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　2020/12/22

アレンジが目立ちすぎたり、ときに歌い方に色気を付けて雰囲気を盛るような、カバーにありがちな傾向は全くなく、ストレートに感情が刺さってくる。
きっとそれは、ロングトーンでもビブラートを抑えた歌声に秘密があるのだろう。

歌声よりサウンドの目新しさを追求した音楽が巷に多く溢れる今だからこそ、そんな特徴が際立って聞こえる。

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　2012/05/02

シューベルトは聴いてて飽きない演奏が名演奏と思う。この演奏はその要因を大きく３つもっている。ひとつは各モチーフが多層的に活きるように楽器バランス設定されていること。もうひとつは、恣意的な感じを抱かせないレベルで各所で微妙にテンポ変化させていること。最後は歌が死なず、また弛緩もしない程度の基本テンポ設定がなされていること。
すでに所有している音源が、素晴らしい演奏だけど解釈が独特すぎるとか、昨今の流行で楽譜どおりの学究的アプローチでなにか物足りないとか、そんな思いをされている方にお勧めしたい演奏です。

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　2009/07/31

誠実。1音1音に対して感情に流されることなく、どう弾くべきかが事前に綿密に考えられている。強い音もヴァイオリンが美しく響く上限の力に制御されている。音色は多彩とは言えないが、決して無機的ではない。こういう一見地味だが滲み出る演奏は、女性ヴァイオリニストでは聞いたことない。恐るべし。シェーンベルクもゲンダイオンガク的でなく、モチーフが適度に浮かび上がり、初めて楽しく聴けた。