リヒャルト・シュトラウス 作曲家 人と作品
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Tan2 | 神奈川県 | 不明 | 2021年04月09日
意外にリヒャルト・シュトラウスについて書かれた本は少ないです。最後のドイツ保守本流の作曲家として、いわゆる「後期ロマン派」に属する交響詩やオペラを数多く残し、交響詩や「ばらの騎士」などのオペラはヨーロッパでは定番中の定番で演奏頻度も非常に多いですが、その生涯や生き様が体系的に書かれたものはほとんどありません。その意味で、この岡田暁生氏の著作は貴重です。 リヒャルト・シュトラウスは、前半生の19世紀中にほとんどの交響詩や管弦楽曲を書き終え、後半生の20世紀になってからはもっぱらオペラを作曲しました。 そして、晩年にはナチスから「帝国音楽院総裁」にまつりあげられ、1940年には日本の「皇紀2600年奉祝曲」まで作曲しています(この曲、ほとんど演奏も録音もされません)。第2次大戦後の1949年まで生きていて、最後まで作曲を続けていました。絶筆の「4つの最後の歌」なんて実に感動的です。 いわゆる「職人的芸術家肌」の政治音痴だったのですね。 そんな人間・人生を知ることで、ほんの少し音楽が深く味わえるかもしれません。 「西洋音楽史〜「クラシック」の黄昏」(中公新書)などの優れた著作の多い岡田氏のそもそもの研究対象がリヒャルト・シュトラウスだったということからも、充実した内容になっています。0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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