立花隆

本 武満徹・音楽創造への旅

武満徹・音楽創造への旅

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    Tan2  |  神奈川県  |  不明  |  2021年06月30日

    立花隆氏が逝去されました。1996年に武満徹氏が亡くなったときに、NHKの追悼番組に立花隆氏が出演し、いろいろな思い出や音楽について語っていたのは、こういった交流があったからなのだ、ということをあらためて思い起こさせてくれた著作でした。 立花隆氏が一流の批判的精神をもった「自立した個人」であることが、孤独に自分の信じる道を歩んできた「自立した音楽家」武満徹氏と肝胆相照らすところがあったのでしょう、相互に深い踏み込みと信頼と共感の上に成立した奇跡的な著作だと思います。年齢差10歳なので、世代的にも親近感があったのでしょう。お二人の気さくで楽しそうな対話が聞こえて来そうです。 クラシック音楽、現代音楽を聴く人も聴かない人も、日本が戦後歩んできた道と、その中で音楽を愛し続け創造の道を歩み続けた作曲家の真摯な思いに耳を傾けることは、日本の文化の現状とこれからを考える上で大事な視点を与えてくれると思います。 立花隆氏の逝去の報に接し、ぜひ他の方々にもお勧めしたいと筆をとってみましたが、現在は在庫も乏しく絶版なのでしょうか。出版社にもぜひ再版をお願いしたく、一筆を献じたいと思います。

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    ぷぅさん  |  兵庫県  |  不明  |  2021年03月17日

    一人の作曲家にいれこんでその曲ばかり聞く時期が何度かあり武満徹も3度ほどあった。今は聞き返すたびに昔の聞き方が足りなかったなと思うが、本書を読むとまず人としての魅力に気づかされる。インタビューや著書の抜粋からの間接的なものなので、普段の人間関係とは比べられないが、ものを見つめる深さ(と簡単にかくと違和感があるが)それにもかかわらず、率直さもいろいろな人間らしさも持ち合わせ40年の年齢差からくる理解できない部分があるにもかかわらず惹きこまれる。また終戦時点で14歳ということから、戦中戦後の世相をひとりの人間が感じたままを実感ゆたかに表すさまは読んでいて非常に興味深く面白い。人間の意識、行動などの動機など最も根源的なものを語るさまは、自分の同じものを言葉で語ってくれるようで気が晴れるようで、これは音楽家の伝記的なものであると同時に、一人の人間が世界に語る人というもののさまざまなことといった良い本。立花隆の武満氏逝去のときの男泣きの映像も思い出された。

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    うーつん  |  東京都  |  不明  |  2020年04月17日

       ページを開くと縦書き2段組でページ余白もかなり狭く、小さい活字でびっしりと書かれてあるヘビー級の内容。戦後から武満徹が、そして日本の音楽芸術がどのように育っていったのかが生き生きと書かれている。    私が購入し聴いてきたCDの中で武満徹は「弦楽のためのレクイエムはストラヴィンスキーに激賞された。ノヴェンバー・ステップスで世界におどりでた」という「過去形」で書かれていた部分が現在進行形で話が進んでいく。  もちろん編集の妙もあるだろうが、立花隆との対談も相当馬が合ったのだろう。話のテンポは快適、内容は実に興味深く、本人だからこそ語れる話と、それを裏付ける立花隆の綿密な取材と資料収集がうまく混在して武満徹の半生や作品、時代の流れを読むことができる。音楽一辺倒にならずバランスよく話が盛り込まれている点は、立花隆が音楽の専門家でないのが功を奏しているように思える。立場も仕事の拠点も異なるが、その時代の空気を一緒に吸っているからこそ語り合える… そんな、ちょうどよい距離に両者がいるおかげでこれだけの大作が著されることになったのだろう。    戦後日本の音楽界、作曲などの芸術、文化・思想の変遷、社会の動向がリンクして書かれているのでどれかに興味を持つ方であれば誰でも本書に入り込み、さらに違う分野にも視野が広がることは間違いない。    ざっくり要約するなら、武満徹の音楽作品に焦点をあてるというより、戦後日本の歴史の様々な諸行の中で「武満徹」にスポットライトを当ててその旅路を追うということになると考える。残念ながら武満徹の逝去でインタビューは完結しなかったがそれでもこの著作の価値が下がることはないだろう。

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    テリーヌ  |  Hyogo  |  不明  |  2018年03月21日

    武満徹さんへの長時間インタビューをはじめ徹底的な取材から書かれた膨大な著作内容も素晴らしいのですが、立花隆さんの武満さんに関するこの著作への注力の情熱が凄いです。他にも多くの有名な著作がある立花さんですが、武満さんへの関心度がかなり高かったのですね。立花さんは若い頃から現代音楽好きで、前衛音楽を含む新しい音楽のコンサートにもよく行っていたということは、この本を読んではじめて知りました。

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