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グラシル・たけちゃん さんのレビュー一覧 

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     2015/01/25

    私は以前よりコープマンのチェンバロ演奏で最も素晴らしいのはこのフォルクレだと思っている。彼の自由奔放さ、鍵盤を叩きつけるような情熱的な奏法はフォルクレに特に相性がよい。コープマンによるバッハやブクステフーデのチェンバロ作品の演奏を大量に聴いてはきたが、新鮮なのは最初だけで、本当に愛聴盤として定着するものは少なかったように思う。しかし、フォルクレの録音は今でも中毒のように聴いている。例えば、長調のルクレール。和音を充填しながら、まるでロックを聴いているような錯覚すら覚える唯一無二の迫力ある演奏。疾走し、突然音を止める。彼の得意とする奏法がフォルクレに兎に角マッチしているのである。今となっては古い録音だが、音響も素晴らしく、今回の再発売は本当に素晴らしい。コープマン嫌いな方にもオススメ!

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     2015/01/13

    ついに再発売したルイエ作品集。ノイペルトを使用したいかにもルチアーノ・スグリッツィらしい録音である。ルイエの作品をこれだけ大量に愉しめるのも重要だが、往年のスグリッツィによる流麗な演奏が魅力。この録音はかつては日本のみCD化されていたが、余りにも希少価値が高かった。私は90年代後半にこの録音を探し求め、今はなき秋葉原の某量販店の倉庫に眠っていた1枚を見つけては涙を流さんばかりに嬉しかったのを今でも覚えている。スグリッツィとしては「18世紀のヴェネツィアのチェンバロ音楽の精華」や「イベリア半島の鍵盤音楽」等に比較すると音栓変化は抑え気味だが、ぐいぐい押していくような気迫を感じる素晴らしい演奏である。オーセンティックなチェンバロに慣れた耳には新鮮であり、むしろ学ぶ点が非常に多い。ルイエの作品も、まるでヘンデルの未発見の作品を堪能しているような愉悦に満ち溢れている。この録音を再発売したことそのものが称賛に値する!

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     2014/05/22

    これは突拍子もない贈り物だった。プヤーナが例の三段鍵盤の楽器でまさかパルティータ全曲を録音していたとは!残念なことにプヤーナは最近この世を去った。彼の演奏スタイルはランドフスカそのものであり、プレイエルのモダン楽器を使用していた頃から晩年に至るまで彼女の精神が貫かれていた。悪く言えば機械的であるが、聴きこむ程に厳格で崇高な大伽藍が築き上げられ、いかにもバッハに似つかわしい奏法と感じる。今回のパルティータでも大半の曲で16フィートを惜しみなく使い、ダイナミズムを強調している。プヤナには同楽器を使用したスカルラッティの2枚(HMF廃盤)があったが、基本的には同様の響きでいかにも彼らしい。パルティータを選んだのは正解である。モダンチェンバロ時代の巨匠としては1990年代にスグリッツィやヴェイロン=ラクロワ、ヴァルヒャが他界し、最近ではキプニスやシェベスチェーンも亡くなったため、残るはプヤーナとルージイチコヴァであった。ここにモダンチェンバロ世代の巨匠が贈る輝かしい集大成が発表されたといっても過言ではない。最近の古楽演奏に親しんだ耳には新鮮に聴こえるし、傾聴するほどに得るものははかり知れない。プヤーナの追悼盤である。是非多くの方に聴いていただきたい。

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     2014/02/21

    超推薦盤が登場した。ヘンデルの同曲集では「如何に華麗か」「如何に歌うか」「如何に遊ぶか」が重要であるが、エガーの特徴がそれらと見事に調合した素晴らしい録音である。端正でシャープなロス盤、装飾が楽しいダントーネ盤とボルグステーデ盤など過去にも優れた録音は多い。しかし、エガーの洒落た節回しは競合盤とは比較にならない特徴がある。パーセル作品集でも感じたが、エガーは他の奏者が真似のできない意表突いた装飾が実に心地よい。楽器の響きも美しく、同曲集の間違いなく上位3本指に入る立派な演奏である。まさに「偉大な」作品集の「偉大な」録音であり、チェンバロ音楽の全ての要素がここに凝集していると言っても過言ではない。

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     2014/02/11

    円熟の境地。ありきたりな表現だが、この言葉が最も相応しい。小林氏の演奏はモダンチェンバロ時代から非常に謙遜した姿勢が如実に音楽に反映されており、かつてのヴェイロン=ラクロワがそうであったように端正であり、かつ模範的である。本盤も余計な装飾は極力排し、一つ一つの佳品に堂々と向き合っている。派手な作品はなく、小林氏の特徴にマッチした作品が巧み選ばれている。一見、平凡でありながら、一音一音を聴き入ると、全くの無駄がなく、完璧な音の構成であることに気がつく。スカルラッティのK9でのトリルの正確さは比類なく、詳細に聴きこむほどこれほど美しいK9は他にないと思えてくる。本盤は小林氏の音楽の集大成であり、丁寧に聴き込むべき国宝級の録音である。

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     2014/02/07

    人間味を十二分に帯びた自然体の素晴らしいイギリス組曲である。イギリス組曲のチェンバロ演奏といえば爽快に弾き飛ばすことに重点を置いた機械的な演奏が多く、フランス組曲に比較するとどうにも煩く無機質なイメージを抱きがちだが、本演奏は風に靡くカーテンのように心地よい流れに乗ることができる。抒情的な楽章ではいかにも彼女らしい不均一なタッチと音の余韻が味わい深いし、前奏曲やジーグのような急速な楽章でも決して焦燥にならない。過去の膨大なイギリス組曲を聴いた後にも新鮮な発見を見出すことのできる貴重な演奏を大いに歓迎する。

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     2013/01/31

    星の数ほどあるバッハのvnソナタの録音の中でもとりわけアグレッシヴな一枚。バンキーニは以前より意欲的な魅力ある音色を奏でていた、本盤でも非常に雄弁で即興的。煩くないのもまたいい。ベッティヒャーはかつてデラ・チャーヤのトッカータをまるで現代曲のように超速で弾き飛ばした動画を拝見し度肝を抜いたことがあるが、ここでも16フィート付きの楽器を力強く叩いて前面からバンキーニを支えている。第6番のソロ楽章も迫力満点。二人の音色が織り成す響きは豪華絢爛。ライヴ演奏のような興奮を持ち合わせている。バッハのvnソナタは最近は飽和状態にあったが、本盤は新鮮な魅力に溢れている!

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     2013/01/20

    2012年現在、シュタイアーやアンタイなど驚異的なチェンバロによるゴルトベルクが存在し、ちょっとした演奏では聴衆は感動しない。そういう意味ではロスによる演奏も今となっては新鮮味や予想外の驚きはない。改めて聴き直しても、これほど素直なバッハもない。彼のスカルラッティやクープラン、ラモーの全曲盤は幾年が経過しても輝いているが、バッハは競合盤の兼ね合いから徐々に印象が薄くなっていることは否めない。しかし、ライヴと思えない完成度の高さは特筆すべき点であり、跳躍するようなリズム、生き生きとした各フレーズなど、今でも得られる感動は決して少なくない。

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     2013/01/20

    ガルッピのチェンバロ協奏曲はBGM的要素が強い。過去にも全曲盤があったが正直印象が薄い。ガルッピのソナタ群には心に残る佳品があるが、これら協奏曲群はインパクトにかける。ロレッジアンのベネデット・マルチェルロの全曲録音は非常にアグレッシヴで記憶に新しいが、本盤ではアンサンブルに控えめな優等生的演奏に終始しており(ちょっと目立つ通奏低音と表現したくなる)、集中して聴き通すのは困難であった。「レストランのBGMには最適」と皮肉をいうのも辛いが・・。

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     2013/01/20

    円熟の極致。もはや渡邊氏の演奏が世界最高水準に達していることに異論はあるまい。レオンハルトの弟子ということが必ず前面に出されるが、間の入れ方や熟考されたテンポなど、師を超えるといっても過言ではない。例えば、ホ短調のFuga。本作品の演奏としては比較的ゆったりとしたテンポをとるにもかかわらず、終盤での情熱的な盛り上がりは他に例をみないほど感動的。レオンハルトの演奏は時に堅苦しいと思える面もあったが、渡邊氏の演奏にはそれがない。天国のレオンハルトもこの演奏を絶賛することであろう。

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     2012/12/26

    賛否両論あるだろうが、大いに歓迎すべき演奏である。かなり型を破った風変わりな演奏だが、それで良い。音楽学の観点からはリズム、装飾云々あるかもしれないが、心に響くならそれは構わない。それが音楽の本質であると思う。もし、正当な演奏のみを追求するなら、グレン・グールドの演奏は許容されない。過去に評価されてきたチェンバロによる無数のフランス組曲の録音、一体幾つ印象に残っているだろうか?ほとんどが金太郎飴のごとく類似したものであり、結局大半が忘れ去られている。私にとっては、レオンハルト、ルセ、シュタイアーは忘れがたい。そしてこの西山さんの演奏も。多くのフランス組曲を聴いているほど、そして聴けば聴くほどこの演奏は魅力的になるに違いない。

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     2011/12/11

    ようやく登場したハラースのセイシャス第2集。前回同様に16フィートを備えたチェンバロにより迫力満点に仕上がっている。しかし、セイシャスといえば、古くはルチアーノ・スグリッツィの演奏(ノイペルトのモダン楽器を使用しながらも独特な情緒を湛えていた)から親しみ始めた私にとっては、本演奏は、使用楽器の性質も手伝ってか、ややダイナミズムに片寄り過ぎている感を否めない。というのも、音楽評論家の谷戸基岩氏のセイシャス論に惹かれ、この作曲家特有の陰鬱な世界、それはまるで夕日の沈む海外線の風景を想像するような感傷的な雰囲気がとりわけ好きだった。本盤の演奏はイン・テンポで押し切り、感情を極力排した無機的な世界を構築している。それはある意味でスカルラッティ的でもある。潔い演奏であり好感はもてるが、繊細さも欲しいところ。それでもセイシャス全作品を網羅する仕事は称賛すべきであり、続編を期待したい。

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     2011/10/20

    リヒターの全てのオルガン演奏の中で最もリヒターらしい録音。時に手はもつれるが、勢いでぐいぐいと引っ張り、確固たる厳格な構造物を築いていく。最近の繊細な演奏と異なり、古き良き時代を改めて感じる。後の1979年のライヴは腐敗していると各方面で話題になり、私も完全に否定はしないが、1969年にもゴルトベルク含め、既に多くのミスタッチが存在する。本盤でも、例えばアンコールのパストラーレでは途中で旋律を忘れ、数小節戻ると同時に、終盤の大半を飛ばして終結している。トリオソナタの序盤でもペダルを逃しているし、コラールでも時に字余りの如き拍子を逸脱している。ミスを挙げたら切りがないが、こうした不安定さがリヒターの特徴だし、それを如実に体験できる恰好の記録である。また、40年以上前と思えないクリアな録音で臨場感も抜群。ちなみにBWV565の出だしのモルデントは有名な・・・これはネタバレになるので是非実際に聴いていただきたい。幾つかの証拠に基づくと、故意であるという意見が多いようだ。リヒターファンは必携の録音である。

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     2011/07/25

    最近、日本人オルガニストの演奏を聴くのが面白いと感じていた。例えば武久のトッカータとフーガ ニ短調は新鮮な解釈だったし、鈴木雅明の贅沢なほど有名曲を揃えたバッハも素晴らしい出来栄えだった。そんな中、登場したこのアルバムは・・私の新鮮味へのこだわりが災いしたのか、正直、狙いが分からなかった。演奏はスタンダードを目指すのはいいとしても、あまりに薄味。我々リスナーからすれば、特にバッハは、過去の大量の「ありきたり」な演奏と同じであれば新盤を聴く意義は少ない。BWV645はトリルの歯切れが悪く、インテンポで、最後まで抑揚がない。全体を支配しているのはコンピュータ制御のような無機的なテンポである。BWV731は美しいコラールとして有名だが、同じテンポのまま最後を迎え、余韻すらないままあっさり音が消えた瞬間には虚しさすら感じた。バッハ以外の作品の方がやや報われてはいるが。せっかくの邦人演奏家の登場が惜しまれる。通常のCDよりも高い価格設定でもあるし、木目の細かさが欲しかった。

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     2011/07/09

    スコット・ロスのレッスン映像(同シリーズDVD)と同様に非常に素晴らしい。生徒であるボーモンは今でこそクラヴサン界の重鎮であるが、この頃から既に完成度の高さを誇っている。そして、師であるギルバートのボーモンへの称賛と数々の音楽論理展開は的を得ており、まさに理想の師弟関係を構築しており、嫉妬心さえ湧いてくる。2人共にクープランの作品全集を録音(ギルバートはHMF、ボーモンはERATO)しているが、この映像を見た後にそれらの録音を聴き直すのも面白いかもしれない。ギルバートによるバッハのパルティータとクープランのパッサカリアを堪能できるのもこのDVDの醍醐味。

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