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mikikiyosi さんのレビュー一覧 

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     2014/09/21

    志(こころざし)のある演奏だ。ザンデルリングの愛するハイドンとブラームス。通常別プログラムが組まれる「定期演奏会」・「名曲コンサート」、この時は両者を同一曲目にして練り上げた演奏の読響。高みを目指して最良の演奏をしようという志が感じられる。ハイドンの冒頭からアンサンブルの良さが際立つ。端正さとユーモア(特に有名な4楽章)に満ちている。ブラームスは重心が低い。ティンパニーもマイルドな響きと鋭い響きを使い分けている。ザンデルリングの特徴の一つが血と肉になっている。落ち着いたテンポで始まり、終曲に進むにしたがって高揚感も十分である。山岸博率いるホルンチームが豊かな響きを醸し出している。読響は指揮者によって大きく変わるオーケストラではないか。このディスクには、読響の最良の演奏の一つが記録されている。アナログ録音、さらにおそらくワンポイント録音(この頃の読響のコンサートのほとんどは、ただ一組のマイクが吊り下げられていた)が、音の分離よりもマスとしての響きを重視したザンデルリング、そしてそのザンデルリングへの尊敬の念を音に込めた読響を支えている。SACD,ブルーレイオーディオでも聴いてみたいものだ。

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     2012/12/25

    パウロ6世オーディエンスホールは7000人を収容するのだそうだ。普門館でも5000人だから、その広さゆえバイエルン放送は収録に苦労したに違いない。ドキュメンタリーには、合唱団をオーケストラに近づけたいとするヤンソンスとカメラ・マイク配置とライティングをすでに決めているからという理由でそれに反対するブライアン・ラージが映し出されている(コンサートもののラージは個人的にはあまり好みではない)。
     
     
     また、同じドキュメンタリーによると(ケースにも記載されているが)、このDVDは完全なライブではなく、本番当日のドレスリハーサルも編集用に収録したのだそうだ。一日に第九を全曲2回演奏するのは大変だろうと思う。

     
     ソリストのうちテノールのシャーデとバスのフォレは今年の来日公演(第九は2012年12月1日・2日に演奏)と同じである。また、来日公演では両日ともにオーケストラは対向配置(コントラバスは左後方)だったが、本DVDではステージ左から、第一・第二バイオリン、チェロ、ビオラと並びコントラバスは右奥に配置されている。面白いのは第4楽章が始まって10分あたりでピッコロなどが行進曲風に演奏するところで、トランペットがオーケストラから離れたところで吹き始め(来日公演では舞台裏で吹き始め)奏者が歩きながら次第にオーケストラに近づくという音響上の工夫がなされているのだが、この部分をラージは一瞬映し出すだけにとどめているのが少し残念。

     
     演奏は、バイエルン放送響のあたたかい音色とヤンソンスの細部まで神経の行き届いたデリカシー、推進力を併せ持ったもので素晴らしい。ソリストも上手い。合唱団の実力も超一流なのは言うまでもないが、もっとはっきり聞こえるように収録・編集してくれてもいいかなと思う。バイエルン放送合唱団は人の声の素晴らしさを再認識させてくれる。

     
     このDVDもぜひお勧めしたいのだが、来日公演のベートーベンチクルスがブルーレイとして発売される予定だと聞いた。映像はNHK、音声はバイエルン放送の技術者が担当したらしい(12月1日の収録では前半のプログラムである第八交響曲と後半の第九交響曲でマイクのセッティングを微妙に変えていた)。これは期待大だ。ヤンソンスの解釈も進化しているし、ブルーレイの音声が素晴らしいからだ。

     
     それはともかくとして、本DVD は、ベネディクト16世の御前演奏という意味だけではなく、純音楽的にも面白いものである。

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     2011/05/22

    是非、多くの方に聴いていただきたい。このセットには7曲の協奏曲が収録されている。シルビア・マルコヴィチのヴァイオリンは、繊細で潤いに満ちた響きなのだが、そこには常に冷静さが感じられる。そこから立ち上る気品は尋常ではない。マルコヴィチの演奏する有名な協奏曲は、BISから出ているシベリウスくらいなので、DOREMIからのリリースはうれしい限りだ。チャイコフスキーとブラームスはもちろんいいのだが、インバルと組んだベートーヴェンの説得力は、ライブらしい緊張感を伴い最高である(その意味で、2010年にインバル・東京都交響楽団と予定されていたドボルザークのコンチェルトがドクターストップでキャンセルされたのは残念)。ただ、マルコビッチの品格がよく合うサン=サーンス(1993年収録)なのだが、これだけは、マルコヴィチ自身の水準に達していない。1985年にスイス・イタリア語放送O.と共演した際の演奏の素晴らしさには及ばないのだ。3枚目のDVDはテレビ放送からのソフト化なので、音質・画質はそれなりだ。しかし、演奏はブリリアント。その中でもバルトークの2番は、3曲の映像の中で特に素晴らしい、凄みのある演奏だ。演奏する姿も見た目に楽しい。
    今回は、VOL.1となっているので続編を期待してよいのだろう。サン=サーンスは前述の1985年の演奏、チャイコフスキーは、1980年12月20,23日のハーグ・フィル、1997年スイス・イタリア語放送O、またシベリウスの協奏曲は1976年フランス国立Oとの共演がそれぞれ映像として残っているようなので、発売してほしい。また、ストコフスキーと1972年6月14日にライブ収録したグラズノフの協奏曲(DECCA)が現在は手に入らないので、再発をお願いしておきたい。さらに、以前ルーマニアのレーベルElectrecordから、1972年にセッションレコーディングされたブルッフとグラズノフの協奏曲が、LPで発売されていた(共演はジョルジュエネスクフィル)。グラズノフがストコフスキーとの録音時期と極めて近いからだろうか、CD化はされいない。そのほかにも、マルコヴィチは室内楽もやっているので聴きたいものだ。そして、できれば、マルコヴィチにライブだけでなくセッションレコーディングをしてもらいたい。つい、望むことが多くなってしまった。それほど素晴らしいマルコヴィチである。

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     2011/01/17

    SDG501として地元で発売されたものです。コンサートの直後にスピードリリースされ、おそらく無編集だと思います。ノンビブラートによる爽やかさと同時に歌心に溢れています。39番のメヌエットでは、即興風の装飾があります。ジュピターでは第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンの掛け合いの心地よさも魅力です。ライブ収録の推進力とディスクとしての完成度を兼ね備えています。即興風の装飾音も何度聞いても嫌味がありません。録音も優秀で分離がよい上に、ティンパニーの音にも潤いがあります。終演後の聴衆の反応がこのコンサートの素晴らしさを物語っています。

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     2009/06/29

     ヴィヴァルディの合奏協奏曲(1954年録音)は、1989年にCD化されています。intercon music SOCD1025です。カップリングは今回と同じロッシーニの他、バッハのブランデンブルグ協奏曲2番とパッサカリアとフーガでした。H.Frankによるとロッシーニのソナタ3番はアメリカ初演です。

     メインの2曲については、以前出ていたCDと比べて新鮮な音質になっています。LPの情報が精確に復刻されているという印象です。前述のCD1025は若干のステレオプレゼンスがありましたし、ストラディヴァリウス(ロッシーニのソナタ収録)は24ビットリマスタリングを謳っていたものの、きめ細かさに欠け、少しうるささを感じました(おもしろいことに、このストラディヴァリウスのCDはグラモフォンのハノーヴァー工場製です)。

    今回のopus蔵のトスカニーニの演奏を聴くと、必ずやロッシーニのソナタ全曲、あるいはヴィヴァルディの合奏協奏曲全曲が聴きたくなるでしょう。

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