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雑食系女子 さんのレビュー一覧 

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/11/17

    アメリカンアイドル シーズン9優勝者、Lee DeWyzeのメジャーデビュー作。

    毎年恒例の夏ツアーと並行して制作された今作。
    例年、そこそこの良作ながらも「突貫工事」ぶりが目立つ作品が多く残念だったが、
    今年のLee DeWyzeの場合はまったくそれが感じられない。

    11曲中10曲で本人が作曲・作詞に参加しているとのことだが、アメアイ出場以前にリリースした2作からの流れを汲みつつ、
    より洗練された曲とサウンドに仕上がっている。
    それより何よりこの世界観。
    驚くべきことに、11曲すべてがラブソングなのである
    (M2については諸説あると思うが、私は広義のラブソングなんじゃないかと勝手に思っている)。
    それも一筋縄でいかない、それなりにフックのある曲揃い。

    マジですか。とつぶやいたのはきっと私だけではないはず。

    以下、3回通して聴いたあとの1曲ごとの簡単な紹介。

    M1. Live It Upは本人曰く「アルバムのテーマ」。ゆったりとした中にも切実さと憂いの漂う「アルバムの顔」。
    M2. Sweet Serendipityはピアノリフを中心に据えた、アップテンポなナンバー。
    先行シングルとして解禁された日には全リスナーがひっくり返ったと思われる(推定)変化球かつ剛速球。

    M3. It’s Gotta Be Love ではややマヌケなシチュエーションで始まる恋を軽やかに歌い、
    M4. Dear Isabelle は忘れられない恋人への未練たらったらな、少しざらりとした1曲。

    M5. Beautiful Like You 唯一本人が作曲に関わっていない曲。音域の広がりが心地よい。自信をなくし、周りが見えなくなっている恋人への応援歌。

    M6. Stay Here アップテンポで底抜けに楽しい曲、それなのに「喧嘩中の恋人を引き留める」という内容。
    僕と一緒にいれば大丈夫だよ、ってどんな根拠でそれを言うのか。かわいい。
    M7. Me And My Jealousy は個人的にお気に入り。シンセトラック、ピアノリフが少し90年代風でもありながら、サビで一気に爆発。
    ピアノとストリングスをふんだんに重ねた重厚な音に、別れた恋人への未練がストレートに渦巻く。
    M8. Brooklyn Bridge もお気に入り。なんとビリー・ジョエルを彷彿とさせる1曲。意外性のかたまり。改めて表現力の幅広さに感嘆する。

    M9. Weightless ミディアムテンポのバラード。アコースティックギターを中心に展開するサウンドは最もインディーズ時代の作風に通じる。
    M6-8の緊張感が解放され、ほっと一息つけるような曲。M8、M9は恋人との幸せの絶頂を歌っているのだが、アプローチが全く違うところが面白い。

    M10. Earth Stood Still も曲調はM9と少し似ているが、一転、別れてしまった恋人との思い出を歌うせつない1曲。
    M11. A Song About Love は個人的にこのアルバムで最も生々しくアグレッシブな曲(当然お気に入り)。アコギ中心のバラードのどこがアグレッシブかというと、歌詞と歌い方。一部まるで独り言のように歌う内容は「別れへの後悔」。「愛の歌を書いたけれど なんでもないんだ」という一節がどこかサイモン・アンド・ガーファンクルを想起させる。

    よくできた連作短編集のような、起伏のはっきりとした構成も美しい。
    インディーズ2作目の Slumberland が「眠り・夢」をテーマにしたコンセプトアルバムのような作りだったのと同様に、
    今作は「恋愛」をテーマにしたゆるいコンセプトアルバムと思えばしっくりとなじむ。

    ものすごく印象的なアルバムかといえば、彼に特別な思い入れのない人にはそうではないかもしれない。
    しかし、やわらかくも真摯で温かい、そして切実なアルバムであることは確かだ。

    US iTunesプレオーダー版、オフィシャルサイト版で収録ボーナストラックが異なるのが非常に残念ではあるが(日本盤に何かしら収録されることを期待)、この通常盤はアルバムの構成が本当に素晴らしいので、ボーナストラックなしでも十分に聴きごたえがある。
    アメリカン・アイドルで彼を見て気になっていた方、インディーズ出身のシンガーソングライターに興味のある方はぜひ手にとってみてほしい。

    2人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2010/05/24

    アメリカン・アイドルシーズン9ファイナリストのリー・デワイズがインディーズレーベルからリリースした1stアルバム。

    アコースティックなフォークロック、一言でいえば「味わい深い」、朴訥とした雰囲気の漂う作品です。
    全体を通して起伏は少ないものの、一通り聴き終えた後、頭のどこかにひっかかる何かがあり、もう一度通して聴いてしまい、
    今では2ndアルバムと合わせて完全に病みつきになってしまいました。

    情感たっぷりのメロディにのせた憂いを帯びた歌詞を若干抑え気味に歌うハスキーボイスには、
    とても当時21歳の若者とは思えないような「枯れ」と、将来への希望と不安の入り混じった幼さが混在していて、
    なんとも形容しがたい色気を出しています。M1からM2にかけての靄の中を切り開いて光の中へと歩み出るような展開には正直心奪われました。

    個人的に、このアルバムのハイライトはM4 Love & Misery、M9 Predicament。
    キャッチーなメロディに哲学的な歌詞を合わせた2曲で、素朴ながらも抜群の聴きごたえがあります。
    M5、M6のゆったりと夢の中へといざなうような、とらえどころのない雰囲気の中に美しいメロディが浮かび上がってくる曲も素敵です。

    今の彼とはまったく違う方向性の作品ですが、現在の彼が通ってきた道を覗き見しているような奇妙な感覚に陥ります。
    アメアイ放映終了後からメジャーアルバムが出るまで時間が空いてしまうので、彼のことが気になる方は聴いてみてください。
    オススメです。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2010/05/24

    アメリカン・アイドル シーズン9ファイナリストであるリー・デワイズが以前所属していたインディペンデントレーベルからリリースされた2ndアルバム。

    どちらかというと全体的にフォーク、ブルース寄りで、番組内での彼の姿を見ている方は驚くと思いますが、
    彼の言葉を大切に訥々と語りかけるように歌うスタイルはこの時点ですでに完成されています。

    アコースティックギター中心に構成されていた1stアルバムから大きく飛躍を遂げ、
    M1のパンチの効いたボーカルに怪しく絡むシタール、M8のエレクトロニカを意識したシンセなど、
    多少実験的な試みも多く、素朴ながらも多彩で大変味わい深く、何度でも楽しめる作品です。

    個人的にこのアルバムのハイライトはM4 Princess、M5 Flower Child、M9 Sweet Sweetです。
    この3曲以外の曲もどれもそれぞれ違ったタイプの印象的な楽曲で、
    彼のソングライターとしての懐の深さ、そしてポテンシャルの高さを表しているように思います。

    アメリカン・アイドル終了後にメジャーデビューアルバムを出すことになると思いますが、
    商業化されすぎずに、このままの持ち味を生かしたアルバムを期待しています!

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