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マーラー(1860-1911)

CD Sym, 10, -1 & 3 Movements: Szell / Cleveland O +stravinsky: Firebird

Sym, 10, -1 & 3 Movements: Szell / Cleveland O +stravinsky: Firebird

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2011年09月17日

    セル&クリーヴランド管弦楽団による演奏がいかに凄まじいものであったのかが理解できる一枚だ。このコンビによる全盛時代の演奏は、オーケストラの各楽器セクションが一つの楽器が奏でるように聴こえるという、「セルの楽器」との呼称をされるほどの鉄壁のアンサンブルを誇っていた。米国においては、先輩格であるライナーを筆頭に、オーマンディやセル、そして後輩のショルティなど、オーケストラを徹底して鍛え抜いたハンガリー人指揮者が活躍しているが、オーケストラの精緻な響きという意味においては、セルは群を抜いた存在であったと言っても過言ではあるまい。もっとも、そのようなセルも、オーケストラの機能性を高めることに傾斜した結果、とりわけ1960年代半ば頃までの多くの演奏に顕著であるが、演奏にある種の冷たさというか、技巧臭のようなものが感じられなくもないところだ。本盤におさめられた演奏も、そうしたセルの欠点が顕著であった時期の演奏ではあるが、楽曲がマーラーやウォルトン、そしてストラヴィンスキーといった近現代の作曲家によるものだけに、セルの欠点が際立つことなく、むしろセルの美質でもある鉄壁のアンサンブルを駆使した精緻な演奏が見事に功を奏していると言える。特に、冒頭におさめられたマーラーの交響曲第10番は二重の意味で貴重なものだ。セルはそもそもマーラーの交響曲を殆ど録音しておらず、本演奏のほかは、1967年にライヴ録音された第6番しか存在していない(その他、歌曲集「子供の不思議な角笛」の録音(1969年)が存在している。)。加えて、第10番については、定番のクック版ではなく、現在では殆ど採り上げられることがないクレネク版が採用されているところである。アダージョのみならず第3楽章に相当するプルガトリオを収録しているのも貴重であり、加えて演奏が精緻にして緻密な名演であることに鑑みれば、セルは、録音の数は少なくても、マーラーに対して一定の理解と愛着を抱いていたと言えるのではないだろうか。ウォルトンのオーケストラのためのパルティータやストラヴィンスキーの組曲「火の鳥」は、いずれも非の打ちどころがない名演であり、クリーヴランド管弦楽団による一糸乱れぬ鉄壁のアンサンブルを駆使して、複雑なスコアを明晰に音化することに成功し、精緻にして華麗な演奏を展開していると言える。とりわけ、組曲「火の鳥」の「カスチェイ王の凶暴な踊り」においては、セルの猛スピードによる指揮に喰らいつき、アンサンブルにいささかも綻びを見せない完璧な演奏を展開したクリーヴランド管弦楽団の超絶的な技量には、ただただ舌を巻くのみである。いずれにしても、本盤におさめられた演奏は、全盛期にあったセル&クリーヴランド管弦楽団による完全無欠の圧倒的な名演と高く評価したい。音質は、今から50年前のスタジオ録音だけに、従来CD盤ではいささか不満の残るものであったが、数年前に発売されたシングルレイヤーによるSACD盤は圧倒的な高音質であり、セル&クリーヴランド管弦楽団による演奏の精緻さを味わうには望み得る最高のものであったと言える。数年前には、本Blu-spec-CD盤も発売されたが、当該SACD盤には到底敵し得ないところだ。もっとも、当該SACD盤は現在では入手難であるが、仮に中古CD店で購入できるのであれば、多少高額でも是非とも購入をおすすめしておきたいと考える。

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  • ★★★★☆ 

    Dewurich  |  埼玉県  |  不明  |  2010年03月13日

    後世に名の残した第一級の作曲家による補筆版であるマーラーの10番のクレネク版は再評価されてよいと思います。 第1楽章においてもクック版や全集版には聴かれない響きが部分的に聴き取れますが、注目すべきはクックが変ロ短調で終わらせたプルガトリオをクレネクはマーラーのスケッチに忠実に従って変ロ長調で終わらせている点です。 あたかも煉獄の斜面を登りながら徐々に罪が浄化され、最後は地上の楽園とされる煉獄の頂上に辿り着いて終わる…という風に聴き取れなくもありません。 ただし、解説はこの録音が最初に発売された時の英語解説を訳したもののようで、マーラーの10番に関しては不適切な記述も見られます。第2、4、5楽章のスケッチは全曲を通して残されており、「断片的」ではありません。第3楽章はA-B-A-コーダのうちAの部分はマーラー自身によってオーケストレーションがなされています。 ウォルトン、ストラヴィンスキーもオーケストラ美学の一つの極限を示すセルらしい素晴らしい演奏です。

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  • ★★★★★ 

    クレンペラーマニア  |  神戸  |  不明  |  2006年02月15日

    こうやって、解像度の高いMRIを見るみたいに「腑分け」され、「結晶化」されて演奏されると、今まで「謎の曲」だった10番の事が、とてもよくわかった(気になる・笑)。複雑なポリフォニーと歌謡性はそのままに、世紀末的な「装飾性」は拭い去られ、あのマーラーが自ら、殆ど「無調」と「新古典」の扉を開けようとしている。・・・アドルフ・ロース『装飾と罪悪』と、「同時代作品」だものねぇ。『火の鳥』は確かに非の打ち所の無い名演。クリーブランド管、ほんとにうまいです。

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  • ★★★★★ 

    フランツ  |  宮崎県  |  不明  |  2005年11月21日

    私はマーラーの10番に関しては良い聞き手ではない(ってどっかで見たいいまわしw)なのできちんとした演奏というコメントしか出来ないけれど、ウォルトンに関しては最高の演奏と断言できます。例えばナクソス盤と比べても、迫力、説得力、表現力、どれをとっても天と地の差があります。実力の差が歴然としています。「火の鳥」も鉄壁の名演。ところでこの3曲ステレオ初期の録音なんですね。すごいです。

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