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マーラー(1860-1911)

SACD 交響曲第10番(クック版)全曲 インバル&東京都交響楽団(2014)

交響曲第10番(クック版)全曲 インバル&東京都交響楽団(2014)

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    John  |  UNITED STATES  |  不明  |  2015年01月31日

    Eliahu Inbal has always been an excellent Mahler conductor. His fortes are great attention to balance and myriad details, careful delineation of the polyphony, sensible phrasing, and judicious choice of tempos, all of which are in keeping with the big picture never sacrificing the forest for the trees. His interpretation is never dull or routine and typically draws cumulatively dramatic effects. This latest account of Deryck Cooke’s performing edition of the complete Tenth Symphony is a case in point. It shares all the features of Inbal’s first recording with Frankfurt Radio Symphony Orchestra (still available on Denon label), but the Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra of which Mr. Inbal is the music director has sheer brilliance in their execution as well as the golden sonority that’s really hard to resist. Happily, Inbal adds rubato in places, e.g., Scherzo I. & II., with wide dynamic contrasts enhancing the drama underlying the score. Exton supplies with sonics that are nothing short of jaw dropping; it has impressive dynamic range, details, ambiance and warmth. This is then a tremendous performance/recording of Mahler’s last symphonic thoughts in the late romantic fashion, incomplete but endlessly fascinating and poignant. I was completely bowled over.

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    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  2015年01月18日

    何といっても10番はマーラー全作品中、最愛の一曲であるから、渡邉暁雄と都響によるクック版の日本初演(1976年)以来、聴きうる限りの5楽章版の演奏には欠かさず足を運んできたが、これはやはり別格と言うべき圧倒的な演奏。近年のインバルの指揮は、総譜の緻密な再現に徹して、余分な表情づけをどんどん切り捨てていっているが、クック版は演奏家による表情づけがなければ、もはや音楽にすらならないような楽譜。全曲最後のヴァイオリンのグリッサンドをフリーボウイングで印象づける(結果としてトーン・クラスターのように聞こえる)など、演奏経験豊富な指揮者ならではの練達の技が随所で光るが、インバルとしては珍しい積極的な楽譜への踏み込み(第2スケルツォではマーラーの書法ではないと評判の悪いシロフォンをあえて採用してさえいる)がもともと淡白なクック版と絶妙な化学変化を起こしたと考えるべきだろう。今回のマーラー・ツィクルス最大の成果であることは間違いない。ただ、一箇所だけ文句を言うならば、響きの薄い箇所でせっかちになりがちな、彼の悪癖が顔をのぞかせてしまっている。具体的には第4楽章末尾や第5楽章冒頭だが、こういう所ではもっと休符に「物を言わせて」ほしかった。都響はもちろん圧倒的にうまく柔軟性に富み、その限りでは何も言うことはないのだが、今のところは指揮者の道具でしかない。オーケストラ自体が明確な個性と自発性を持って、指揮者の解釈に対峙できるようになれば正真正銘、どこへ出しても恥ずかしくない世界第一級のオーケストラだ。

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  • ★★★★★ 

    norry  |  東京都  |  不明  |  2015年01月17日

    この演奏の実演には2014年7月20日、21日の両日とも行くことができた。前回の9番同様、いやそれ以上に、この10番は、インバル・都響のマーラーが世界最高峰であることを如何なく示したと思う。バーンスタインは、マーラーを、19世紀と20世紀の境界線を跨いで立つ巨人という趣旨の言葉で表現し、それは全く正鵠を射ているが、このことはマーラーの演奏に、19世紀からのアプローチと、20世紀からのアプローチとの双方が可能だということを示している。そしてこの観点からすれば、インバルのマーラーは、完全に20世紀(いや今回の10番の成果を踏まえるなら21世紀からというべきか)から見たものだ。このことは、前回の9番の演奏が、完全に19世紀末、あるいは20世紀初頭のベル・エポックの耽美的な美学を脱し、絵画で言えば抽象的、幾何学的な表現主義の時代に達したカンディンスキーを思わせる、極めて精緻にして厳しい精神性に到達したものであったことからも明らかだ(このような印象は、もともと9番自体が、非常に自己完結性と内容的な客観性の高い作品であることが大きな要因となっている)。そしてこのように20世紀、あるいは21世紀からマーラーにアプローチする姿勢を一貫させた場合、むしろ10番こそが真の頂点(もちろん開かれたという意味での)を形成するという結論は自然なものだろう。しかし現実には、10番が「未完」であったという理由で、アプローチの如何にかかわらず、9番がマーラーの到達点と長い間見做されてきた。小生は、クック版はじめ、数ある10番の補筆完成版のうち、どれが真に優れているか、詳細に論じる能力は持ち合わせていないが、今回のインバル・都響の10番の、本当に瞠目すべき成果を前にすると、やはり「未完」とは言ってもマーラーが、(一応完成したと言われている1楽章、3楽章以外についても)その内容の本質的なところは十分に略式総譜(パルティチェル)に残し得たのだということ、そしてそれに、インバルの、まさに生涯を通じて一貫していると言っていい、マーラーのポリフォニックな音楽言語に徹底して忠実な解釈(むしろ民族性とか本能とかそういうレベルのものというべきなのだろう)が相俟って、ようやく、20世紀(そして21世紀)から見たマーラーの真の到達点が示されたのだということを強く感じる。確かに、クック版以外の版も含め、10版の補筆完成版の録音は既に相当数に達しているが、インバル自身の2種(FRSOとコンセルトヘボウ)も含め、これまでの録音はいずれも、今回のインバル・都響が到達した高みには達していない。それを如実に示しているのは、小生が実演でも感じたところからすると、似ていない双子のような2つのスケルツォ(2楽章と4楽章)である。インバル・FRSOの92年の録音では、いずれの楽章も非常に切れ味鋭く、鮮やかな名演であるが、よく指摘される、クック版の「響きの薄さ」が感じられ、聴後の感想としては、やはり草稿の補筆なのだな、という印象は拭えなかった。ところが、今回の都響版では、特にテンポの微妙な揺らし方と、都響の各楽器の変幻自在な音色の配合と変化が相俟って、極めて豊かな音楽になっていることが特筆される。2楽章は、FRSO版を含め他の演奏と比較して遅めの訥々としたテンポで始まるのだが、主部に入ると俄かに量感と鋭さを増して突進し、ところがレントラーのようなトリオの部分ではぐっとまたテンポを落としてルバートを多様し、5番の3楽章のような本当に変幻自在の舞曲となる(4番の2楽章のヴァイオリンソロの部分が引用されるのは周知だろう)。全体に躁的な諧謔味の強い2楽章に対して4楽章は絶望的な皮肉の音楽であり、強くショスタコーヴィチを予感させる(終結部など15番の世界と変わらない)が、やはり舞曲性は濃厚である。このような両スケルツォの本当に豊かな音楽性は今までどの録音でも感じたことがなく、実に素晴らしい。おそらくインバルが細かく指示しているのだと思うが、(全曲を通じてだが)弦にしても管にしてもアーティキュレーションが恰も細かく絵筆を使い分けているかのように繊細で表情付けが豊かなのが要因なのだと思う。BPOやVPOのようなスーパー・オケだと、特に何も指示しなくても各楽員の突出した技量の合成で自然にある種の響きが生まれてくるのだが、だからと言ってそれがマーラーの音楽言語に忠実であるかというと全くそうではない。1番から徹底的かつ意識的にマーラーの音楽言語を突き詰めてきたインバル・都響の共同作業の最終的な成果が今回の10番の響きなのだ。10番については、楽章構成が5楽章で、中間の3楽章が短いという点を含め7番に類似していること、内容的にアルマとのエピソードが強い影響を及ぼしている点で5番や6番に近いこと、3楽章が「角笛」の「この世の暮し」を元にしている点で、4番以前の角笛時代との関連もあること、さらには1楽章と5楽章で強烈な不協和音を用いたカタストロフの部分があり、20世紀音楽の技法の一つであるクラスターを先取りしていると言われていることなど、論ずるべき興味深い点は尽きず、また、この演奏と録音はこれらの論点についても様々な思索を呼ぶものであるが、そこまで書いている余裕はない。しかし、なぜこの演奏と録音が(これまでのインバル・都響のマーラーチクルスの演奏と録音にもさらに増して)胸を打つのかと考えたとき、やはり、現代の我々が、震災にしろ、テロにしろ、財政危機にしろ、様々なカタストロフやその予感の中で、慰めと希望を求めて生きていかざるを得ないというナマの感覚に、最もアクチュアルに応える演奏であったということなのではないだろうか。マーラーに関するこういった言い方自体、ある意味紋切型で、小生自身これまで好きではなかったが、この演奏を聞いて以後、日々このような実感を否定しようのない自分を感じている。その意味ではマーラーの10番は我々の生きる21世紀を予言していたとさえ言ってよいのだろう。インバル・都響はそのことをもっともアクチュアルに感じさせてくれたのだ。実演でもそうであったし、録音でもそうだが、5楽章のカタストロフが収束した後の連綿と続く、楽章の最初に登場するフルートソロの旋律をもとにした音楽は、涙なしには到底聞くことはできない。最後のグリッサンドの跳躍と下降、そこにおける(9番の4楽章でも登場した)フリーボウイングの効果は、言語を絶するものだ。このような演奏を実現した都響の方々の技術面、精神面両面における水準の高さも、いくら賞賛しても賞賛仕切れるものではないだろう。鈴木氏のヴィオラ、四方氏のヴァイオリン、古川氏のチェロ、それぞれのソロはいうまでもなく、寺本氏のフルート、岡崎氏のトランペット(カタストロフの部分はもちろんだが、個人的には2楽章の始まって間もない部分など絶妙である)、西条氏のホルン、佐藤氏のテューバ等々、やはりプロの頂点の仕事である。マーラーの使徒インバルと、都響との共同作業が、今後も長く続くことを祈念したい(もちろん新音楽監督である大野氏との発展も含め)。

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  • ★★★★★ 

    ひとみ  |  不明  |  不明  |  2015年01月10日

    果たして、オーケストラが、これほどまでに美しい音楽を奏でたことが、嘗て、あっただろうか?自由自在・融通無碍の境涯に達した、インバルの指揮に、プラチナ・シルバーの光沢を湛えた、純粋・透明、硬質なヴァイオリンが、終始、高音域を貫いて、ブリリアントな(インバル)、輝かしいマーラー節で応える。マーラー最晩年の心象風景を、見事に描き切ったヴィオラ。時に甘く囁き、時に優しく語りかけ、時に轟々と雄叫びを上げる低弦。随所で、さりげなく、美しい独奏を聴かせてくれた木管。インバルが11音だという、あの不協和音さえ、濁りなく、美しく、重層的に、響き渡らせた金管。透明にして濃密、正真正銘の、インバル・サウンドが、ここに繰り広げられる。このディスクは、東京都交響楽団、TMSO、自家薬籠中の「マーラー表現法のパレット」 (インバル)によって、「混沌から最も繊細な表現に至るまで」 (同)完璧に再現された、マーラー未完の交響曲第10番クック版、厳密には、「デリック・クック補筆による、草稿に基づく演奏用ヴァージョン」5楽章、全曲演奏のレコードである。本ツィクルス、前作の9番と、この10番とを、連続して再生してみるとよい。この10番が、いかに出色、特別か、自ずから、顕かとなるだろう。この10番のディスクは、再生装置を選ばない。どのような聴き方をしても、ホールで聴く、実演奏の響きと、雰囲気を、そのままに再現してくれる。これほどの録音もまた、未だ嘗てなかった。但し、「ライブ収録」とは、記載されていないように、2014年7月20日 、21日両日の、サントリーホール・マチネーも含め、複数のテイクを編集したレコード、つまり、当日の演奏会とは必ずしも一致しない「録音芸術」と見做すのが、妥当だろう。同じホールを、2日続きで使ったメリットが、最大限に活かされた結果だ。事実、この10番以外は、2つ、もしくは、3つの演奏会場で収録されていた。日本経済新聞、池上輝彦氏は、このインバル&都響の演奏会を通じて、マーラーの交響曲第10番を「マーラーの最高傑作」と位置付けた。これまでにも、マーラー自身の手で完成されていたら 、「最高傑作となっていたであろう」という評価は、見受けられた。しかしながら、「交響曲第10番はマーラーの最高傑作」という評価は、インバル&都響の演奏によって、おそらく、今回、初めて、もたらされたものだろう。これは、それほどに、画期的・記念碑的な演奏だったのだ!インバルのマーラーを初めて聴いて30年。この東京都交響楽団との、クック版、マーラー交響曲第10番の全曲演奏は、間違いなく、インバルのベスト・レコード、代表作である。マーラー演奏の到達点として、オーケストラ演奏の到達点として、世界中の音楽愛好家に聴いてもらいたい演奏である。

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  • ★★★★★ 

    james  |  City/Town  |  不明  |  2015年01月08日

    It is superb recording. Maestro Inbal has spectacular job, it’s moving and heartfelt interpretation!. Highly recommendation to who is interested in Cooke version of 10th.

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  • ★★★★★ 

    七海耀  |  埼玉県  |  不明  |  2014年12月22日

    インバルと都響の10番は、以前ライヴで聞いたことがある(2回目のチクルス?)。これは、美麗な演奏で、弦などもう鮮烈且つ流麗。金管も遺漏なく、ともすれば、色々な要素がバラバラに聞こえるこの曲を、ひとつのまとまった作品として、一気に聞かせる。フランクフルト放送響との録音よりも、こちらの方が完成度としては上だろう。RCOとの映像もあるが、そっちはあまり熱心に聞いていない。録音がメチャクチャ良い。

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  • ★★★★★ 

    クリングゾール  |  静岡県  |  不明  |  2014年12月21日

    7月20日の公演を聴いて感激したので、リリースを楽しみにしていたディスク。 あらためて素晴らしい演奏を堪能しました。ライヴでも痛感したのですが、都響のべらぼうな巧さ!それも単に技巧的に優れているだけでなく、こちらに訴えかけてくるような熱さがある。そして、日本のオーケストラの持つある種の無国籍的側面が、ここではプラスに働いて、いい意味でコスモポリタンな演奏になっていると思います。それにしても、この訴える力の強さは、指揮者インバルによってインスパイアされていることは明らか。もしかしたら、祖国が国際政治的にのっぴきならない状況に置かれていることと無関係ではないのかもしれない、と思いました。そして、録音の見事さも特筆すべきものです。単にクリアでというだけでなく、コンサートの雰囲気を見事に再現している。「日本のオーケストラはアカン」とか、「国内盤はアカン」とか、「クック版はアカン」と言って憚らない方々がおりますが、そんな方々にこそ、是非聴いてもらいたい演奏ですね。ホント凄いマーラーです。 (※但し「インバルのうなり声はアカン」という方々には、あまりお薦め出来ません、悪しからず(^^;)

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  • ★★★★☆ 

    saitaman  |  埼玉県  |  不明  |  2014年11月24日

    この演奏は、サントリーホールで生で聴きました。大変見事な演奏でした。CD化されて録音状態がどうなっているかはわかりませんので4つ星にとどめておきますが、演奏の質については実際に立ち会った聴衆の1人としてお薦めできます。

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