第1番は、他の盤を持っていないので比較ができませんが、残響があまり長くないこともあって、音の輪郭がしっかり聞こえ、攻撃的な雰囲気をうまく表現できていると思います。第7番は、「オールドクラシックファン」さんも言及されているデンマーク放送響との旧盤を持っていますが、私は旧盤に軍配を上げたいところ。シベリウスの交響曲は、第5番と第7番に関しては、速いテンポで突き進むのではなく、ある程度ゆったりとしたテンポ設定の上で、迫力と柔軟さを併せ持った演奏(プロでも難しいとは思いますが)をしてほしいのですが、弦楽の音量や管楽器の音色の柔軟さでは、デンマークの放送局の豊かな残響も手伝って、旧盤のほうが上回っています。おそらく、オールドクラシックファンさんのおっしゃる旧盤の第1番は、第7番とは逆に残響の長さが裏目に出て、雰囲気が重くなりすぎているのかもしれませんね。そうは言っても、当盤の第7番も他の指揮者(C.デーヴィスは除く)と比べれば十分重厚な気がしますし、聴きごたえがあるので、星4つ。