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スヴェンセン(1840-1911)

CD 管弦楽作品集第1集 ネーメ・ヤルヴィ&ベルゲン・フィル

管弦楽作品集第1集 ネーメ・ヤルヴィ&ベルゲン・フィル

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2011年12月11日

    先般CD3枚にも及ぶヨハン・ハルヴォルセンの管弦楽作品集をスタジオ録音したネーメ・ヤルヴィであるが、今度は同じくノルウェーの作曲家、ヨハン・スヴェンセンの管弦楽作品集のスタジオ録音に着手した。ネーメ・ヤルヴィは74歳の高齢であり、近年では息子のパーヴォ・ヤルヴィの華々しい活躍の陰に隠れがちと言えなくもないが、それでも、果敢に新しいレパートリーの開拓に勤しむ飽くなき姿勢には、我々聴き手としてもただただ頭を下げざるを得ないところだ。ネーメ・ヤルヴィに対しては、一部の評論家からは何でも屋のレッテルが貼られ、必ずしも芳しい評価がなされているとはいえないようであるが、祖国の作曲家であるトゥヴィンをはじめとして、ステンハンマルやアルヴェーン、そしてゲーゼやホルンボーなど、北欧の知られざる作曲家の傑作の数々を広く世に認知させてきた功績は高く評価しなければならないのではないかと思われるところである。確かに、誰も録音を行っていない楽曲は別として、一つ一つの演奏に限ってみれば、より優れた演奏が他に存在している場合が多いとも言えるが、それでも水準以上の演奏には仕上がっていると言えるところであり、巷間言われているような粗製濫造にはいささかも陥っていないと言えるのではないだろうか。本盤におさめられたヨハン・ハルヴォルセンの管弦楽作品集については、そもそもいずれの楽曲も輸入盤でしか手に入らないものだけに、正にネーメ・ヤルヴィの独壇場。私の所有CDで見ても、アンデルセン&ベルゲン交響楽団による演奏(1988年)しか持ち合わせておらず、比較に値する演奏が稀少という意味において本演奏について公平な評価を下すことはなかなかに困難であると言えるが、本演奏に虚心坦懐に耳を傾ける限りにおいては、いかにもネーメ・ヤルヴィならではの聴かせどころのツボを心得た語り口の巧さが光った名演奏と言うことができるところだ。スヴェンセンは、グリーグとほぼ同時代に活躍した作曲家であるが、国外での活動が多かったこともあって、グリーグの作品ほどに民族色の濃さは感じられないと言える。それでも、ネーメ・ヤルヴィは、各楽曲の曲想を明朗に描き出すとともに、巧みな表情づけを行うことによって、実に味わい深い演奏を行っていると言えるところであり、演奏全体に漂っている豊かな情感は、正に北欧ノルウェーの音楽以外の何物ではないと言っても過言ではあるまい。いずれにしても、本演奏は、スヴェンセンの知られざる名作の数々に光を当てることに大きく貢献した素晴らしい名演と高く評価したい。今後は、スヴェンセンが作曲した2曲の交響曲やヴァイオリン協奏曲なども録音がなされるのではないかとも考えられるが、続編に大いに期待したいと考える。音質は、従来CD盤ではあるが、十分に満足できる良好なものと評価したい。

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