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kn さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/11/28

    いやあ、長い長い。しかし厳粛に聴くと言うより、楽しめる。この「マタイ」は、伝統的なスタイルにはとらわれず現代的な感覚で演奏されている。なんか半オペラで、歌い手の演技付きであって、初め違和感があったが聴いているうちに慣れ、嫌味も無くてこれはこれで良い。ゲアハーアーは貫禄だし、他の歌手陣もよい。オケも達者で、特に樫本大進、パユ、マイヤーなどがズラリと並んだ独奏陣は圧巻だ。何しろ三時間を超える曲であるから、中には四時間近くのもあって、どうしても聴く方が草臥れてしまうのだが、このディスクを聴いた後にはあまり疲労感はなかった。まあ、それだけ宗教感覚が薄いとも言えよう。「マタイ」としては気安く聴ける一枚。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/11/25

    これは秀逸な一枚である。特にブラームスの第二番が良い。私はLPの時代からカラヤン、モントー、スタインバーグ、バーンステインなど数多くのこの曲のディスクを持っているが、この盤はそれらに比べても新鮮な魅力に溢れている。まさに大家の「棒」である。録音も秀逸で、特に5.0L-PCM96kHz24bitのフォーマットが嬉しい。この曲の聞き所(録音の良否も含め)として、例えば第一楽章の第二テーマ、音域の高いビオラが低い音を弾き、音域の低いチェロが高い音を弾くところがあり、実演では非常に面白いところなのであるが、不幸にしてそれを聞き分けられる録音に出会ったことが無かった。不思議なことに、この盤では何となく聞き分けられるような気がするから不思議である。聞き分けられるはずも無いのであるが・・・・。画像も楽しい。オザワ氏が楽員とともに登場し、オケのチューニングの間楽員に立ち交じってにこやかに声をかけたり、非常に家族的な雰囲気が楽しい。音楽ファンとしてはこういう情景が嬉しいのである。録音も優秀で、かなり原音に忠実である。コンプレッサーの使用を極力控えたようで、ダイナミックスも十分であって、さすがに現代の最先端の録音である。ショスタコービッチの五番は、曲そのものがブラームスに比して軽いことは否めないが、これはこれで十分楽しめる。このディスクは、演奏、画像、録音とも、十分推薦に値する。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2013/11/23

    まあ、最近のドイツ人の演出としてはまともな方。どうにも分からぬ登場人物も出てくるが、アムフォルタスも白痴でなく(ケント・ナガノの同曲の演出は酷かった)、まあまあ気に障るところは少ない。何より良いのは歌手が出しゃばらないことで、これは録音についても言えること。数あるディスクのなかには歌手の声がオケを圧倒してしまうものもあり、そんなものでは劇場で聴いているような気になれない。このディスクはその点節度がある。演奏は安心して聴くことが出来る十分練れたもので、さすがである。
     さて、話しは飛ぶが、近頃のドイツ人の演出家たるや、どうしてこんなにも酷いのだろう。まるで突飛なことをやらないと存在をアッピール出来ないと思っているように、意味ないことをする。コスチュームがお粗末になったのは分かる。財政上の理由で補助金が切られたからであろうが、最近の演出は、バイロイトと言えどもヌードが登場する。しかも私にはヌード登場の必然性が見えない。例えばこうである。3年ほど前のバイロイト、マイスタージンガー、最終幕の歌の競技の場面、ベックメッサーの登場に合わせて舞台上にテーブルが置かれ、それに砂が盛ってある。ベックメッサーが歌いながら砂を穿ると、ヌードダンサーが出てくる。ヌードを出す必然性も何も無い。ただヌードを出すためだけにやったと思われる。幸いにしてこのパルジファルは、そのような酷さは免れている。
     第二に、原作で重要な時代設定を無視している演出家が多い。ケント・ナガノのローエングリンのレビューにも書いたが、オペラには時代設定を考えなくて良いものと、時代設定が重要なものがあり、ローエングリンは後者である。いろいろな解説書を読むと、時代設定を10世紀半ばとしたのはワグナーの脚本家としての才能がただ者で無い証としている。これを、ケント・ナガノのディスクの演出家は19世紀プロイセン風の軍服を着せ、ぶちこわしてしまった。このパルジファルは、時代が判然としない服装だが、といって鑑賞の邪魔にはならない。まあまあだ。
     この間の「魔弾の射手」も酷かった。時代設定が論外だし、第一オペラの雰囲気が無くまるで映画館の感じ。序曲にいきなり大砲の音とは、雰囲気を増すどころか音楽を鑑賞しようとする者にとっては騒音であり、これからオペラの雰囲気に浸ろうと期待した矢先のことで、オペラとしてはぶちこわしである。レビューに「これはオペラでは無い」と書いたら、投稿したけど掲載されなかった。しかし、この投稿欄を管理している方に申し上げておくが、純粋な音楽愛好家としては、あのようなディスクはキワモノであり、私がもしあのディスクの内容を知っていたら決して手を出さなかった。それほど音楽を軽く見たようなディスクなのである。あれではハーディングが気の毒だ。ここでのティーレマンは、すでに確固たる名声を持ったマエストロであり、演出家もそれなりの敬意をはらったものと思われる。ともかく最近のドイツの汚さからは免れている。購入したことに後悔はしていない。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/22

    これは後世に残る名盤である。その所以は・・・。
    1.録音が秀逸・・・・
     ワグナー、ブラームス、ブルックナーなどの大曲のディスクは録音が命である。ところがまた現実にはロクな物がない。つまり音量のダイナミズムが大きいので平均音量の時とffの時、中でもティンパニやコントラバスなどの音量差は大きく、コンポステレオなどで聴くことを想定してディスクを製作すると、忠実に音量通り録音すると具合が悪い。つまり、再生時、平均音量の時丁度音量が良いようにヴォリュームを設定すると、ff時はレベルが過大になって歪み、音が割れる。最悪スピーカを壊してしまう。したがってコンポでもそこそこ聴けるように、ff時など或る音量レベルを超えるとミキサーが勝手にパートの音量を加減してしまう。これを高忠実再生の大型システムで聴くとどうなるか。ff時のティンパニやコントラバスが甚だ頼りなく、実演とは全く異なった「缶詰音楽」となる。
     コンポで大曲を聴こうというのは本来無理で、室内楽とか、ダイナミックスの幅の狭いポピュラー曲位が相応なのだ。ミキサーがダイナミックスをいじるのは本末転倒で、作曲家と演奏家への冒涜でもある。ところが殆どのディスクがこのような手法でミキシングされたものの様である。被害を受けているのは、例えばワグナー「神々の黄昏・ジークフリート葬送行進曲」のティンパニ、ブラームス「交響曲第一番」冒頭のティンパニの連打、ストラビンスキ「春の祭典」グランカッサなどである。その様なわけで、最近ではオーケストラものの録音にはロクなものはないという諦めに似た気持ちになっていた。
     「ドイツレクイエム」も、LP時代のケンペからLDのカラヤン、DVDのアバドなど、発売されたLP,CD,LD,DVDは殆ど持っているが何れも実演とはほど遠い。ブラームスの特徴は中低域楽器のリズムとダイナミックスで、音の強弱を操作されると形無しなのだ。ところが、このDVDはミキサーが姑息な操作をしていないようである。音の強弱は自然で、ナマの雰囲気に近い。結果、第二曲のティンパニの強打も実演さながらだし、ハープがちゃんと聞こえる。第三曲の有名なフーガ、持続低音のコントラバスのふくよかな生々しさ。こんなに良く録音されたディスクを他に知らない。
     尤も、実演と言うが名曲の割に実演の滅多にない曲で、最も新しいところでも五年以上前で、ケントナガノ指揮ベルリンドイツオーケストラのものを聴いたのが最も最近である。結局今までに4回しか実演を聴いていない。それだからこそ実演を聴いたときの衝撃は大きく、感銘は深い。反面ディスクにはどれも飽きたらぬ物を感じていたが、今回のディスクには感心した。録音面から見て、僅かながら、と言うより希に高忠実度録音に出会う。今まででは、エクストンのダイレクトカットSACD、ストラビンスキ「春の祭典」が最高の録音であった。この「ドイツレキエム」も優秀録音である。
    2.演奏は国際水準を遙かに凌ぐ・・・・
     大体、演奏評なんて、不忠実なゴマカシ録音のディスクを聴かされて正当な評価が出来るものでしょうか。この意味で、私は所謂レコード雑誌の評論家には極めて疑問を感じております。録音ゆえに実演の感興の全く湧かない演奏を評価するなんてことは私には出来ません。その意味では、このDVDは極めて希な存在で、楽器間の音量バランスが良く、優れた録音となっており、その土台に立って堂々たる演奏に聞こえます。
     ゲルギエフは国際人ですね。スラヴ的雰囲気を探しても何処にも有りません。尤も、この曲にスラヴ的雰囲気を盛り込めるとは考えられませんが。どこから見てもゲルマン、ドイツ的です。
     演奏者のなかで、指揮者の他に特筆すべきは合唱団で、どうも「ドイツレキエム」はこの合唱団の十八番らしい。アバッド・ベルリンフィルのときも(ブラームス没後100年記念)この合唱団でした。一言で言えば、最も訓練された団体、という感じ。声量があり、音が濁らない。ダイナミズムが大きく、劇的表現が得意のようです。実際、第一曲の「sehrig sind・・・・」の表現力、第三曲のフーガ、第六曲の劇的表現や、最終曲の聖浄な雰囲気など、この合唱団のテクニックならでは出し得ないと思われます。
     独唱者は初々しく、オケは重厚な音響と感じました。これも素直な高忠実録音の功徳でしょう。
     結論として、分かり易く言えば、私の今まで聴いた実演よりもこのDVDから受けた感銘の方が大きかった、ということです。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/04/05

     どうも納得がいかない。次の点である。
    1.脚本はワグナー自身の手になるもので、10世紀の史実を踏み台に伝説やら創作を混ぜたもの。当時ヨーロッパは完全にキリスト教化しておらず、古代の民俗宗教が並行して行われていた。ワグナーはこれに目を付け、魔法使いオルトルートを登場させたのである。オルトルートはフリースラントの公爵の姫、非キリスト教徒で魔法を使うのである。これはイゾルデにも共通のことで、彼女の母が渡した秘薬は彼女の母が非キリスト教徒であることを示している。ローエングリンにおいては時代背景が特に重要であり、オペラの雰囲気としては、どうしても当時の衣装が欲しいところである。プロイセン帝国風の軍服は頂けない。第三幕の山場で、オルトルートが現代風のコスチュームで、ヴォータン、フライヤと叫んでも、何かピンボケである。
    2.第三幕、結婚行進曲はなぜ反復を省略してしまったのだろう。情緒的には一番良いところなのでどうしても欲しいところなのだが。
    この様なわけで、三つ星である。
    3.ローエングリンの最優秀盤は、音は良くないが古いバイロイトのもので、ネルソン指揮、ペーターホフマンのローエングリンのものが一番良い様に思う。

    4人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2010/04/05

     滅多にないバイロイトのライヴ。
     演奏は秀逸。主役も良いが脇役が優れているのが特徴だ。第二幕のマルケ王Mir dies,Tristan・・・・は、マルケ王の深い失望と悲しみを表して余すところがない。録音も上出来で、細かい音も良く捉えている。あの地下のオーケストラピットの音をこんな風に採れるとは、まさに驚きだ。
     特筆すべきは演出で、ワグナーの楽劇は「立ちん坊」が多いが、このディスクでは所作も巧みで、脇役陣をうまく使って現実味があり、感心した。但し第一幕冒頭の、イゾルデ姫が若い水夫の歌に怒り狂って椅子を投げるシーンはあらずもがな。ヨーロッパの上流社会ではあのようなはしたないことは金輪際しない。
     コスチュームは例によって現代風であるが、それはそれで納得出来るもの。ヨーロッパ王室の普段着はこんな具合だろうなと感じさせた。

     なお、聴取に使用したシステムはブルーレイレコーダーパナソニックDMR-BW970、プリアンプSONY STR-DB1070、グライコ、チャンデバBehringerDEQ2496,DCX2496、アンプフロント低域アムクロンD-45、中域McIntoshM-275、高域McIntoshM-60、サラウンド低域パイオニアM-22、高域アキュフェーズA-20、、フロントスピーカALTEC A-4+テクニクスリ−フツイーター、サラウンドスピーカALTEC515B+8”コアキシャル、最大音量聴取位置で110dB以上というスペックで、音響処理したオーディオルームで実演大の音量で聴取した。

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