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ワーグナー(1813-1883)

Blu-ray Disc 『ニーベルングの指環』全曲 ルパージュ演出、レヴァイン、ルイージ指揮、メトロポリタン歌劇場(2010−2012)

『ニーベルングの指環』全曲 ルパージュ演出、レヴァイン、ルイージ指揮、メトロポリタン歌劇場(2010−2012)

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    蟹缶  |  東京都  |  不明  |  2012年12月15日

    たしか現支配人のピーター・ゲルブが「メトのライバルはヨーロッパの劇場でなくブロードウェイだ 」と語った。その言葉の意味するところは無教養な観光客をもターゲットにしているメトではヨーロッパのオペラハウスの様に実験的な頭でっかちの演出は許されない、という事だろう。つまりメトの演出家はオーソドックスな演出を好むお上りさんと同時に新聞評を書くNYの辛口批評家をも満足させなければならない、という難問を突きつけられるのだ。そういう意味ではこのロベール・ルパージュの演出こそメトにおける演出のあり方のみならず今後のオペラ上演はいかにあるべきか?という問いに対する非常に説得力ある回答だろう。演出そのものは衣装や小道具等はオーソドックスでありながら目新しさはと呼ばれる未曾有の巨大舞台機構に集約させている。は時にライン河になり、森になり、魔の炎になりワルキューレ達の乗る馬にもなる。一台を駆使して場面転換の多いの情景を巧みに変化を付けつつの長大な四部作をひとつの作品として統一感を出している。ルパージュ演出はアクロティクな仕掛けも面白いが丹念な演技指導も功を奏してたんなるコケオドシでは終わっていない。何よりこの演出はメト以外では絶対再現不可能という意味でこの劇場の財産だろう。何しろとてつもない加重の掛かるゆえに近代的なメトの舞台ですら補強せざるを得ず、巨大すぎて分解不可能になり結局劇場備え付けになったそうだ。つまりはこの演出が廃棄させるまでメトに設置されたままになる。制作費を減らすために幾つかの劇場で共同演出する事が当たり前になったオペラ界だがこの演出に限り門外不出となった。今後もこのを劇場で見たければメトへ行くしかない。そういう意味でもこうやって映像で見られるのは貴重といえる。歌手もメトらしいオペラ界のスターを集めた豪華キャストである。急遽代役立ったジークフリートのジェイ・ハンター・モリスいかんせん役不足だが他のメインキャストは非常に充実している。デボラ・ボイト、ブリン・ターフェル、ヨナス・カウフマン・・・ら歌も演技も上手いキャストをずらり揃えてまさに壮観である。指揮は前半二作はレヴァインが振り後半二作はルイージが手掛けたために音楽面ではやや違和感を感じないでもない。ただ元々は一作毎に全くスタイルが違うので致命的というほどではないだろう。最後に出来るならDVDでなくBlu-Rayを買う事をお奨めする。この上演は特に高画質高精細で見る方が感動がより深まるに違いない。

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  • ★★★★☆ 

    村井 翔  |  愛知県  |  不明  |  2012年09月21日

    演出は具象的で分かりやすいし、もちろん映像の投影が前提だが、唯一の装置である巨大な可動式パネルを最後までうまく使い回すなど、全体としてのプランは良くできている。『ワルキューレ』第2幕のヴォータンの長大なモノローグでは、さすがに説明のための映像を流すが、それでもバレンシア・リングのような視覚的スペクタクルの方向には行かず、音楽を邪魔しない控えめな演出。だから過剰に説明しない、解釈しないというレジーテアーター(演出家主導の舞台)へのアンチの姿勢を最後まで貫けば良かったのに、下手に役者(歌手)を動かそうとすると『ジークフリート』第3幕の槍の折り方から『神々の黄昏』最終場のグラーネ(馬)の登場まで、失笑せざるをえない箇所があちこち出てくる。少なくとも雄弁で豊麗なレヴァインの指揮との相性は良かったと言えるだろう。そのレヴァインが途中降板せざるをえなくなったのは残念だが、私はむしろ代役のルイージの指揮の方に感心した。音楽作りの方向がレヴァインと正反対ではなかったのは幸いだが、違いがあるかと言われれば、やはりある。ルイージの方が繊細で透明度が高く、スリムかつ鋭角的だ。昔のゲルマン系指揮者のドロドロ、ギトギトの指揮とは遠く離れた、カラヤン、サヴァリッシュ路線の進化形とも言える清新なワーグナー。『神々の黄昏』になると、さすがにもう少しスケールの大きさがあれば、という不満もでてくるが、最後まで自分のスタイルで振りおおせてしまったのはお見事だ。 歌手陣に関しては、主役級に致命的な穴がないのは、やはり誉めてよいだろう。ヴァルトラウテでのマイアーの起用も効いている。しかし、『指環』に欠かせぬ性格的な脇役に関しては、ほぼ満足できたのはミーメだけ。アルベリヒ、ローゲ、フンディング、ハーゲン、みな声は立派だが、キャラクターの表現としてはいずれも失格。特にハーゲンが、こんな図体がでかいだけのマヌケ男では困る。演出、指揮の傾向と合わせて『指環』のダークサイドが大きく欠落する結果になった。単なるヒロイック・ファンタジーとして楽しめばいいという観客にとってはこれでも困らないが、それ以上を求めるなら、好みは分かれそうだ。

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  • ★★★★★ 

    オペラかじり虫  |  兵庫県  |  不明  |  2012年08月27日

    バイロイトよ、しばしさようなら! これはすばらしいRINGです。まず、歌手が揃っています。中でも、これが一代のブレークとなった、ジェイ・ハンター・モリスのやんちゃ坊主ジークフリートが楽しい。巨大なパネル操作は、ワンパターンになるかな、と懸念されましたが、どうしてどうして、見事に使い回されて、間然するところがありませんでした。残念だったのは、METの主レヴァインが通して指揮出来なかったことです。バトンタッチしたルイージは、これはこれで申し分なく、ワーグナー・イヤーの全曲上演も安心でしょう。脇役までよく揃えて、とかくアメリカRINGを低く見る人がアホラシク思えます。注文を付けるとすれば、《ジークフリート》のファフナーのデザインか。これは改良の余地あり。

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