アン・フィリッパ・ピアス

人物・団体ページへ

まぼろしの小さい犬

アン・フィリッパ・ピアス

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784001155068
ISBN 10 : 4001155060
フォーマット
出版社
発行年月
1989年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
22cm,241p

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ヴェネツィア さん

    『トムは真夜中の庭で』と並ぶフィリパ・ピアスの代表作。分量的には大半を占めるチキチトとの物語は半ば以上幻想が支配するが、それを助走として導かれる全体はリアリズム小説である。主人公のベンは、どこにでもいそうな少年であり、また特別でないことにこそ意味があったのである。前半の舞台はロンドンの南部地域。そして後半は北部に移るが、その地のハムステッド自然公園は、この物語成立に欠かせない役割を果たしている。もちろん、犬は絶対条件であることは言うまでもないが。犬を愛する人にはお薦め。きっと満足の1篇。

  • ちえ さん

    ◆「祝・生誕100年―フィリパ・ピアスとローズマリ・サトクリフを読む」 ベンはおじいちゃんから誕生日に犬をもらう約束をした。でもベンの家では犬は飼えない、プレゼントに届いたのはチキチト・チワワという犬の刺繍。がっかりしたベンの心の中に幻のチキチトが現れる…子どもの頃の自分自身を思い出して切なくなった。<ベンははっきりとあることを悟った。それは手にいれることのできないものは、どんなに欲しがっても無理なのだ…ましてや手の届くものを手にしないならば、それこそ、何も手に入れることはできないということを。<続↓

  • 内島菫 さん

    少年の想像する大きい犬や、額縁に入った刺繍の犬、実際におじいさんが飼っている犬、少年が目を閉じると出てくる小さいけれど勇敢な犬、本に書いてある犬、おじいさんの犬が産んだ子犬たち、最後に実際に少年のものになった臆病な犬、といった様々なレベルの犬たちが何層にも重なって分厚い織物になったような本だった。少年が想像し、ついにはほとんど病的なまでにとりつかれていたまぼろしの小さな犬は、彼が自分にはない勇気や強さが投影された存在だったように思える。

  • おはなし会 芽ぶっく  さん

    ベンは犬好きの少年、誕生日に祖父が犬をプレゼントしてくれたのだけど、それは刺繍の犬の絵でした。祖父母の家に泊まりに行ったベンは犬の絵の秘密も分かりますが、帰りの汽車で無くしてしまいます。でもそれ以来目を閉じるとまぼろしの小さい犬が現れ心に住みつきます。

  • 鮎 さん

    全編を覆う主人公ベンの寂しさは、少年だけど哀愁と言いたいくらい。ベンは家族の中で孤立してしまうけど、それ自体は誰のことも責められない。姉弟たちに悪意はなく、母親もベンの様子に注意を払っている。でも犯人がいないからこそ手に負えないんだよね。自分だけの味方で理解者になる犬を欲しがるベンの気持ちは、本人が自覚している以上に切実なものだったように思う。ベンが幻の犬を見始めたとき漂い始めた危険な予感は、心ではなく事故という現実で結果を見るけど、それによってあのラストシーンが導かれるのかと思うと少し皮肉な気もする。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品