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takao_kozo さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/08

    この盤を好きになるのに、ずいぶんと時間がかかったようです。
    第一印象は、「ふ〜〜〜ん ショスタコーヴィッチのピアノ・ソロ曲ってこんななんだ 交響曲とは随分違った感じだな〜」と言った感じで、特に大きな思い入れもありませんでしたが、
    仕事をしながら聴くのに、邪魔にならない音楽w と言ってしまっては語弊がありますが、
    心地よいので繰り返し聴き続けました。そして段々愛着がわくようになりました。
    ピアノの音はホール(スタジオだったかも)の残響をふんだんに取り入れて(私があまり好きになれない)、やや遠目の感です。
    でも決してぼやけた音ではないし、ニコライエワのタッチはよく伝わって来てると思います。
    唇の薄い人(ショスタコーヴィッチとニコライエワ)からは、冷たい印象を受けますがw なんと温かみのある音なんでしょう!
    全体を通じて、現代音楽的な要素はあまり感じられず、むしろ民族音楽的な馴染みやすさが印象に残ります。そして荘厳さも兼ね備えている。
    バッハの平均律に匹敵する音楽なのではないでしょうか・・ と、秘かに感じ入っています。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2010/11/08

    1982年のパリでのLIVE録音です。この音源は大昔、この盤が初めてLPで発売された際に購入してました。
    当時愛読してた音楽雑誌レコード芸術の、海外録音情報の記事を読んだのがきっかけでした。
    このレコ芸の海外録音情報のコーナーは、国内発売より前に知ることが出来るので重宝してました。ここで紹介されて、しばらくして発売される盤もありますが、そうでない物も多々ありました。
    当時よく通ってた秋葉原の石丸電気を覗いたところ、たまたま見つけまして即購入しました。

    またこの盤、LPジャケットがかっこ良かった事にも惹かれたと言う事もありました。
    ジャケットのデザインは、おそらくはパガニーニの人物像のイラストだったと思います。とても痩せて描かれてまして、ヴァイオリンを弾きながら不敵な笑みを浮かべてる不気味な様子でした。
    今回購入したCDは、LP当時のレーベルとは違ってました。LPの時はForlaneと言う仏のマイナーレーベルでしたが、今回も仏のBNLと言う、聞いた事の無いマイナーレーベルの様であります。

    今回改めて聴き直して、一番の収穫は音質の劇的な改善です。
    LPではカントロフのヴァイオリンの音が引っ込んでしまってるようで、
    立ち位置が遠い感じ(マイクからの距離)もし、カントロフと言う人、男なのにw線が細い人なのだろうかと、感じさせられたものです。
    CDでは演奏が始まる前のオケのチューニングの音まで収録されてまして、まずこの音にビックリでした。
    ただ、オケの全合奏の音はクリア感に欠ける様でしたが、カントロフのヴァイオリンの音はくっきり!
    細部の表現もしっかり伝わって来ます。

    カントロフと言う人にまず期待する事と言えば、やはり超絶技巧であります。
    DENON所属になってからは、広く浅いwスタイルになってしまってる様でしたがw
    このLIVE盤でのカントロフは別人の様であります。
    面目躍如! 素晴らしい超絶技巧であると思いました。しかもこれはLIVE!
    しかも技巧をひけらかそうと言う感じが微塵も感じられず、本当にうまい人とはこうあるべきだ・・ と、感じ入りさせられました。
    汗の一滴もかかないで(実際はそうではないんでしょうがw)、さらりと弾き切ってる様・・ しかも観客に媚びない弾き方w そんな印象を受けました。
    パガニーニの曲、リストの技巧曲もそうですが、楽器が弾けない人が聴くと特に難しい曲であると感じさせない事が多々あると思います。ところが実際に映像で演奏してる様を見たりすると、ピアノであれば手の交差が何気なく連続してたりとか、とにかく素人にはうかがい知れない困難さがあるようであります。
    いかにも難しい曲を、いかにもいかにも・・ と熱演してる様子が聴き手に伝わって来てしまう演奏ぶりと言うのを私は好まないのですが、
    この涼しげなカントロフの弾きぶりはまさしく理想です。

    そしてカントロフのヴァイオリン、色んな音が出てます。
    ヴァイオリンと言う楽器の、音の出方サンプルのオンパレードの様なw
    ヴァイオリンって言う楽器はこんな音も出せるんだぞー みたいなw

    第1番 Op.6の第一楽章では聞いた事の無いカデンツァを弾いてます。
    カデンツァの作者が書かれていないのですが、かなり技巧的に難しい感じです。全体の曲調とのバランスがあまり考慮されてない印象も受けましたがw

    そして有名な第2番 Op.7
    F.リストがラ・カンパネラ「鐘」で使った事で有名な第三楽章のRondoが聴き物です。第一楽章のカデンツァも第1番と同様、ひょっとしてカントロフのオリジナル?(多分違うと思いますw)素晴らしい技巧の連続です。
    No.2のコンチェルトで、これなら満足!と、初めて感じる事が出来た気がします。前半の第一・第二楽章だけで結構体力を消耗してしまいそう(No.1もそうですが)でして、フィナーレ第三楽章のRondoにたどりつく前に演奏者が疲れてしまいw
    最終楽章がなんか覇気の無い演奏で終わってしまう事が多い様に感じていましたがw(スタジオ収録の時はどうなのか・・と言われてしまいですが)
    カントロフの演奏では、きちんと尻尾の先まで餡子が詰まってます!
    しかもこれはLIVE!
    フィナーレのスピード感も全然衰えを見せないどころか、更なる加速!
    非常に細かい事を色々やってるのに全体像が崩れて無い演奏・・! とでも言いましょうか^^

    この二曲の今までの私の愛聴盤であったI.ギトリス盤(かなり若い時の演奏、普段見慣れたお爺さんでは無い、青年のギトリスw)を、どうやら超えた様であります。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/08

    1980年10月7日のK.テンシュテット指揮ベルリン・フィルとの共演でMozartのピアノ協奏曲No.23の音源がTESTAMENTから発売されました。
    この録音は当時NHK FMで放送されまして、カセットテープに録音して繰り返し聴いていました。
    80年代はクラシック音楽界も綺羅星のごとく有名指揮者・ソリスト達がおりました。当時隔週で発売されていたFM雑誌を毎回買って、番組表を見ただけでわくわくしたものでした。
    LPで持っていなくて知らない曲を聴いてみる事も大きな楽しみでありました。

    Mozartの曲は今でこそ大好きでCDも沢山所有していますが当時はほとんど聴いた事が無く、FMで試聴する際に要チェックとして挙げていた作曲家の一人だったと思います。
    Mozartと距離を置いていた理由は、Beethovenより前の世代の作曲家の曲が古典と言う枠組みにとらわれ過ぎてて窮屈な音楽だと言う偏見があったのかもです。

    B.Hierholzerの弾くMozartのピアノ協奏曲No.23をFMで聴いてみようと言う気持ちになったのは、当時名前が知れ渡り始めていた指揮者テンシュテットがベルリン・フィルを振ったLIVE録音であると言う事だったと思います。
    そして未知の曲に対する興味。ピアニストB.Hierholzerなる初めて目にする名前には全く関心がありませんでした。

    カセットテープに録音しても、数回聴いてみて気に入らなければ後から上書き重ね録音をして消してしまいます。
    私が現在でも残しているカセットテープの音源は、年数をかけて聴き込んだ結果、お気に入りとして残した物ばかりです。
    そしてB.Hierholzerの音源も残しました。
    曲自体が面白いから残した事もあると思いますが、
    B.Hierholzerのピアノ演奏になんらかの魅力を感じたのだと思います。

    1980年当時に23歳だったB.Hierholzerですが、若手とは思えない落ち着きぶりがまず特記すべき印象として挙げられます。
    テンシュテットの指揮するベルリン・フィルと言う、無名に近い若手独奏者からしてみれば最高のサポートを受けて、
    緊張もするでしょうし肩に力が入りがちになるのではないかと、勝手な想像を巡らせてしまいますが。
    ここでのB.Hierholzerは実に自然な音楽を作りあげています。
    曲の各ディテールから、全体構成までの完璧な把握を成し遂げた大家然とした演奏なのではないでしょうか。
    テンシュテット指揮のベルリン・フィルも実に優しい音でサポートしています。

    音楽に対する特別な知識を持ち合わせていないCDオタクである私の愛聴盤の定義とは、
    それは勝手な思い込みなのかもしれません。
    このB.Hierholzerの今回の演奏も特別に名演で、そして特に注目すべき人なのではないのかもしれません。
    その後の彼女の活躍ぶりを見ても、そこそこCDの発売はしているようですが、今回のTESTAMENTのCDに出合う前は私は全くその名前を忘れていましたし。
    ただ30年前の私の若かりし時代にエァチェックして繰り返し聴いていた音源が、こうしてCD化されて世に出てくれた事は何かしら感慨があります。

    それにしてもエァチェックにも色々と苦労がありました。
    カセットテープへの録音の仕方で、例えばMozartの協奏曲であれば60分テープを用意して大概はその半面に納まるので苦労は要りませんが、マーラーの長い交響曲だったら各楽章の時間を計算して楽章の終わりでカセットテープを素早く切り替えるのです。
    時々失敗しましたが、うまく行った時は本当にうれしかったです。
    今思えばとても懐かしいです。

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