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Y.A さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2023/09/25

    今まで未発見の1955年公演が遂にオリジナル音源で発売になりました。クナのバイロイト「パルジファル」では最後の発売となります。音のクォリティも「1962年のステレオ盤」以外では最上級の素晴らしさです。
    演奏も素晴らしい。聴きモノはマルタ メードルでしょう。声に癖がある人ですが、クナッパーツブッシュ やフルトヴェングラー が何故重用したのかが理解できる「演技力」のある歌手だったことがわかります。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 0人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/06/23

    このルガーノでの「田園」は、LP発売時ある評論家から「お化けの出そうな・・・」と書かれていたものですが、確か10年ほど前「Document(Aura)」という廉価CDBOX(10枚組、スイス・イタリア語放送に残された様々な演奏会録音がベース)の一つに収められた際に、「非常に音の良い状態のテープ」で復刻され面目を一新しました。モーツァルトは1970年にEMIから、ティルは1990年代末にTahraから発売され、この公演自体は「フルトヴェングラー晩年屈指の名演奏会だった」ことが明らかになりました。この「田園」はフルトヴェングラー同曲演奏中、私が最も好きな演奏ですが、従来の全ての復刻には残念ながら「2つの問題点」があります。一つは「第一楽章冒頭の弦の和音欠落」であり、もう一つは第三楽章リピートを「同じ録音を繰り返して繋いでいた(つまり欠落)」ことです。またティルの冒頭部分も「テープの損傷」が目立っていました。稀代の名演奏だけに「非常に残念」でしたが、今回のリマスターでは「過去の復刻」と比較し、これらの点は改善されているのでしょうか?また音の状態は?どなたかお教えいただけたら有難いのですが・・・・。演奏だけなら「文句なく星5」ですが「リマスター情報が無い」分、評価を差し引かせて頂きます。

    0人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2020/05/15

    1970年代初頭、「ベートーヴェンのピアノソナタ」それも後期の5作品と言えば
    バックハウスかケンプ、録音は古くなるがシュナーベル、ソロモンが定番だった。そこに登場した「若きポリーニの録音」は、技巧といい構築性といい「鮮烈」な印象を与えた。一連のショパン、ストラヴィンスキー、プロコフィエフでも感じたが、「(古典の)ベートーヴェンでも同じこと(新たな取り組み方の具体的提示)ができるんだ。なんと素晴らしい可能性を示してくれたことか!」と驚かされた。その後、ポリーニの実演には何度か接することができた。中でもリストのソナタ、シューベルトのト長調ソナタの演奏会が今も私の心に深く印象を残している。
    しかし2000年を過ぎる頃からポリーニの演奏に違和感を感じるようになった。ショパンとドビュッシーのプレリュ−ドを頻繁に取り上げるようになった頃から、彼のテンポには「追い立てられるような性急さ」が目立ってきた。それに加え「曲の輪郭線」も変化していった。情緒的なものは極力排され、コントラストもどぎつくなった。この姿勢は「20世紀作品」を演奏する際には「曲のフォルムが明快になる」という利点があったが、19世紀作品ではそうはいかない。悪い言い方をすれば「ヒステリック」と感じられるような時もあった。昔、これと似たような感想を抱いたことがあるのを思い出した。そう、これは「晩年のトスカニーニの演奏」と共通した「変化」だった。それは「硬直した表現」であり、少なくとも私には「音楽的と感じる要素」から増々遠く離れた次元での演奏なのである。
    今回のベートーヴェンは、その傾向更に顕著になっている。その上「器楽演奏家の宿命」である「年齢相応の技巧の衰え」も目立っている。全てが「前のめり」であり「句読点(カデンツ)もはっきりしない」ものとなってしまっている。
    デビュー時、全盛時のポリーニを知るだけに「非常に残念」だった。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/10/08

    このBoxはEMIが1972年に発売したベートーヴェンの8番、レオノーレのリハと本番、ブラームスのドイツレクイエムの他、すっかり馴染みとなった演奏が殆どである。しかしこのBoxには貴重な点がいくつかある。まず@「フルトヴェングラー馴染みのないオーケストラとどのように演奏したか?」という貴重な記録であることだ。レオノーレのリハをあらためて聴いて頂きたい。ここでのフルトヴェングラーは驚くべきことに、全く「基本的テクニック」しか指示してない。「そこはスタッカート」「常にインテンポで」「クレッシェンドは正確に」等々である。我々が抱く「フルトヴェングラーのイメージ」とはまるで違い、楽譜に忠実であることを徹底させている。ところが、有名な「ルツェルンのリハ」と聴き比べると雰囲気がまるで違うのだ。ルツェルンでのリハは、音色や音フレーズに関する指摘が明らかに多い。これは恐らく「フルトヴェングラーはオーケストラのレベルに応じてリハの仕方を変えていた」という貴重な証拠なのだ。質が高いオケには「ニュアンス」を、質が落ちるオケには「基本」を徹底して教え込んでいたのだろう。ベルリン フィルとのリハ録音がいくつか残っているが「素人には全く参考にならない」のはこういう点に起因している。次にA全て既発録音だが、現在「中古市場でも殆ど入手不可能なもの」が含まれている。特にドン ファンの復刻は嬉しい限りだ。
    ここに収められた録音は「フルトヴェングラーの最上の演奏」ではない。また録音の質も落ちる。だが他のレーベルに比べ「スクラッチノイズ」は大きいものの、その分「高音がよく聴こえ」るので、聴きやすくなっている(「リハ録音が一番良い音だ」というのが少々皮肉な結果ではある)。
    あくまで「コアなフルトヴェングラー ファン向け」であり本来なら「星4つ」だろうが、希少価値を加味し「5つ」とした。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 8人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/09/04

    生前「鍵盤の獅子王」というあだ名で呼ばれていたバックハウスについては、昔から「技巧派」「客観的でそっけない演奏をする」というイメージで語られていました。またフルトヴェングラーが言ったとかいう「バックハウスを聴くくらいならケンプが弾く数小節の方が価値が・・・」云々という逸話も「誤解の元」となっていたように思います。しかしもう一度、虚心坦懐にバックハウスを聴きなおして頂きたい。なんと柔らかな、優しい音色であることか!ケンプの音の方が「鋭角的」です。造形的にも、確かに「劇的」ではありませんが、絶妙なテンポルバートを自在に操りながら「安定的造形」を築いていきます。数少ない映像を観ても「これほど自然な姿勢で、柔軟な運指をするピアニストが他にいるだろうか!」と驚かされます。定番のベートーヴェンのだけでなく、この全集に収められたモ-ツアルト、シューマンやメンデルスゾーンの小品を聴いてみてください。バックハウスに対するイメージがガラリと変わるはずです。彼は紛れもなく「ピアニストの歴史上、最高ランクの名手の一人だった」と納得頂けると思います。

    8人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/07/15

    面白かった。
    他の方々のレビューにある「充実」が、どういう意味かはわからないが、「名職人としてのカラヤンの最高例」だと思う。この演奏、ご本人が存命であれば「廃棄を命じた」のではなかろうか?なぜなら、第一楽章の再現部近くて「アンサンブルが崩壊している。それもホルンがリードすべき箇所をド忘れした結果」である。その後も、いくつかの箇所でホルンの音程が不安定になる。また最終楽章の冒頭も「危なっかしい」こと、この上ない。つまり「あのベルリン フィルが信じられないミスをしている」のだ。
    指揮者のせいなのかオケのせいなのかはわからない。が、第3楽章の、文字通り「充実ぶり」は素晴らしい。また最終楽章の「ケリのつけかた」も、である。カラヤン自身は「ミスを犯さない完璧な大指揮者」という虚像を追い求めたが、カラヤンの最も素晴らしかった点は「どんなハプニングが起ころうと立て直し、確実に素晴らしい結果を残せる」名人芸(フルトヴェングラーやトスカニーニ、クナッパーツブッシュが持っていた)にあったのだ。この録音はそれを示す「好例」である。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 22人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/07/11

    DGからは約25年ぶりの再発ということになるだろうか?
    前回のDG全集は確か40,000円近かったと記憶しているが、今回はDecca録音も
    含めており、価格面では「お買い得」且つ隔世の感がある。
    しかし問題は中身だ。DGは生前のフルトヴェングラーも(EMIより)好感を抱いていたメーカーであるにもかかわらず、LP時代から「フルトヴェングラーの録音」に関して「即、廃盤。なかなか再発売しない」という「粗略な扱い」をしてきた。シューマンの4番に代表されるスタジオ音源以外にベートーヴェンの5番やブラームス1番という「最高のライヴ音源を発掘した」功績があるにもかかわらず、である。
    今回の再発売は「大歓迎」だし、普通なら「当然買いなおし」をするだろう。
    しかし如何せん情報が少なすぎるのである。「新たな音源の発見は、もはや殆ど期待できない」とはいえ「リマスターによる音質向上」の余地は十分あり得るはずなのだ。また、LPからCDへの転換の際に「チャイコフスキーの悲愴」では「冒頭部分欠落」、シューマン4番では「楽章間の無造作なつなぎ」という初歩的な編集ミスがあったが、今回それらが「修正、改善」されたのかどうか。
    それら詳細な情報を公開して頂き、もし「改善されている」と明白になったならば「将来に残す宝として即時再購入」するのだが・・・・。

    22人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/05/02

    遺憾なことに録音が悪過ぎる。先般、ベルリン フィルが復刻した「フルトヴェングラー 帝国放送録音」に含まれていた未完成交響曲の第2楽章(新発見のもの)より聴き辛い。修復に非常な努力をしたであろうこともわかるだけに残念である。想像力で補わなければならないが「おそらく大変な名演奏だったのだろう」という点を考慮し星3つとした。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2019/01/01

    最高に素晴らしい復刻である。私が初めて「フルトヴェングラー の戦時中録音」をきいたのは1970年、ユニコーンの「栄光のフルトヴェングラー 」だった。しかし、当時はソ連製LPの稚拙な複製に過ぎず、その真価を理解出来なかった。ようやくまともに聴ける状態になったのはグラモフォンのCDだが、今回の復刻は今迄のものを遥かに上回る。まるで、実際に旧フィルハーモニーに座っているかのような臨場感が味わえた。再度言いたい。「素晴らしい復刻である」と!

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/11/06

    このところINAからは素晴らしい音源が続々と発掘されてきた。これもそのひとつ。1960年のステレオライブという非常に珍しい音源である。演奏内容も期待に違わぬ名演奏である。殊にマルティヌー。オーケストラも非常に自発性をもって演奏しており、且つ極めて情熱的に演奏されている。ショパンも「さすがハスキル」というべき演奏だ。これほど伸びやかな歌心に満ちた独奏は滅多に聴けるものではない。但し、録音に少々難がある。オケはよく録れているのだがピアノは低音が響きすぎて、高音のきらびやかさが今一つ収録できていない。ベートーヴェンは一時代前の典型的演奏で、一見何の変哲もないように聴こえるが、聴きすすむにつれて「腰の据わった」充実感を味わうことができる。ドイツオケの「緻密な合奏」ではなく、各パートが「争うように」先に行こうと弾いており、それをクーベリックが「格闘しながら(もともと、器用なバトンテクニックではない人だった)」手綱を引き締めている様子が手に取るようにわかる。演奏会場での一期一会の体験であれば「最高の感動」味わえたであろうと思う。演奏は文句なく星5つに相当するが、ショパンのピアノの録音の故に遺憾だが「星4つ」とさせてもらった。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/09/17

    この1952年12月8日の演奏は、フルトヴェングラー の数ある「英雄」の一つの完成形だろう。世評では11月のウィーンのスタジオ盤が完成形として定着している。しかし最終楽章のコーダでのホルンの強奏は、何度聴いても全体から乖離している。その点、このベルリン盤は同じ方法論に立っているが、より全体が有機的であり、ライヴの破綻もない。それをAuditeのSACDは最高の音で聴かせてくれた。この音に匹敵するのは仏フ協会CDのみである(機会があれば一度聴いてみてください)。しかし、この定期公演には興味深い問題がある。実は、前日の演奏会での「英雄」も残っているのだが、なんと演奏時間が第1楽章、第2楽章とも1分程短い。「英雄」トータルでは3分程の差がある。「英雄」だけでなく「魔弾の射手」も7日の演奏の方がテンポが速い。この違いは何故生じたのか?この謎を論じた論文は一切存在しない。私は「フルトヴェングラー の気力、体力」に原因があったと思う。つまり7日の方が体調が良かったのではないだろうか?結果、7日の「英雄」は1944年の演奏をも彷彿とさせる「最高のフルトヴェングラー 」となっている。正直言って、私にとって最高の「英雄」は「フルトヴェングラー 指揮ベルリン フィルによる1952年12月7日の演奏」なのだ!そこでAuditeにはSender Freis Berlinのテープ復刻も是非お願いしたい。それによって「フルトヴェングラー の戦後ベルリンでの活動」の全体像が明らかになるのだから。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/09/16

    ここに収録されている演奏は、フルトヴェングラー のライヴ録音の中では「最も状態の良いもの」に属する。特にブラームスの3番、ヴァーグナーのトリスタンは「一皮むけた」明瞭な音となっている。フルトヴェングラー の演奏に限らず「名演奏の記録」は「再生音次第で印象が変わる」場合がある。私の場合、カラヤン、チェリビダッケ 、ムラヴィンスキーの「生演奏を体験した」ので尚更「そう感じる」のだが、だからこそフルトヴェングラー の演奏こそ「実際に鳴っていた音」を知りたいが為に「リマスター」「SACD」が発売される度に買い直してしまう。その点Audiceのフルトヴェングラー シリーズは素晴らしい。今回も「ブラームス3番、トリスタンの1954年盤は枯れている」という従来の印象を見事に覆し「血の通った熱のある演奏である」ことを教えてくれた。また、1949年演奏のマイスタージンガー前奏曲、ジークフリートの葬送行進曲の「音」の改善ときたら!感謝以外のなにものでもありません。

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2018/06/01

    私にとっての「クナッパーッツブッシュのブルックナー」は、先年亡くなられた評論家先生がお書きになっておられたような(「もっともっと凄い」とか「阿修羅のごとき」とか「命を懸けた遊び」とかいう意味不明な言葉を連ねつつ、要は・・・)「最高なんだ。わからん奴は馬鹿だ」というようなものではない。「極めて問題が多い演奏である」と言わざるを得ない。その理由は「クナッパーツブッシュは生涯、改訂版しか演奏しなかった」ことである。改訂版は、確かにブルックナー自身が「生前に認可」したものかもしれない。しかし5番の改訂版などは、あきらかに「構成上のバランスを破壊」してしまっている。つまりクナッパーツブシュにとって、ブルックナーを演奏する際に大事だったのは形式感、構成感ではなく「響き(それもワーグナー風の)を純粋無垢に鳴らし、楽しむ」ことだったのではないだろうか?但し・・・7番はブルックナーの交響曲中、版についてはそれほど大きな問題とはならない曲である。原典版と改訂版の違いは、殆どの人には「Adagio楽章のクライマックスのシンバル」くらいしか判別できないだろう。つまり7番は「クナッパーツブッシュのブルックナー」の賛美者だけでなく懐疑的な人にとっても「あらためて聴きなおす」には最適な曲なのである。今回発売されたOrfeo盤はクナッパーツブッシュのライヴの中でも最高級の音質といっていい(これで、昨年発売された「Seven seas原盤」という「劣悪な海賊盤」には存在価値が無くなった)。彼が「ブルックナーに求めた響き」を見事にとらえている。そして、その響きを虚心坦懐に楽しむことによって(「ブルックナーの世界」とは言い難いが)「クナッパーツブッシュのつくりだす世界」に浸ることができる。昨今の演奏芸術では「もはや体験できない」貴重なものがここにはある。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 12人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/12/11

    私はこの「オリンピック原盤フィリップス発売のLP全集」を買った世代の一人である。確か1973年末か74年初だったかな?まだ中学生だった私はお年玉をためて、期待に満ち溢れて買ったのを思い出した。なにせ「あの2番が発見された」という売り文句だったのだから尚更だった。
    しかし第一印象は「その音の酷いのにあきれ返った」だった。エロイカだったか田園だったかにはテープの弛みからか「ワウ・変調」があり、特に音楽に興味が無かった両親にさえも「何これ。戦争前の壊れた蓄音機で聴いてるみたいだなあ」と大笑いされた苦い思い出がある。しかし「フルトヴェングラーの、有難い新発見録音」と我慢して聴いていった。
    まず腹がたったのは8番。ストックホルム盤は確か前年夏にEMIから発売されていたが、それと同じ演奏だったのだ。この程度のインチキは中学生にだって聴き取れる。で更に「2番の偽物発覚事件」へと続いたので、そのLPはそれっきり聴かずに放っておいた。
    「ところが」である。先般出版された平林氏の本には「棄てがたい録音」「しっかりした音」と書いてある。「変調」についても記載されていたが、その本を読んだ私は「そうだったっけ?当時持ってたステレオ装置が安物だったからかな?」と考え込んでしまった。
    そこに今回のCD発売である。あの時から43年近い月日が流れ、中学生の頃とは違い「この演奏を再び買い直してみる」くらいの経済的余裕は(当然)ある。で、「懐かしさ」も手伝い、今回買ってみた。さて聴きなおした感想は残念ながら・・・「昔、自分が抱いた印象は正しかった!」である。これを「しっかりした音」と感じるかどうかは、個人的趣味の問題としか言いようがない。
    しかし、「プラスの気付き」もあった。
    *ここに収録されたRAI録音の約一年半後に行われた「リング」全曲録音に至るまで、RAIオーケストラが如何にフルトヴェングラーの指揮に順応(上達)できるようになったか(がんばったんだなあ)!
    *へえ?ニセモノの2番ってこんなによく聴こえてたんだ!ホンモノ(と認定されてる)の1948年盤より聴きやすいじゃないか!
    以上2点である。しかしいずれもフルトヴェングラーと「この演奏」に関係ない感想でしかないが・・・。
    まあ、初老男がノスタルジー浸る「ほんの些細な楽しみ」は得ることができた。

    12人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 10人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/11/24

    マンフレッド序曲が鳴り出した時、あまりの音の分離の良さに「もっと後の時代の演奏か?」と思ってしまう程の素晴らしい録音状態だった。しかし冒頭の3つの和音の鳴らせ方、そして再現部でのテンポの伸縮はまぎれもなくフルトヴェングラーである。以上のように、録音状態は「今まで発表されたフルトヴェングラーのライヴ録音中最高の部類」と言っていい。「ベルリンでの状態の良い放送録音」が「ホールの真ん中からやや後ろ」で聴いているような音であるのに対し、このauditeの音は「指揮者の真後ろ。前列から5列目あたり」で聴いているような印象である。演奏もシューマンの交響曲はベルリンでのセッション録音に匹敵する名演だし、ベートーヴェンのエロイカも秀逸(個人的には1952年12月7日の演奏が好きだが)。このテープの発見まさに「快挙」である。
    auditeにはルツェルン録音の再調査を是非とも期待したいものだ。ベルリーオーズの「ファウストの業罰」、ハイドンの「天地創造」、バルトークの「オケコン」、せめて同じ1953年のエドウィン フィッシャーとの共演が残ってないものだろうかと思う。
    但し、苦言を一つ。なぜ「当日の演奏順」に並べなかったのだろう?「歴史的事件の忠実な再現」と言う意味でも、こういった気配りは是非お願いしたいものだ。

    10人の方が、このレビューに「共感」しています。

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