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CD 京都のイリーナ・メジューエワ〜ライヴ録音集2007−2012(5CD)

京都のイリーナ・メジューエワ〜ライヴ録音集2007−2012(5CD)

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    QBE  |  神奈川県  |  不明  |  2013年05月31日

    この素晴らしい5枚組BOXがリリースされて3か月が経過したというのに、一つのレビューも付いていないのはどうしたことでしょう。非力なれど、これをキッカケに他の人が書き込んでもらえればと思い先陣を切らせていただきます。すべてを聴きこんだわけではないのでディスク5に収録された「展覧会の絵」について。この曲には半世紀前に録音されたホロヴィッツとリヒテルのスタンダードが存在します。しかし、メジューエワさんで聴くと二人の演奏とはすいぶん印象が異なりました。一番の違いはリズムです。五拍子と六拍子を組み合わせた冒頭のプロムナードから始まってキエフの大門に至るまで、グルーヴが途切れることはありません。一方、往年の巨匠からは特にグルーヴは感じられませんでした。同じくロシア出身のフェルツマン盤もグルーヴに乗った快演でした。とはいえ、彼女が単調なインテンポで弾き続けている訳ではありません。曲想に合わせてテンポを変え、ルバートを挟みます。しかし、どれほどリズムを崩しても、聴き手の意識の中では拍子が保持されグルーヴが失われることはないのです。そのうえ、リズムとテンポの変化には必ず音色や和音の変化が伴っています。彼女のパレットは色彩が豊かです。ペダルを駆使して様々な色合いを作り出します。その代償に多少音の濁りが感じられるとしても止むを得ないでしょう。もう一つだけ。メジューエワさんはロシアン・スクール出身らしく溢れんばかりの歌心の持ち主です。彼女にとってピアノを歌わせるとは、表層に現れたメロディだけを綺麗に弾くことではありません。主旋律の陰に隠れがちな対旋律や伴奏にも生き生きとした歌を与えます。このBOXには稀代のメロディメーカーであるシューベルトの作品が幾つか収められていますが、主旋律の流麗さを犠牲にしても、十本の指が紡ぎ出す音型のすべてを歌わせようとする姿勢は一貫しています。

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