を認めつつも病的妄想にならない程度で否認し理想の対象にブヒる。これと同じ分裂した機制を、一度も所有してない非現実の対象がまるで失われるかのように予感し悲哀に沈むメランコリーに見出すアガンベン。全体をその部分に代理させる提喩がパートナーを身体又は付随物の一部で代用するフェチと類似し、隠喩もひとつの物を別の物で代替する点でやはり近く、商品の使用価値と交換価値さえ以下同様などと議論。最終的に隠喩が代理してる固有の項はなく別の隠喩に連鎖するだけと述べるポスモダ風味の初期論考。

  • mio k さん

    西洋文明において引き裂かれたものを問い直す、優雅でいてかつリリシズムを伴った美しい思索。怠惰やメランコリー、ボードレールやブランメル、ナルキッソスとピュグマリオンなど様々な主題を取り上げながら、相反するものたちが交叉する場=スタンツァについて膨大な知識を用いて語られる。それにしてもエモい。好き!「愛とは、まさに英雄的で神聖なるものである。わたしはそう考えたい。たとえ愛のために幾多の受難にさらされるとはいえ」。

  • きつね さん

    何か明快な答えが出るわけでもないし、その過程に明証があるわけでもない。問いを問いとして磨き上げんとし、その周りをぐるぐると経巡って滞留する。個人的にはナルキッソスとピュグマリオンが連接されるところが楽しかった。結局昨日読んだ本と同じく詩のcomme(ないしcomparution)という問題にたどり着いた。ハイデガーへの献辞もそのため。以下抜粋。164「端的に言って、哲学と医学を分けることは不可能なのである。純粋に医学的なモチーフと、われわれが哲学=文学的とみなす主題のこうした絡み合いは、詩人たちにおいても

  • Fumoh さん

    目に見えないもの――いっけん矛盾と思える内容を問いただす。膨大な文献から「言葉にできない実体=スタンツェ」を取りだすため、きらびやかな文化評論の世界へ漕ぎだす――そんな感じの本に思えた。膨大・多彩な歴史的テキストを用いて、夢幻的とも思える文体を縦横に駆使していくのは、ベンヤミンやボルヘスを思い起こさせる。わたしは言葉遣いがペダンティックというか、独特な尖った抽象化用語の目白押しがなんだかバカバカしく思えた。「こうして、サトゥルヌス的気質の生気を逸した悲劇は、捕まえられないものを抱き締めようとする身振りに

  • gkmond さん

    当然、よくはわからなかったが、プネウマを論じた箇所だけは引き込まれた。

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