Chants

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    hiro  |  愛知県  |  不明  |  2014年04月22日

    一聴して、ECM(Manfred Eicher)の色に染め上げられたピアノトリオという印象を受けました。しかし、それは、モノトーンばかりでなく、カラフルな色彩を感じさせる音群でもある。 ピアノトリオの新しい形を模索し、ある地点にまで到達し得た、Craig Tabornのキャリアの節目となる作品であることは、間違いないと思います。 Craig Tabornは、1970年生まれのアメリカのピアニスト、作曲家。シンセなども巧みに操るそうです。これまで、Roscoe Mitchell、Chris Potter、Tim Berneなど、錚々たるミュージシャンと共演を重ねてきました。 波間に煌めく陽光のようなピアノが印象的だったソロ「Avenging Angel(2011年)」に続く、ECMからのリーダー第2作目が、この「Chants」で、今回はトリオ編成。1981年生まれのThomas Morgan (bass)、1963年生まれのGerald Cleaver (ds)という、共に最近のECMでは、しばしばその名を目にする売れっ子が、脇を固めます。 録音は、2012年6月、ニューヨーク、アバター・スタジオにて。曲は全てTabornのオリジナル。 タイトルの「Chants」とは、単に歌うことだけでなく、「聖歌」の意味も込められているのでしょうか?いきなり「Saints」(聖人・ 殉教者?)という曲から始まります。その「Saints」は、幾何学的な感じの曲ですが、ピアノの音がとても綺麗で適度な躍動感もあり、頭でっかちの印象は受けません。 続く「Beat The Ground」は、ミニマルなテーマから始まり、スピード感溢れる3者が織りなすアラベスクの世界へ突入。そして、突然のエンディングが。 「In Chant」は、キラキラとしたピアノから始まる思索的な曲。緊張感が、ここそこに漂っており、特にベース、ドラムスが幽玄の世界に誘うかのようなサウンドを演出します。 「 Hot Blood」は、ドラムスのイントロがカッコいいアップテンポの曲。ここでの縦ノリ感はTabornの持ち味でしょうか?これもいきなりのエンディング。 「All True Night / Future Perfect」では、ピアノの音が空中に拡散し、3人が図形を描くように曲を進めていきます。それぞれの音がくっきりとしており、ある種の美しさを感じるのは私だけではないと思います。 「Cracking Hearts」は、密やかなドラムソロから始まります。ピアノとベースが断続的に加わり、中盤からドラムスは渦巻く風のようなプレイで2人を煽ります。 「Silver Ghosts」は、特定のリズムを持たず、淡々と進められていく曲。やはり、美しいピアノの音がアクセントになっており、リスナーは時に波のように押し寄せるその響きを追いかけることに。「Silver Days Or Love」は、続編でしょうか?3者が互いの方向を探り合うかのように曲を進め、ピアノの煌めきが空間にちりばめられていきます。 ラストの「Speak The Name」は、ドラムスが曲を先導し、続いてピアノがシンプルなテーマを奏でると、それが間断なく分解され、前へ前へと進んでいきます。スティーヴ・ライヒがジャズを演奏したら・・、と思わせるようなミニマル感に溢れた曲。

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