Modern Day Blues
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∀ラスカル | 新潟県 | 不明 | 2010年08月01日
若いミュージシャンのジャズ・アルバムを聴く楽しみの一つに、過去のジャズ・ジャイアントたちが遺した名曲群、いわゆるスタンダードをどう料理するかという点がある。 過去の偉人たちの作風や芸風の演奏を強く受けすぎてしまうと、ミュージシャンの個性が出ていないと評されることになり、かと言ってあまりに奇を衒い過ぎると、もはや原曲すら分らなくなってしまい、いったい何のためにカバーをしたのかが分からなくなってしまう。 しかし、録音当時27歳の若者は、そのようなジレンマをいとも容易く飛び越えてしまった。 バド・パウエル、デクスター・ゴードン、キャノンボール・アダレイにベニー・ゴルソンといったビバップ/ファンキー系のジャズ・ジャイアントたちの名曲を、この若者は何の衒いもなく、まるで自らの楽曲のように演奏する。 そこには、何らの恣意性も無ければ、楽曲を材料にして自分を売り込もうなどという浅ましさも無い。 ダン・ニマーは、ただただひたすら、楽しんで楽しんでピアノを演奏する。 そして、そんな彼のピアノを聴いている我々も、自然に身体がスイングしてくる。 そのようなジャズ本来の楽しみ、否、音楽の持つ最も本質的な楽しみを味合わせてくれる1枚である。 ダン・ニマーは、ウィントン・ケリーに私淑しているという。 そんな彼の弾くピアノも、やはりウィントン同様、ファンキーでスインギーだ。 そして、ダン・ニマーは、現代という時代が求める洗練さをも身につけている。 ファンキーという一種の泥臭さと現代風の洗練さが高い次元で止揚している、それこそがダン・ニマーというピアニストを他のピアニストと隔絶させているものだと考える。 ともあれ、一度、試聴で聴いて欲しい。 ジャズの初心者の方々にとってのピアノ・トリオ入門盤としても推薦できるし、ジャズを聴き込んできたすれっからしのジャズ・ファンの方々に対しても、スタンダードを当たり前のように演奏しているのに、尚、改めて曲の素晴しさを感じさせてくれる1枚になっているのだから。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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