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Masahiko さんのレビュー一覧 

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/11/25

    エゴン・ヴェレスはオーストリア生まれの作曲家で、シェーンベルクの弟子でもあり、ウィーン音楽院やウィーン大学での教職と同時に多くの作品を残していますが、ユダヤ人であったためにナチスによるオーストリア併合後はイギリスへと渡り、オックスフォード大学の講師になっています。

    この9曲の交響曲は第二次世界大戦後に書かれており、重厚で真摯に訴えかけてくる作風は同じ時期に8曲の交響曲を残したカール・アマデウス・ハルトマンにも通ずるものがあり、ハルトマンと並んで20世紀半ばの重要な交響曲作家と呼んでも差し支えないでしょう。しかし聴いていて驚かされるのは、戦後のイギリスで書かれたとは思えないくらいの”世紀末ウィーン的”な濃密な曲想です。その作風はベルクのように濃厚かつ劇的であり、もしベルクが12音音楽へと進まず、無調様式のままで交響曲を書いていたらこのような曲になっただろうと思わずにはいられません。

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     2009/11/25

    グヴィは1819年7月3日に今のザールブリュッケンで生まれましたが、この地域も歴史的にフランスとドイツの間で帰属が何度も変わっていて、グヴィが生まれたときにはプロイセン王国の支配下でした。32歳の時にフランスの市民権を得、フランスではベルリオーズが賞賛し、ドイツではブラームスから高い評価を得るなど生前は一定の評価を得ていましたが、亡くなってからは忘れられ、その作品が再評価されるまでは100年近くかかっています。

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     2009/11/25

    「オデュッセウスの流浪の旅」は彼が20代前半の1901年から1905年にかけて書かれた、ギリシア神話の英雄オデュッセウスの波乱に満ちた物語を描いた全4曲、90分近い大作です。ホメーロスの叙事詩「オデュッセイア」の主人公でもあるオデュッセウスはイオニア海に浮かぶイタケーの王であり、トロイア戦争に参加し勝利を得るものの、神々の怒りを買い、妻子が待つ故郷イタケーへ容易に帰る事が出来ず、地中海をさまよい続け、様々な苦難の末にようやく故郷にたどり着きました。



    音楽はこの物語に沿って進んで行きますが、これぞドイツ・ロマン派の王道といった感じの豊かな音色、息の長いメロディはまさにワーグナーやリヒャルト・シュトラウス直系のものです。と同時に標題的な面を抜いても、豊饒な響きの中にも一本筋の通った堅固な構成をもち、90分近い大曲でも長さを感じません。その充実感はまるでブルックナーの交響曲、特に交響曲第8番と同じくらいに感じました。この2枚のCDに収められている他の管弦楽曲も同じように素晴らしく、もしベーエが作曲を続けていたらどんな作品が生まれていただろうかと考えずにはいられません。

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     2009/11/25

    全体的に穏やかに流れてゆくけど、合唱とオーケストラが紡ぎ出す歌は穏やかな中にも時には雄弁に、時には大胆に、また時には哀しくなるくらい内向的で、第1章(入祭唱とキリエ)や第5章(神羊誦)での真摯な祈りの歌、一転して劇的な表情を見せる第2章(続唱)等、聴いていて心動かされる瞬間に満ちています。独唱の出番は少ないけど、ここぞという場面で心の奥底まで届くような祈りの歌を紡いでます。間違いなく、過去の偉大な作品と比べても遜色ない大傑作だと言えるでしょう。


    作曲者ゆかりのエアフルトにおけるライヴ録音で、合唱がややオーケストラに押され気味な部分もあるけど、豊かな響きの素晴らしい演奏を展開しています。アルブレヒトの指揮も曲の奥深い魅力を自然体で表現しており、非常に好感持てます。

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     2009/11/25

    リヒャルト・ヴェッツ(Richard Wetz)は1875年2月26日にドイツのグライヴィッツ(現ポーランド、グリヴィツェ)に生まれました。特に音楽的な環境の元に生まれたわけではなかったが、8歳の頃までに独学でピアノを学び始め、その後ライプツィヒやミュンヘンで音楽や哲学、心理学などを学び、1906年からエアフルトの音楽協会の会長に就任し、亡くなるまで当地にて音楽活動を続け、教授職や執筆(ブルックナーやリストやベートーヴェンについての著作があります)等を行っています。学生時代にはヘルダーリンやクライストやゲーテの研究をしたり、ショーペンハウアーの哲学の支持者となっています。

    この交響曲第2番は1919年に書かれていますが、内容的には遅れてやって来たロマン派そのもので、同じ時期にロマン派的スタイルを保ち続けたリヒャルト・シュトラウスやプフィッツナーよりも古風に感じます。よくブルックナーに例えられる事も多いヴェッツですが、この曲はブルックナー風な壮大さや素朴さとはひと味違う叙情性が優っています。牧歌的な穏やかさをたたえながら徐々に壮大さを増してゆく1楽章やブラームス風の憂愁さを秘めた2楽章など聴かせ所がおおいけど、音楽史的に無名の作曲家でもこうした重量級の交響曲を残している所に独墺系のクラシック音楽の層の厚さをうかがうことが出来ます。

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     2009/11/25

    「遅れてやって来たロマン派」ヴェッツの最後の交響曲となるこの曲は1920年8月より2年ほどかけて書かれてますが、ブルックナーの影響を強く受けていると言われるヴェッツの作品の中では特にその印象が強いです。もっとも、ブルックナーの後期の交響曲に聴かれるようなどっしりとしたものよりは初期の交響曲(交響曲ヘ短調、第0番、第1番、第2番)に聴かれるような荒削りな部分の印象の方が強いですけど・・・不安な感じの序奏で始まり、弦によるごつごつとした鋭角的な主題が全曲に渡って重要な要素となっている所などブルックナーと瓜二つですが、決してその亜流に陥ることなく、無骨でも確かな自己主張しているところはさすがだと感じます。

    こうして聴いていると、改めてクラシック音楽の驚くほど広大な世界についていろいろ考えさせられます。

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     2009/05/05

    この交響曲は1869年2月19日にディートリヒ自身の指揮で初演され、すぐにブレスラウ(現ポーランド、ヴロツワフ)やロッテルダムなどの都市で再演されています。伝統的な4楽章からなり、弦楽器を中心に堂々と開始される1楽章、シューマン風のファンタジーが見え隠れする2楽章等、幻想的な表情と重厚で劇的な表情を持ち合わせた作品でありますが、何より素材が魅力的なために聴いていて飽きることがなく、聴き応えたっぷりの印象深い作品です。

    一緒に録音されているヴァイオリン協奏曲とホルンとオーケストラのための序奏とロマンスも、

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     2009/05/05

    プフィッツナーは三曲の交響曲を残していますが、この曲は1925年に書かれた彼の弦楽四重奏曲第3番をオーケストラ用に編曲したものです。少々くすんだ響きの中で瞑想的なモノローグが延々続く感じですが暖かさも感じられ、シューマンやブラームスの様式の延長線上にあると感じます。特に両端楽章に聴かれる厳粛さは保守派の論客としてならしたプフィッツナーらしいと思いました。

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     2009/05/05

    アルヴェーンの作品というとスウェーデン狂詩曲第1番「夏至の徹夜祭」が飛び抜けて人気があるけど(聴き始めてほんの数秒で「ああこれ!」と分かります)、生前は画家としても活躍しただけあって、どの作品も鮮やかな色彩感が魅力です。特に5曲の交響曲はもっと演奏されるべき傑作ですし、より著名なシベリウスやニールセンの交響曲にも引けを取らない確かな存在感を示しています。

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     2009/05/05

    ヴァルヒャの解釈はもはや孤高と言うべきもので、淡々と進む中に輝かしさ、重厚さ、荘厳さ、素朴さに溢れています。またオルガン音楽独特の複雑に絡み合う旋律線が淀むことなく流れてゆくのも、どっしりとした存在感を醸し出していると思います。明快さ故に、重厚な姿がはっきりと現れるのです。

    慈しむように演奏されるコラール前奏曲、壮大な前奏曲、トッカータ、フーガ等々・・・本当に生涯の宝物と呼んでいい作品ばかりですが、最晩年の大作「フーガの技法」の神々しさは、聴いていて襟を正さずにはいられません。

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     2009/05/05

    この初演に参加したある合唱のメンバーは、「今までに受けたことがないほど豊かに美しく、希望に溢れた気持ちを授かった」と書き残していますが、この曲の印象を的確に表しています。とにかく曲全体を通して穏やかで、救い主の降誕を待ち望む気持ち、降誕の喜びが素朴に、慈しむように歌われ、オーケストラも小規模で(オーボエ1、ハーモニウム1、オルガン1、弦楽合奏)、美しい歌を抱き締めるように優しく奏されます。

    心洗われるような曲の心洗われるような演奏、まさに掛け値無しの素晴らしさです・・・

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2009/05/05

    珍しく北欧系の演奏家によるスクリャービンの録音ですが、これがまたずいぶんとロマンティックで優男なスクリャービンに仕上がっています。ロシア系の演奏家による重量感たっぷりで豪快な演奏とは一線を画した繊細な表情付け、力任せでない自然な強弱の対比は時としてフランス印象派の作品さえ思わせるほどです。やれニーチェ哲学だ、神智学だと神秘主義的な面でのみ語られることの多いスクリャービンだけど、そうした面を抜いて音楽だけにじっくり向き合って見ると、様々な楽器の様々な音色を自在に操っていたり、独特のリズム感など聞き飽きる事が

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     2009/05/05

    序曲の冒頭の木管による神秘的な和音とそれに続く妖精の飛翔から音が澄み切っていて、チャーミングだけどどこか不気味な世界に存分に浸ることが出来ます。続くスケルツォでの音のキレの良さ、美しい合唱、間奏曲での木管の不安げな表情、夜想曲でのホルンの美しい歌、劇音楽の中で聴くからこそより映える結婚行進曲、そして序曲での妖精の飛翔に歌が被さり、夢見るような美しさの終曲と、どこをとってもメンデルスゾーンの澄み切った叙情性を満喫できますし、一見力の抜けてようで一つ一つの音に深い意味が込められ、じっくりと聴かせるのもリリング

    1人の方が、このレビューに「共感」しています。

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