基本情報
内容詳細
啓蒙主義は、すでに乗り越えられた浅薄な思想なのか。のちの思想家たちから「反省哲学」「過去の思想」という烙印を押されてきたが、はたしてそうか。18世紀啓蒙主義の「明るい鏡」を現代批判の鏡として位置づけ、自らそれとの内面的対決を果たした著者は、批判精神に満ちた鋭い洞察力で、啓蒙主義の思考形式から「美学」の誕生までの諸側面を余すところなく分析し、その統一的結びつきを解明する。哲学者カッシーラーが従来の批判を排し、啓蒙主義思想の再評価を打ち立てた古典的名著。文庫化にあたり全編改訳。下巻は啓蒙主義の歴史観、国家観・社会観、美学の確立などを収録。
目次 : 第5章 歴史的世界の征服/ 第6章 法、国家および社会(法の理念と不可譲な基本権の原理/ 社会契約の思想と社会科学の方法)/ 第7章 美学の基本問題(「批判の時代」/ 古典主義美学と美の客観性の問題/ 趣味の問題と主観主義への傾斜/ 直観の美学と天才の問題/ 悟性と想像力―ゴットシェートとスイス人批判家たち/ 体系的美学の確立―バウムガルテン)
【著者紹介】
エルンスト・カッシーラー : 1874‐1945年。ドイツの哲学者、精神史家。新カント派の立場から出発。1919年ハンブルク大学教授に就任、世界認識の根本形式を分析して、独自の文化哲学を構想。29年同大学総長となるが、ナチス政権成立により亡命、のち渡米してイェール大学、コロンビア大学教授、45年急逝
中野好之 : 1931年生まれ。東京大学経済学部卒。元・国学院大学、富山国際大学教授。イギリス思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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人物・団体紹介
エルンスト・カッシーラー
1874‐1945。ドイツの哲学者。旧ドイツ領プレスラウ(現ポーランド領ヴロツワフ)に生まれる。ヘルマン・コーエンの下でカント哲学を学び、マールブルク学派の一人に数えあげられるが、近代認識論史の大著である『近代の哲学と科学における認識問題』(1‐3巻、1906‐20、4巻、1950(邦訳『認識問題』
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