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葉月 さんのレビュー一覧 

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     2015/12/05

    東京におけるこのコンビの全曲演奏会も実に素晴らしいものでした。オッコ・カム氏とは不思議に縁があって(頻繁に来日される方でもあるので)、生演奏に接したのもかなりの数になるはずですが、いつかはぜひシベリウスの全集を、と心待ちにしていました。記憶に間違いがなければ、第4番の録音は初出ではないでしょうか?
    演奏は終始あたたかい眼差しにあふれており、いたるところで聴き手に優しく微笑みかけてきます。シベリウスというのは、特に後期の曲で顕著ですが、非常に精密なスコアを書く作曲家ですが、それは全体の流れを自然に感じさせるための微妙な色の変化を追求したもので、スコアの形をテクニカルに演奏すべきではない、というのが生意気ながら自論なのですが、カム氏の演奏がまさにその通りではないでしょうか。現代はシベリウス演奏の追及も目覚ましく、聴き手を酔わせる絶妙な表現をする演奏家も増えましたが、カム氏の演奏はそれらとは対極にあり、飾らず素朴で、どこまでも自然です。しかしそれこそがシベリウスが追い求めていたことではないだろうか、と思えてならないのです。
    わたしにとっては、剛毅で男性的なギブソン氏のものと並んで、全集のベスト2になりそうです。

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     2011/01/25

    ラフマニノフの第1交響曲は、ひょっとすると彼の最高傑作かもしれない作品。というのは言いすぎとしても、彼がいかに才気あふれた作曲家であったか思い知らされる作品で、『巨人』のわずか数年後、二十歳そこそこの若者の手によって書かれた事実は驚異以外のなにものでもない。この交響曲が気になり始めて十数年、実に色々な演奏を聴いてきたが、いまだに真打ちと呼べる演奏には巡り合えていない。あえて一つといわれればこのキタエンコ盤。ラフマニノフの代名詞ですらあるスヴェトラーノフの新旧を上回るできばえで、第1番に限って言えば文句なしの星×5。続く第2番も素晴らしい。第3番は楽節の処理がぎこちなく、フレーズが切れ切れに聴こえがちなのが残念。録音は、80年代(と思う)のメロディヤ特有の強引にリバーブをかけたようなフシギな音響で、繰り返し聴いているとちょっとつらいが、ひょっとするとこの新プレスで改善されているかもしれない。それはそうと、このコンビは「交響的舞曲」は録らなかったのだろうか。

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     2011/01/03

    「新時代のベートーヴェン」の評判はまさしくその通り。ベーレンライター版を用い、奏法もいわゆるピリオド奏法に準拠しているが、解釈はロマンそのもの。というか、ベートーヴェンはそのように演奏するほかないと思うのだが・・・古楽分野の演奏の中には、あまりにも学術的・説明的な演奏に終始するものも少なくないが、このコンビの演奏にはすみずみまで息づく生命力がある。時々出てくる恣意的な楽節の処理が嫌味に思えないこともなく、また演奏全体をみて果たして美しいのかどうか、という問いかけに答えるにも10年ばかりの時は必要であろう(映像ではなく実演に接していた場合はそんなことも考えなかったに相違ない)。しかしこの演奏が紛れもない「本物」であることには、疑問をはさむ余地はない。取り分け偶数番号が出色であり、中でも第2番と第4番は空前にして絶後である。カメラワークもたまにせわしないことをのぞけば非常に優秀で、ライヴの臨場感や、指揮者と奏者達の音楽への想いを手に取るように感じさせる。

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     2010/11/05

    ボツスタイン盤しか聴いたことがなく、噂のプロヴァトロフ盤を是非耳にしたい、とかねてから念願していた。ボツスタイン盤のロンドン響も、スタミナ無尽蔵の金管群が好演しているが、全盛期のロシアオケの音はやはり凄まじい。旧ソ連音楽はこうでなくては。第1番はショスタコーヴィチに傑作第4番を書かせるきっかけともなった作品で、初演後1980年代までお蔵入りとなったその後の経緯も良く似ている。恐ろしく張り詰めた響きを持つ作品で、様々な要素が入り乱れるショスタコーヴィチよりも表現の集中力は上かもしれない、とさえ思わせる。社会主義リアリズム路線に転換してからの第2番も、一般に判り易い平明な音楽と評されているが、良く聴けば一筋縄ではいかない。終楽章のクライマックスに、ショスタコーヴィチ第5番のラルゴと似たような慟哭の響きを感じるのは私だけだろうか。

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     2010/10/07

    第3番は第2次大戦や、ソヴィエトによる祖国占領という困難な時期に書かれた作品で、時代を反映した感のある高いテンションの音楽。数年前に発表されたウォルトンの第1番にも通じるものがある。ジャズへのアンチテーゼとされる第6番も、ストラヴィンスキー風北欧音楽ともいうべき大胆な色彩で作り込まれている。トゥビンは近年知られるようになってきたが、20世紀前半に活動した交響曲作家としての筆力は、RVWやショスタコーヴィチに匹敵する。もっともっと聴かれて良い。演奏は、第3番は父ヤルヴィ盤に1日の長があるが、第6番はこちらに軍配を上げたい。

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     2010/10/06

    第6番はわたしの特に好きな曲で、それだけに全てに納得できる演奏にはまだ出会えていないのだが、どれか一つといわれればまず上げるのがこのカム盤。カム氏は懐の暖かな指揮者だと思う。評判のヴァンスカ盤や才気溢れるサラステ盤などに比べて、その暖かさのせいか素朴で大らかな作りなのだが、それがかえって第6番の孤高の魅力を引き出しているように思う。第3番も共感溢れる演奏で、同氏のグラモフォン盤より数段上。オケも素晴らしい。スタジオ録音ならいざしらず、実演での再現がもっとも難しいと思われるこれらの曲を、遠征先のライヴでよくぞここまで・・・。そういえばカム氏は、ラハティ響のシェフ就任が内定しているそうだが、シンフォニー全曲録音とかしてくれないだろうか。

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     2010/10/06

    フランクのシンフォニーというのは非常にユニークな存在。聴き手に媚びるような部分は一切無くて、ただひたすらに自分の信じた響きを構築して行く。そういう意味でとっつき難いのだが、反面気持ちがついて行く時は、純器楽の作品として歴史上並び立つ作品は皆無、と思えたりもする。わたしがそんな捉え方をしているせいなのか、好きな演奏は多けれど今まで「これだ!」という演奏にはめぐりあえなかった。このアーロノヴィチ盤に出会うまでは。
    最初の一音から終わりまで、これぞフランクのファンタジーそのもの!圧倒的!もう何度も聴いているが、その度に夢中になって聴き通してしまう。オケも振る人によって別人のようになるオケだが、アーロノヴィチの魔力によって精度・テンションともに素晴らしい状態。オススメです。

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     2010/09/16

    圧倒された、その一言。個人的には「戦場の〜」よりこちらが好き。重いテーマなので度々見ることにはならないが、大評判にもなったラスト数分間は繰り返し何度も見てしまう。わたしもアマチュア畑の演奏家だが、音楽とは何か、演奏とは何か、つくづく考えさせられる映画だ。

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     2010/09/16

    ガーデ(ゲーゼ)はラフと並ぶ、シューマン&メンデルスゾーンとブラームスの間を埋める「谷間の世代」のシンフォニスト。またベルワルドと共に北欧最初期の大家でもある。近年見直しが進んでいるがもっと注目されても良い。師とも仰いだメンデルスゾーンの影響が強いが、大胆なティンパニを初めとする華麗なオーケストレーション、北欧ならではの清冽な響きが魅力的。師の音楽が後半生で北方色を強くしたのもガーデとの出会いがあったからではなかろうか・・・。メンデルスゾーン好きなら是非。
    壮年期の父ヤルヴィの演奏も覇気に溢れ、オケも(当たり前だが)北欧の気質が良く現れていて素晴らしい。

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     2010/09/14

    珍しいYANNIのカヴァー。こういうアルバムが成立してしまう所にも、アメリカでのYANNIの凄まじい人気ぶりが伺える。Strings Quartet の表記であるが、基本的にエレクトリックが使用されているようだ。原曲重視のアレンジで、質も良いのでYANNIファンなら聴いても損はないが、あくまでも正規のYANNIアルバムに親しんでいる人向けと言えるだろう。

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     2010/09/10

    NHKみんなのうたでオンエアされていた「名もなき君へ」目当てで購入したが、プログレ風アレンジのバックが盛り上げる1曲目、重厚かつグルーヴィーな4曲目など、大変魅了されてしまった。夏川りみさんをすこしくすませたような、抑制されたトラディショナルなヴォーカルが素晴らしい。

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