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ムソルグスキー(1839-1881)

CD ムソルグスキー:展覧会の絵、禿山の一夜(原典版)、チャイコフスキー:交響曲第2番 カラビツ&ボーンマス交響楽団

ムソルグスキー:展覧会の絵、禿山の一夜(原典版)、チャイコフスキー:交響曲第2番 カラビツ&ボーンマス交響楽団

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    MISPRISIONER  |  東京都  |  不明  |  2012年04月05日

    期待を裏切らない名盤である。そもそもボーンマス響は、アンドルー・リットンとの《マンフレッド》を含むチャイコフスキーの交響曲全集が隠れた名盤で、ベルグルンド時代やバルシャイ時代にはショスタコーヴィチの交響曲を積極的に録音するなど、ロシア=ソヴィエト音楽の演奏を得意としていた団体であって、ウクライナ出身のカラビツを音楽監督に迎え入れたのも偶然ではないと思う。尤も、BBC響がロジェストヴェンスキーを、ロンドン・フィルがロストロポーヴィチを、ロイヤル・フィルがアシュケナージを、ロンドン響がゲルギエフを受け入れたように、英国のオーケストラはもともとロシア人指揮者好き、ロシア音楽好きではあるが、その伝統(?)が、ロイヤル・リヴァプール・フィルとペトレンコ、ロンドン・フィルとV・ユロフスキ、そしてボーンマス響とカラビツのような名コンビを生み、本盤のような見事な名盤を生む要因であったことは事実である。■20世紀はユダヤ系・ハンガリー系指揮者の時代だったが、21世紀はスラヴ系指揮者の時代といえよう(その意味で、クライツベルクが急逝したのは大きな痛手だ)。■そこで本盤だが、アバド/シカゴ響、ヤンソンス/オスロ・フィル的な都会的な洗練さと共に、スヴェトラーノフ的な大胆さと泥臭さを兼ね備え、新しロシア音楽像を提示した意欲的な一枚に仕上がっている。■《ウクライナ》交響曲は、これまで聴いたことがないような重厚なテクスチャが全面に出されており、端正な造形の中にチャイコフスキーの音楽に対する強い感興が示されている。これはこれで、普通なら十分アルバムの「取り」として十分な内容を持っているが、本盤では恐ろしいことに、前座に過ぎないのである。■中プロの《禿山の一夜》は、アバド/ロンドン響も用いたいわゆる「原典版」による演奏で、《春の祭典》の何十年も前に書かれたロシア・バーバリズムの局地。カラビツの演奏は、アバド旧盤程良い意味でギスギスした響きはしていないが、録音の良さも考慮すれば、間違えなく同曲のトップ・チョイスである。■アルバムの「トリ」は《展覧会の絵》で、この曲の演奏も実に堂に入ったものとなっている。何といっても低音域の充実度は、英国の中堅楽団とは思えない程だ。特に、最後の二曲の、着実な中にも豪華さがあり、クライマックスでテンポを緩めて楽想を克明に描く解釈は、すこぶる劇的でスケールが大きい。尚、この演奏は、チェリビダッケ/ミュンヘン・フィル[EMI]同様、終曲で二発のバスドラムが一拍遅れて入る初期版スコアが用いられている。

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