Jacob Young

CD Forever Young

Forever Young

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    hiro  |  愛知県  |  不明  |  2014年05月01日

    独特のサウンドカラーで知られるECMからでなく、メジャーレーベルからリリースされたとしても何ら違和感を抱かないアルバム、Jacob Youngの「Forever Young 」。 温度感は低めとはいえ、決して冷淡なサウンドではない。ガンガン迫ってくる感はないものの、ECMらしさが美点となっている。それは、穏やかさ、静けさ、内に秘めた情熱のようなものでは・・?。 サックスが大きくフィーチャーされており、美しいピアノの響きも印象に残ります。リーダーであるYoungのギターは、曲の中で効果的なソロを聴かせるとはいえ、目立つ存在ではなく、全体のサウンドを構築する方向に力を注いでいるようです。 プロデューサーのManfred Eicher の采配とは思いますが、 Eicherの意向に沿って、わき役に回ったYoungも偉いと思います。 Jacob Youngは、1970年ノルウェー生まれのギタリスト。 Arild Andersen、Nils Petter Molvaer、Trygve Seim、Karin Krogなど、北欧ジャズを好む方にはお馴染みのミュージシャンと共演を重ねてきました。 ECMでは、これまでにEvening Falls (2002年)、Sideways (2007年)を発表しています。 本作は、2013年8月、オスロRainbow Studioにて、Jan Erik Kongshaug の手により録音されました。メンバーは、同じくノルウェーのTrygve Seim (ts,ss)、ポーランドのMarcin Wasilewski (p)と彼のトリオのリズムセクションSlawomir Kurkiewicz (bass)、Michal Miskiewicz (ds)が務めています。 ECMならではの面子であり、緻密なインタープレイが期待できる顔ぶれと言えましょう。 曲は全てYoungのオリジナル。彼は、自作をこの優れたアンサンブルの中で、心ゆくまで鳴らしたかったのだと思います。 美しいピアノと共に空間を漂うギター、そこに豊かなトーンのサックスが絡む冒頭の「I Lost My Heart To You」。この、えも言われぬ心地よさが、最後までアルバム全体を覆っています。 ECM繋がりでいいますと、スローな曲ではRalph Townerを、アップテンポではPat Methenyを思ったりもします。 また、 YoungがYAMAHAのギターを使用してくれているのも、我々には嬉しいところ。 私は、リズミカルで、そこははかとない異国情緒が漂う7曲目の「1970」と、親しみやすいメロディーで軽快に奏でられる9曲目の「Time Changes」がいまのところのお気に入りです。 73分間を決して長く感じさせない傑作であり、ECMファンのみならず、多くの方々に聴いて頂きたいと思います。

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