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ベートーヴェン(1770-1827)

SACD 弦楽四重奏曲第14番、第7番『ラズモフスキー第1番』 アマデウス四重奏団(シングルレイヤー)

弦楽四重奏曲第14番、第7番『ラズモフスキー第1番』 アマデウス四重奏団(シングルレイヤー)

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2012年08月05日

    いささかも奇を衒うことがないドイツ正統派の堂々たる名演だ。今では解散してしまったアマデウス弦楽四重奏団であるが、約40年間にわたってメンバーが一度も入れ替わることなく、伝統の音、音楽を守り続けてきたのは、弦楽四重奏団としても極めて稀な存在であったとも言えるだろう。それだけに、ヴィオラ奏者であったシドロフの死去によって解散となったのは当然の帰結と言えるのかもしれない。また、そうしたアマデウス弦楽四重奏団の主要なレパートリーは、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトなどの独墺系の作曲家の楽曲であったのは当然のことであり、前述のように、正にドイツ正統派とも言うべき名演の数々を成し遂げていたところだ。ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は、弦楽四重奏団にとっては名刺代わりの楽曲であり、その後に活躍したアルバン・ベルク弦楽四重奏団やタカーチュ弦楽四重奏団など、個性的かつ現代的な解釈による名演が続々と登場してきている。そうした演奏と比較すると、強烈な個性にはいささか乏しい演奏と言わざるを得ないところだ。しかしながら、楽想を精緻かつ丁寧に描き出し、誠実に音楽を紡ぎだしていくと言うアプローチは、ベートーヴェンが作曲した両曲の魅力をダイレクトに表現するのに大きく貢献しているとも言えるところである。あたかも故郷に帰省した時のように安定した気持ちにさせてくれる演奏とも言えるところであり、このような、古き良き伝統に根差したとも言える正統派の演奏を奏でてくれる弦楽四重奏団がなくなってしまったことを残念に、そしてある種の郷愁を覚える聴き手もおられるのではないだろうか。若干、時代は下るが、チェコのスメタナ弦楽四重奏団のアプローチにも通底するものがあると言えるが、そうしたスメタナ弦楽四重奏団の演奏に、ドイツ風の風格を付加させた演奏と言えるのかもしれない。今般のシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化に際しては、アマデウス弦楽四重奏団にとって唯一の全集から、後期の傑作である第14番と中期の傑作である第7番が抜粋してカプリングされたが、残る諸曲についても同様に高音質化を期待する聴き手は私だけではあるまい。それにしても、今般のシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD化によって素晴らしい高音質になったのは大変喜ばしいところだ。1950年代末〜1960年代初めの頃のスタジオ録音であり、さすがに最新録音のようにはいかないが、音質の鮮明さ、音圧、音場の拡がりのどれをとっても一級品の仕上がりであり、各奏者の弦楽合奏が艶やかに、なおかつ明瞭に分離して再現されるなど、あらためてSACDの潜在能力の高さを思い知った次第だ。いずれにしても、アマデウス弦楽四重奏団による素晴らしい名演を、現在望みうる最高の高音質であるシングルレイヤーによるSACD&SHM−CD盤で味わうことができるのを大いに喜びたい。

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