『京都リサイタル2013&2015』 メジューエワ(2CD)
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QBE | 不明 | 不明 | 2016年03月26日
性格の異なる二台のピアノを弾き分けたアルバム。Disc1はスタインウェイ、Disc2は100年前にチェコで製造されたペトロフが使われている。スタインウェイで弾かれるのはショパンとブラームス。彼女が過去にセッション録音したものが大半だが、ライヴらしいテンションの高さが改めて曲の魅力を明らかにしてくれる。とりわけ特徴的なのが深く打ち込まれた強音だ。鍵盤を叩いているといった方が的確かもしれない。そこから表出される感情の生々しさこそロマン派音楽に求められるものであろう。ただし、叩くといっても恣意的にブッ叩いているわけではない。楽曲の構造を見極めて、ここぞという音を強調するのだ。それがブラームスのリズムに対するこだわりを解き明かすことにもなっている。他方ペトロフは、スタインウェイに比べると倍音成分が少なく、メロディラインがクッキリと浮かび上がる。この楽器で弾いたモーツァルトとシューベルトは、ロシアンスクール出身らしい歌心に溢れた演奏だ。ウィーン古典派から初期ロマン派まではペトロフの方が向いているように思う。こうした配慮が出来ることがメジューエワの特長のひとつ。彼女は以前、ベルクのソナタ、シューベルトの第13ソナタ、シューマンのアレグロ、ブラームスのバラードを順に弾くという興味深いCDを作っている。かくのごとく考え抜かれた楽曲配列はリサイタルなら普通に行われているが、彼女ならではのプログラム・ビルディングでCDを録音できないものだろうか。○○全集みたいなありきたりの中身よりずっと興味をそそられる。販売戦略上難しいのか。(-_-;)3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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