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ベートーヴェン(1770-1827)

CD 独Profil リヒテル・ベートーヴェン・ボックス(12CD)

独Profil リヒテル・ベートーヴェン・ボックス(12CD)

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    Verdi  |  神奈川県  |  不明  |  2021年02月27日

    近年色々と元気のいいProfilレーベルからは、リヒテル・ボックスのシリーズを幾つか出しています。これはその一つで、ベートーヴェン集ということになります。 良し悪しをいうと、演奏はまぁいいのですが、何しろ録音が厳しい。戦後から1960年代までのものなので、どうにも古い。決して悪くは無いけれど、リヒテルの魅力の一つは音でもあると思うので、ちょっとその点が厳しいなとは思います。もう少し絞ってくれても良かったかも知れず、コレクター的にはたくさんある方がいいということにはなるのでしょうけれども。

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    mimia  |  石川県  |  不明  |  2020年08月16日

    リヒテルの怒り、ベートーヴェンの怒り。 戦後すぐの1947年から1963年までの、ライブを主としたベートーヴェンの演奏。CD 12枚。 その中で、一つの演奏だけ取り上げる。 1960年5月レニングラードで演奏された、ソナタno.23 「熱情」。 1960年はリヒテルが西側での演奏を初めて許可された年で、アメリカでの演奏旅行中にニューヨークでセッション録音された同曲もボーナスとして収録されているが、あえてライブの方を。 聴き終えて、すごい! けど、なんなんだこれは。 リヒテルの強い打鍵のせいだ。 あの「熱情」だから、どんなピアニストも強く打つ。だが、リヒテルのは、強い、激しいというだけではなく、何か他のものが、加わっている。それが、ただ事ではなくこちらに突き刺さってくる。 何度か聴き直し、恐る恐るそれに言葉を与えてみる。 怒り、か。 リヒテルはスターリン時代のソ連を生きた。生き抜くためにただ黙々と音楽に打ち込んでいた。そんなふうに思える。だが、その来歴の中に、ドイツ人であった父親の逮捕、死刑、母親の亡命がある。それに対する憤りはあったはずだし、次は自分が粛清されるかもしれないという恐怖もあっただろう。 そういう感情を深く隠し、音楽だけを一心に見詰める。 でも、沈殿していた感情の澱が、ある曲の演奏で噴出する。意識的であれ、無意識的であれ、そんなこともあるのではないか。 怒りは、そのままでは負の感情である。 しかし、熟考され、相手を見据え、理性で統制されれば正しい怒りになる。創造のタネにもなるし、時代や社会を変革する最初の刄になり得るものだ。 それから、この曲もなんなのか。こんな演奏を受け入れてなおかつ、作品として成立しているのか。 「熱情」である。誰もが知っている。私は、本当には知らなかったのかもしれない。 ベートーヴェン ピアノソナタへ短調op.57 「熱情」というのは作者の死後、ある出版社が勝手に付けたニックネームであるが、すっかり一般化している。この曲の本質にふさわしいとして、では、何に対する熱情なのか。 作曲されたのは、1804年から1805年にかけて。出版は1807年で、少なくとも1806年までは推敲を重ねていたらしい。 この頃、ベートーヴェンが熱情をかけていたのは何か。 何と言っても、創作活動だろう。なにしろ「傑作の森」の真っ只中にあったのだから。 創作への熱情が「熱情」を生んだ。そういうこともあるかもしれない。しかしそれは、好きなのは好きだから、と言っているようなもので、この時期の作品は全て「熱情」になってしまう。 何かもっと具体的なものはないだろうか。 ベートーヴェンが、特にピアノ曲を書くときは、女性への想いが契機になっていることが、まま、ある。 それは献呈者をみればいい。 ベートーヴェンの献呈者にはだいたい二種ある。 一つはルドルフ大公をはじめとするベートーヴェンの支援者。感謝を表す、ちょっと公的儀礼的なもの。 もう一つは、親しい友人に贈る友愛の気持ち。女性であっても、かならずしも恋愛感情ではないが、典型的には、ソナタno.14「月光」を献呈した、ジュリエッタ・グイチャルディは結婚も望んでいた女性だった。 恋愛ほど熱情にふさわしいものはない。 では1804〜05年当時、ベートーヴェンが思いを寄せていた相手はというと、ヨゼフィーネ・ダイムである。 献呈者は、フランツ・フォン・ブルンスヴィク伯爵だ。 恋愛感情ではなかったのか。だが実は、フランツはヨゼフィーネの実兄である。 ヨゼフィーネとベートーヴェンとの関係は親しい人にも秘密だったらしい。 ベートーヴェンらしい(他の例もある)カムフラージュで、本当は妹へ献呈したかったのだとしたら、「熱情」はヨゼフィーネへの恋ということになる。 しかし、私がリヒテルの演奏に刺されたものは、怒りだった。恋愛と怒りを同席させることができるだろうか。 「月光」の人、ジュリエッタはヨゼフィーネの従姉妹である。更にヨゼフィーネにはテレーゼという姉がいる。のちに幼児教育の先駆者として、現在もなお尊敬されている女性で、ベートーヴェンはピアノソナタno.24を献呈している。ベートーヴェン自身を、またその作品を深く理解してくれていることへの感謝の気持だろう。 そして、「熱情」の表向きの献呈者であるフランツも交えた、ブルンスヴィク家の若い人たちとの交友は、1799年に始まり、30歳前後のベートーヴェンにとって、青春の最後の光の時間だった。 ベートーヴェンにこんな輝きの時があったということが、とても嬉しい。 1804年、夫と死別し幼い子どもたちを抱えたヨゼフィーネとベートーヴェンは深く愛し合うようになる。どうもベートーヴェンは苦境にある(美しい)女性を放っておけないらしい。のちにも、同じようなことを繰り返している。 それはともかく、当時も、その後長い期間も、ふたりの関係は知られていなかったが、140年後に突然ベートーヴェンの手紙とヨゼフィーネの手紙の覚え書きが発見されて、明るみにでた。 (私は、ベートーヴェンの女性関係については、青木やよひさんの著作に寄っている。一部保留している件もあるが、信頼にたる研究だと思っている。) 結局この恋は1807年ころに(いったん)終わりを迎える。 私は、たがいに愛し合いながらの別れだったように思う。 貴族の子女として教育を受けたヨゼフィーネの古い時代の価値観、宗教観、道徳観が別れの原因の一端だったのだと思うが、そのことはベートーヴェンが死ぬまで闘っていたものだった。 ヨゼフィーネを深く愛しながらも、ベートーヴェンは怒りとやるせなさを感じていたのではなかったか。怒りは、時代や社会に向けられるべきものだが、美しいヨゼフィーネに体現していたものでもあった。 ソナタ へ短調op.57に、「熱情」という名がふさわしいのなら、その熱情には、ベートーヴェンの正しい怒りが内在していると思う。またそれは、リヒテルの怒りとも質に於いて同等だ。 これらのことは、人物たちの事実関係以外は、私の想像に過ぎない。だがこの曲が、ヨゼフィーネとの愛のなかから生まれた作品であることを、切に願う。 ベートーヴェンの生涯に関わる多彩ですばらしい女性たちのなかでも、とびっきり魅力的で、しかし最も薄幸だったかに思えるヨゼフィーネのためにも。 もう一つ、この曲にまつわる、別のエピソードから、作品と演奏について思いを巡らせたい。 1807年、ベートーヴェンは雨に打たれ、持ち歩いていたこのソナタの自筆譜を濡らしてしまう。 そのままピアニストのマリー・ビゴーに楽譜をみせた。 マリーは、濡れた手稿にもかかわらず、弾き切った。 後日、出版した後で、その自筆譜をベートーヴェンから譲り受ける。 マリーはその後パリに移住する。 雨に濡れて染みの残る自筆譜は、パリ音楽院に所蔵されている。 この話のなかで、私が一番興味深いのは、マリーが初見で弾き終えたあと、ベートーヴェンが言ったこと。 「私がこの曲に与えようとした性格そのままではないが、それでけっこうです。すべてが私のやったことではないにしても、何かより良くなっています。」 名曲といわれる作品のたぶん全ては、作者が意図した以上のものを含んでいる。優れた演奏者はそれを引き出してみせる。 ベートーヴェンの音楽は骨董品ではない。 いつも演奏されることを望んでいる。 そして、聴かれることを待っている。 仮に、私がベートーヴェンの意図しなかったことを聴いてしまったとしても、それがひとの美しさをたたえることであるならば、それでけっこうです、と言ってくれるベートーヴェンがいるような気がする。

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    WE555  |  愛知県  |  不明  |  2018年10月06日

    リヒテルの気力と技量が最も充実していた時期の録音。1940年代と50年代にこそ魅力あふれる録音を多く残しています。このころの打鍵の切れと迫力、楽曲表現の美しさはこの上なく良い。モノラル期の録音ですが、独Profilの音質は鮮明で良質です。ピアノ独奏の録音においては、モノラルでも遜色ないと感じました。むしろモノラル縦振動の打鍵音がずっしり響き、心地よいほどにリヒテルの演奏の素晴らしさを感じることができました。

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    のぶちゃん  |  宮城県  |  不明  |  2018年03月02日

    若きリヒテルのベートーベン、素晴らしいです。 音もそんなにわるくないです。このお値段なら大満足です。 大好きなテンペスト、熱情、繊細でダイナミックな技巧がさえますね。

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