Thomas Stronen

CD Time Is A Blind Guide

Time Is A Blind Guide

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    hiro  |  愛知県  |  不明  |  2015年10月07日

    Thomas Stronen(1972年〜) は、ノルウェーのドラマー、作曲家。 Arve Henriksen、Eivind Aarset、Bobo Stenson、Sidsel Endresen、Bugge Wesseltoftなど、共演者は数知れず、北欧のジャズ・シーンになくてはならない存在。 ノルウェーのユニークなレーベル、Rune Grammofon を主な舞台として、エレクトロニクスを多用したFoodやHumcrushといったバンドのアルバムもリリースしてきました。 更にECMからは、別のバンドのアルバム「Parish (2006年)」、そしてFoodの「Quiet Inlet (2010年)」、「Mercurial Balm (2012年)」をリリースしています。 そして、この「Time Is A Blind Guide (2015年)」。 アルバム・タイトルであり、バンド名でもあるTime Is A Blind Guideのメンバーは、Thomas Stronen (ds, perc)、Kit Downes (p)、Hakon Aase (vln)、Ole Morten Vagan (double bass)、Lucy Railton (cello)、Siv Oyunn Kjenstad(perc)、Steinar Mossige (perc) 。今回は、アコースティックなサウンド作りに専念したようです。 アルバムは、Sun Chung(ピアニストMyung-Whun Chungの子息でAaron Parksの「Arborescence」などをプロデュース)とStronen自身のプロデュースにより、2015年6月、ECMの本拠地とも言えるオスロのRainbow Studioにて録音されました。 ECMにしては、録音からリリースまでの期間が驚くほど短いのは、Manfred Eicherが細部まで関与していないためか、それとも「旬の音」を少しでも早く、リスナーに届けたかったためか? 1曲目「The Stone Carriers」は、オーケストラの音合わせのような雰囲気から始まります。チェロとヴァイオリンとベース、そしてパーカッションが織りなす、予期された不協和音。そこにピアノが加わることにより、不確定なサウンドは徐々に方向を定め、一定のリズムが生まれ、更にチェロとヴァイオリンの絡み合いから、無国籍風の旋律が生み出されていきます。ピアノの闊達なソロが登場すると、リズムも激しさを増し、曲はダイナミックに展開されていきます。 ネイティブなパーカッションの鼓動が響き渡る2曲目「Tide」。 3曲目「Everything Disapears Pt.1」は、美しいピアノの響きとパーカッションが音で描く抽象絵画。 4曲目「Pipa」では、一転してクラシカルなサウンドが、チェロとヴァイオリンのピッツィカートにより演出されます。その旋律はエキゾチックであり、Stronenの作曲能力の高さにも驚かされます。 5曲目「I Don’t Wait For Anyone」も弦楽器が強調されており、ECMのレーベル・カラーによく馴染んだ曲調。あくまでもアコースティックにこだわったStronenの強い意思を感じることができます。極めて映像的であり、美しい情景を喚起させるピアノ・ソロも素晴らしい。 パーカッションの残響が部屋を満たすかのような6曲目「The Drowned City」では、ちょっと深刻な表情のヴァイオリンが曲を支配します。ピアノが加わる刹那は、全体が明るく彩られますが、またも弦楽器が重いサウンドを形成していきます。 鮮やかなピアノの響きから始まる7曲目「Lost Souls」。ピアニスト、Kit Downesの参加は、このアルバムを成功に導いたようです。パーカッション、ヴァイオリンそしてピアノの対話は、大きなサウンドの波、親しみのあるメロディを形作っていきます。 8曲目「Everything Disappears Pt.2」は、打楽器のみで構成されています。曲の配置としては効果的で、耳の緊張感が途切れることはありません。 9曲目「Time Is A Blind Guide」は、前曲の延長のように鳴り響くパーカッションから始まります。ベース、ピアノ、更にヴァイオリン、チェロが加わっていくと、このアルバムの基調をなす、美しくも郷愁を帯びたサウンドが立ち現れます。 10曲目「As We Wait For Time」は、どこか民族音楽的。雅やかでリズミカルなサウンドは、このアルバムのハイライトとも言うべき出来栄え。 ラストの「Simples」は、雅楽を思わせる曲調。ここでも鮮明なピアノの響きが印象的で、夢の続きを見たいような心持ちにさせられ、アルバムは幕を閉じます。

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