KEIN  |  東京都  |  不明  |  2012年12月01日

若い頃 頻繁にＮＨＫ交響楽団を指揮していた岩城さんは熱血漢だったが、後年は体調を患ったこともあってか おとなしい感じで残念な気もしていた。この演奏にも熱気はなく、むしろ体温を感じさせない。当然 それは武満の音楽に適している。しかし無機質ではなく、作品への愛情のようなものが伝わってくる。メルボルン交響楽団はクリスタルのような美しく繊細な音を奏でる。とくにドリームタイムが すばらしい。そのほか選曲も録音も良く、有名曲以外でも パルマなどは なぜ演奏される機会が少ないのか？ 不思議なほどで、これは武満ファンなら必携の そうでない人にも武満の音楽の入門的な意味でも、また岩城宏之という指揮者の再評価という点でも すばらしい内容だと思う。