親なるもの 断崖 1 ミッシィコミックス
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赤井ハコ | 滋賀県 | 不明 | 2015年07月15日
6月ごろからやたらバナー広告に無料試読みが出ていたので、暇つぶしに読みましたところ、はまりました!本で欲しいと思いましたが絶版になっていたのですが、やはり名作に心打たれる人が多かったのか、この7月に復刻されました。 戦争と貧困は常に社会の底辺に生きる人たちにしわ寄せ、というには簡単すぎるほどの過酷な人生と生活を余儀なくさせます。 まだ年端のいかない少女たちが、女郎の意味も分からないままに心と体を凌辱されること、廓の窓から見上げる空に故郷を浮かべ、廓を出ることはほぼ死ぬときであることを悟ります。そこに生きれば生きるだけ、借金はかさみ、心身ともに病気に侵される日々。女に生まれることは、こうも辛く悲惨な人生を受け入れるしかないのか…。ある日社会の矛盾と女としての生とは何かに気づいてしまったら、己の境遇をもっと悲惨に感じ、だけど逃げ出せない・死ぬこともままならない己とは…。元女郎という差別と凌辱にあえぎ、それでも誰かを愛し思いやるその心…。 生まれる時代・場所・環境が違ったら、私も彼女たちと同じ人生をたどったかもしれません。 この作品は、社会の矛盾、底辺社会の人々の思い、必死さ、過酷さを丁寧に描いた素晴らしい作品だと思います。 過激な描写や目を背けたくなる表現も多々ありますが、史実は事実と認め、二度とこのような社会に戻ってはいけないと強く思いました。 老若男女問わず、この傑作をたくさんの人に読んでほしいと思いました。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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